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肝肺症候群と肺胞気動脈血酸素分圧格差の疑問/プチプチ滋賀観光

日本人肝硬変患者における肝肺症候群―移植前血液ガススクリーニングの結果より―


肝臓 Vol. 55(2014) No. 3

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo/55/3/55_143/_pdf

【抄録】肝疾患患者において低酸素血症を来す肝肺症候群の病態について本邦での頻度などの検討は十分になされていない.肝移植前検査で座位と臥位の血液ガス分析を行い,61症例のうち2例(3.2%)に肝肺症候群を認めたので報告する.座位あるいは臥位でPaO2<80かつAaDO2≧15
mmHgを呈した疑診症例が27例(44%),そのうちPaO2<70かつ座位で5%あるいは4mmHg以上のPaO2低下(orthodeoxia)を伴った症例4例(6.5%),肺血流シンチで肺内シャントの確定がなされた肝肺症候群は2例であった.症例はともにアルコール多飲歴・喫煙歴のあるC型肝硬変であった.PaO2<80かつAaDO2≧15mmHgを呈する潜在的本症症例の頻度は44%と高く,プロトロンビン時間延長,ビリルビン高値でMELDスコアも高値の重症例であった.肝硬変外来診療における経皮的酸素飽和度モニターなどを利用した本症の把握は重要と思われる.

肝肺症候群の概要が分かって良いのですが、ちょっとこの論文内でいくつか疑問が...とりあえず、今回は一つだけそれについて書きます。

・本文のTable内のデータですが、肺胞気動脈血酸素分圧較差(AaDO2)がマイナスの人がいます。理論的にはAaDO2はマイナスにはなりません。しかし実臨床では、マイナスになることもあります。それは、「日本呼吸器学会肺生理専門委員会報告 日本人のスパイログラムと動脈血液ガス分圧基準値」http://www.jrs.or.jp/quicklink/guidelines/guideline/nopass_pdf/spirogram.pdfの中(7ページ右)にも書かれています。

・なぜ陰性になるかというと、150-(PaO2+PaCO2)/Rという簡便式で求めているからです。Rは呼吸商で、呼吸器学会は0.83としています。(本によっては0.8にしていたりします)しかし、呼吸商というのはいろいろ変動するものですので、Rが小さいとAaDO2はマイナスになり得るわけです。

さて、そこで私の疑問。肝硬変の患者さんのAaDO2を求める場合、簡便式を用いてRを0.83にして果たして妥当かと言うことです。いままで肝硬変患者の呼吸商Rと言うのが、実測ではかられていないのでしょうか?もし0.83でないなら、肝肺症候群の診断基準のAaDO2の妥当性も疑わないといけないと思います。肝硬変患者の呼吸商の数字については、下のようなレポートもあるようですが...↓(私は、全部は読んでおらずTable 2のRQしかみておりませんが)

Resting Energy Expenditure and Substrate Metabolism in Chinese Patients with
Acute or Chronic Hepatitis B or Liver Cirrhosis

Internal Medicine
Vol. 49(2010) No. 19 P 2085-2091

https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/49/19/49_19_2085/_pdf

Objective Patients with liver disease usually have an imbalanced nutrient and energy metabolism that leads to malnutrition and seriously affects their prognosis. Therefore, it is of great clinical interest to understand the resting
energy expenditure (REE) and oxidation rates of glucose, fat, and protein in these patients.
Methods A total of 315 patients with liver diseases
caused by hepatitis B virus were categorized into three groups: 20 acute hepatitis patients, 142 chronic hepatitis patients and 153 liver cirrhosis patients. The REE and the oxidation rates of glucose, fat and protein were
assessed by indirect heat measurement. Energy intake data were also collected which were compared with the REE results.
Results The REE per kg (REE/kg) were 27.34 ± 5.46 kJ/kg, 21.67 ± 5.01 kJ/kg and 19.07 ± 4.45 kJ/kg in acute, chronic hepatitis and liver cirrhosis patients (p=0.000), respectively.
Respiratory quotient (RQ) tended to be lower in patients with chronic hepatitis and liver cirrhosis than that in acute hepatitis patients (p=0.023). Energy, protein and carbohydrate intakes were lower in liver cirrhosis
patients.
Conclusion These data demonstrated that Chinese patients
with chronic hepatitis B and liver cirrhosis had lower energy expenditure and abnormal substrate metabolism. Patients with chronic hepatitis and cirrhosis had a higher protein oxidation rate and a lower carbohydrate oxidation rate compared with acute hepatitis patients.

・どなたか私の疑問に答えてくださいませ...

以下日記

・今日は1日滋賀(南部)の観光でした。9時半に友人のDr.(大学教員)がホテルまで迎えに来てくれて、寿長生の郷(叶匠壽庵:かのうしょうじゅあんというお菓子工房の「お庭」)http://www.sunainosato.com/ へ。そこで梅の花とおいしいお菓子、ウグイスの鳴き声、野の花、眺望等オッサンふたりで楽しみました。(デートスポットによいと思いますよ)梅の花もすてきでしたが、お菓子もおいしかった。わたしは、蒸し梅まんじゅうというのがおいしかった。何か懐かしさを感じる味で、ちょっと涙が出ました。そこに2時間弱いて、それから三井寺へ。300円で鐘をつき、琵琶湖の眺望、重文の襖絵等みました。その後坂本までいって日吉そばの昼食。そして、友人と別れ私一人坂本ケーブルをつかって比叡山延暦寺へ。延暦寺は東塔、西塔、横川と三つのエリアに分かれていますが、今回は東塔のみ。国宝の根本中堂、その他見て回りました。で16時半のケーブルで麓までもどり、あとは比叡山坂本から帰路へ、20時帰宅です。

帰りの電車の中で、坂本民主診療所にいったおかげで知り合いになれた白石さんという方の本:『体験者がつづる近江絹糸人権争議 自由と人権を求めて』(白石道夫。文理閣。2015年3月10日)をいっきに読みました。基礎知識があるのでわかりやすくすっと読めましたが、まったく基礎知識のない人はどんなでしょうね?

・急に睡魔がおそってきたので、もう寝ます。オナスビヤサイ。


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