ボホダレクヘルニアによる異所性腎/ちょっと素敵で変な夢

・胸部のレントゲンで腎臓が「見える」ことがあります。私、何例か経験しております。腎臓が本来あるところになくて「変なところ」にあるのをectopic kidney（変位腎、腎変位、異所性腎）と言います。『医学書院医学大辞典第２版』によると↓

腎変位 renal ectopia
[同義語]変位腎 ectopic kidney，腎位置異常 renal dystopia

正常腎は胎生2か月の終わりに第2腰椎レベルの本来の位置に上昇するが，この上昇機転が不完全なために生じた病態。変位した腎は骨盤，腸骨，腹部，胸部あるいは反対側に存在する。発生頻度は900人に1人であり，両側腎変位は腎変位の10％である。やや右側に多く，腎盂尿管移行部あるいは尿管膀胱移行部の狭窄や膀胱尿管逆流症による水腎症を伴うことがある（56％）。生殖器の奇形を合併することも多い（15～45％）。

・で、それがボホダレクヘルニアによって起こった（という表現が正しいのかどうか分かりませんが）という患者の画像の報告がNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEにありました↓

Ectopic Kidney

Catarina Cardoso Almeida, M.D., Alexandra Mendonça Vaz, M.D.

N Engl J Med 2020; 383:e30 July 30, 2020
DOI: 10.1056/NEJMicm1915200

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1915200

・ちなみにボホダレクヘルニアとは『医学書院医学大辞典第２版』によると↓

ボホダレク・ヘルニア Bochdalek hernia
[同義語]胸腹裂孔ヘルニア pleuroperitoneal hernia

先天性横隔膜ヘルニアの代表的疾患。生まれつき横隔膜の後方に欠損孔があり，内臓が胸腔に脱出して心臓や肺を圧迫する疾患。多くは出生直後から呼吸困難とチアノーゼで発症する。胸部X線撮影で胸腔内に消化管ガス像がみられる。手術で脱出した内臓を腹腔に戻し，横隔膜の欠損孔を縫合する。病側の肺は低形成のため，術後も長期の呼吸管理が必要となる。（Vincent Alexander Bochdalek，1801-1883，解剖学，チェコ）

・↑の説明みると生まれてすぐ重篤な状態というイメージですが、とくに何事もなく成人をむかえることもあるので、上の説明を鵜呑みにしないように。↓の論文では、成人発症が１０％かいております↓

6 年間の病悩期間を有した成人Bochdalek 孔ヘルニアの1 例

小泉岐博、他。日医大医会誌 2007; 3（2）

https://www.jstage.jst.go.jp/article/manms/3/2/3_2_102/_article/-char/ja

【抄録】

A 45-year-old man was admitted to our hospital with left subcostal pain of sudden onset. Although this symptom had occurred frequently, no diagnosis had been established. An emergency chest roentgenogram suggested diaphragmatic hernia. Computed tomography and gastrography revealed Bochdalek hernia. It is important that diagnostic imaging be performed while symptoms are present in suspected cases of diaphragmatic hernia.

＊私の経験から、医学辞書のみで疾患を理解しようとすると間違えることがあります。きちんと疾患に関する論文をよんで理解することですね。

以下日記

・本日7/30（木）は、お犬様がワンワン吠える声で目が覚めました。配偶者が早起きして脱水機かけている音に反応して吠えていたみたい。それまではとても気持ちよく寝ていました。現在私大学院へ行っていますが、何故か夢では中学校に入りなおすことに。ちょっと遅れて緊張しながら入学式の会場へ。コロナウイルスのせいかクラスごとに分かれての入学式。会場へいくといっぱいの来賓/保護者・・・観客と行って良いような人達。入学生の席をみると中年女性が二人座っており、一つ席が空いていました。学校の先生に促されてその席に着きました。その時、ああ、学校は成人で入学した人だけのクラスを一つ作ってくれたんだとホッとしました。さすがに中学生いっぱいの中のオッサンというかジジイひとりはきつい。で、入学式の最中飲み物が提供されましたが、なんと琥珀色とブルーの2種類のカクテル。（久々にきれいな色のついた夢を見ました）3人でどれを飲むかと譲り合いながら私はブルーのカクテルをいただきました。何かすっごくこの夢が心地よくて、朝方ウトウトしておりましたが、馬鹿犬のおかげで目が覚めました。あまりに吠えるのでわたしゃ配偶者が突然死でもしているのかと思いました。こんな夢を見たのは、最近「夜間中学にようこそ」という漫画と『激レアさんをつれてきた』で、中年の漁師さんが高校に入学した話を観たこと、あとはfacebookで夜間中学の取り組みをみてたからでしょうね。あと、カクテルが出てきたのは、私の欲求でしょう。ああ、おいしいカクテルが素敵なバーでのみたい。

・起床後は早い朝食、燃えるゴミ出して６時５０分頃家を出ました。まず、玉島の病院へよって回診、それから水島の病院へ行って午前中産業医学科外来。午後から倉敷市役所で公害健康被害認定審査会。その後直帰して１７時から大学院のＺＯＯＭでレクチャーを聴きました。その後入浴、夕食。そしてこのブログを書いております。これからちょっと机の上の片付け、書類の処理・整理をして２２時までには寝たいと思います。