セフトリアキソン(ロセフィン)による偽胆石/同志に差し入れ
セフトリアキソン(CTRX)の投与に伴い偽胆石と呼ばれる胆石様沈殿物が形成される事が知られており,小児例で報告が多いが,近年高齢者の報告が増加している.今回我々はCTRX投与が原因と考えられる胆石性膵炎を発症した高齢者の2例を経験した.胆石性膵炎を発症する前に1例目の80歳代,女性は気管支炎に対しCTRXを3日間,2例目の70歳代,男性は大腸炎に対しCTRXを5日間投与されていた.いずれも胆石性膵炎の診断で入院し保存的治療を開始したが,炎症反応,肝胆道系酵素上昇が増悪し内視鏡的処置を要した.CTRXに伴う偽胆石の多くは無症状であり,腹痛などの症状が出現した場合でもCTRX投与中止により早期に消失する事から経過観察などの保存的治療が第1選択とされる.しかし,本症例の様に内視鏡的処置を必要とする可能性や,小児だけでなく高齢者にも偽胆石はできやすい可能性を十分に認識しておく事が必要である.
・で、「偽胆石」という言葉ですが、私が持っている『医学書院医学大辞典第2版』、『南山堂医学大辞典第19版』には、そういう言葉は載っていません。レジデントノートにその説明がありました↓
https://www.yodosha.co.jp/rnote/gazou_qa/9784758105545_1a.html
・ロセフィンの添付文書には、偽胆石ではなく胆石としてのっておりますね↓
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6132419F1020_3_04/?view=frame&style=SGML&lang=ja
・ついでに、以前も書きましたが、↑の添付文書にかかれていますが、「カルシウムを含有する注射剤又は輸液との配合により混濁等の変化が認められたとの報告があるので、配合しないこと。」ということですので、ロセフィンを溶かす輸液製剤には注意ですね。(ラクテックとかビーフリードですね)
以下日記
・本日12/31(火)は、6時18分起床。朝勉はせず、朝蕎麦、掃除で8時30分に家を出て新倉敷駅まで車で行ってそこからJRで岡山へ行きました。シネマクレールで「ディリリとパリの時間旅行」というアニメーション映画を観ましたが、実に良かった。時代はベル・エポックといわれているフランスの古き良き時代。私の知っている人たち/絵もいくつかありますが、なんと100名以上も「有名人」が登場していたみたいです。いやー、当時のフランスってすごいと、改めておもいました。1年を締めくくるのにとてもよかった映画でした。
・その後紀伊國屋に行って日めくりカレンダーナンかを買い、イオン岡山の1階で御座候を購入し、その1個を電車の中で昼食代わりに食べました。新倉敷駅から病院へ。電子カルテで入院患者さんの状態をチェックし、みなさん落ち着いておられるのを確認し安心。お一人甘いもの好きの患者さんに御座候の差し入れをして、14時半頃帰宅。御座候1このお昼ご飯ではさすがに少なく、お刺身をいただきました。それからひたすら19時まで掃除。その後、お風呂入って夕食です。昨年の孤独のグルメSPを観ながら、レトルトのカレーと次女にもらった牡蠣の夕食。当然?アルコール摂取です。麦酒、ジン、ウォッカをいただきました。そうそう一番最初におちょこ二三杯だけ日本酒も飲みました。今年は、TVで紅白もわらってはいけないも観ずに寝ることとします。
・ところで標題の「同志に差し入れ」と言うことですが、以前にも書きましたが、私の立場は、甘党左派です。こう言っても分からない人が多いでしょう。時々職場で「まんじゅう怖い」というのですが、理解してくれる人がすくないのと一緒です。甘党は分かりますね、ケーキや饅頭など甘いものが好きな人。左派は広辞苑によると「左翼の党派。また、政党などの内部で急進的または革新的な立場をとる派』と言うことですが、ここではちょっと違う意味で使っています。「左きき」とか「左党」という言葉の意味にお酒好き/お酒のみという意味があります。で、一般的に甘いもの好きな人はあまりお酒は飲まない/飲めない、逆に、お酒好きの人は甘いものをあまり食べないと言われています。しかし、甘党の中にも、政党の派閥のように、左党、すなわちお酒のみがいますよ、それを甘党左派とよんでおりますということです。(ああ、説明がながい)で、今担当している患者さんに甘いもの好きな人がいたので、雑談で御座候しっていますか?と先日きいたところ知らないと言うことで、本日しっかり甘党として成長していただくために御座候を差し入れして「思想教育」をしたと言うことです。ちなみに、私、甘党左派ではありますが、もう一つ、日本恐妻党にも所属しております。(これも以前書いたけど)」
・酔っ払って、このブログかいているので、ぐだぐだかも。今年も、あと2時間を切りました。皆様、良いお年を。
梅毒による口内炎+α/カミさんに叱られた
職業的に低濃度の砒素に長期間曝露された場合や,砒素剤使用時における慢性砒素中毒に際して認められる口腔内症状である。通常,口内炎は歯肉より始まり頬粘膜,軟口蓋など広く口腔粘膜全体を冒し,強い疼痛,灼熱感を伴い紅斑や水疱,潰瘍の形成がみられる。また悪臭を伴い,歯肉出血を生じたり,褐色の色素沈着を歯肉に認めることもある。
水銀剤による治療や職業的水銀中毒の患者にみられる青紫色の着色を伴う歯肉炎。慢性炎症の存在するところに水銀は取り込まれる。重症中毒例ではびらんを伴った潰瘍形成がみられることがある。
蒼鉛剤の連用による口内炎で,蒼鉛は口腔内の硫化水素と化合して硫化蒼鉛として歯間乳頭,歯肉縁に沈着し暗青色の色素沈着を生ずることが多く,さらに進行して頬粘膜,舌縁などの口腔粘膜にも散在性に色素沈着をみることがある。これに加えて歯肉やその他の粘膜にびらん,潰瘍,出血,壊疽などの炎症性変化を来し蒼鉛口内炎を生ずる。
閉鎖孔ヘルニアって、膀胱もあるのね/念願の散髪
閉鎖孔から脱出するヘルニア。閉鎖孔は坐骨,上恥骨枝,下恥骨枝からなる大きな孔で,大部分は強固な結合組織である閉鎖膜に覆われているが,恥骨上枝寄りの閉鎖動静脈・神経の通る部位は通常脂肪組織などで閉鎖されているため比較的脆弱で,この狭い孔(管)から脱出するヘルニアである。高齢の女性に多い。腸閉塞症状で発生する例が多く,術前診断は困難だが,CTが有用である。
シップでも胃潰瘍になるのよ/未来から来た年賀状
月経時の「血尿」は子宮内膜症も考える/また、2年倉敷市公害健康被害認定審査会委員
Bladder Endometriosis
肺血栓塞栓症の鑑別に肺動脈内腫瘍/響はやはりうまいっ!
する可動性の腫瘤を認めた.MRI やGa シンチを施行するも腫瘍と血栓の鑑別は困難であった.病変の生検は
末梢塞栓などのリスクもあることから,肺動脈内の血栓と腫瘍の鑑別を行う目的にFDG-PET を行った.その
結果,腫瘤はSUVmax値が3.3と比較的低値であり,血栓の可能性が疑われた.その後,抗凝固薬内服を行い
一時退院したが,約3 カ月後に心不全で再入院し,エコーで肺動脈内腫瘤は著変なく,右室圧は高値のままで
あった.また腰椎に転移性骨腫瘍が疑われており,原発巣も不明のままであったことから,肺動脈内腫瘍の可
能性も完全には否定できず,診断と治療を行う目的に開胸での外科的処置を行った.術後の病理では腫瘍は器
質化した血栓であった.今回,肺動脈内腫瘍と肺血栓塞栓症の鑑別に苦慮したが,FDG-PET が診断に有用で
あった1 例を経験した.
レミエール症候群/やっぱ、コントより漫才が好き
処方されるも改善せず,当科紹介受診.胸部CT では空洞を伴う多発結節影を認め,敗血症性肺塞栓症が疑
われた.レボフロキサシン(Levofloxacin;LVFX)与薬にても改善が得られず当科入院.血液培養にて嫌
気性菌であるFusobacterium necrophorum を検出した. また右頸部違和感に対して頸部造影CT を施行,
右内頸静脈内血栓を認めた.以上の所見よりLemierre 症候群と診断し抗菌薬を変更,また抗凝固療法を併
用した.炎症所見の改善は得られたが内頸静脈内血栓は残存した.頸部痛を伴う肺の多発性結節影を認める
感染症として,Lemierre 症候群も考慮すべきと考えられた.
桃摘出術を施行された.術後も発熱が持続し,胸部X 線写真にて両肺に多発性の空洞と胸水を認めたため
当科に転科となった.胸部CT では両肺野に多発性の厚壁の空洞を,頸部CT では左内頸静脈の閉塞を認め
た.以上より,扁桃周囲膿瘍を契機に内頸静脈の血栓性静脈炎を合併し,さらに肺に多発性のseptic emboli
に進展したLemierre 症候群と診断した.転科後より,CLDM とCFPM の併用で治療を開始後,漸次空洞
は消退した.治癒後に施行した頸部エコーで左内頸静脈の血流の途絶を認めた.近年,口腔咽頭領域の感染
症は強力な抗生剤の開発によりほとんどが良好な臨床経過を辿る.しかし,時に本症を合併し致死的な結果
を招くことがあり,日常診療においては常に念頭におくべき疾患と考えられた.
Lemierre's Syndrome
骨サルコイドーシス/SWを観る
[同義語]ベック病 Boeck disease,ベック類肉腫 Boeck sarcoid,ベニエ-ベック-シャウマン病 Besnier-Boeck-Schaumann disease
[1]壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫病変形成を主徴とする原因不明の全身性疾患。副腎以外のあらゆる臓器に病変が出現するが,主なる病変部位は,肺(縦隔・肺門リンパ節,肺)95%以上,眼(ぶどう膜,網膜,硝子体)30~40%,皮膚5~10%である。その他,表在リンパ節腫脹のみられることがあり,時に心臓病変がみられる。臨床症状は,①形成された肉芽腫病変による圧迫症状,②肉芽腫形成部位における機能不全,③後遺症としての瘢痕,線維化病変によるもの,である。加えて,発病初期にみられる眼病変,結節性紅斑にみられるような血管病変がある。肉芽腫病変は,多くの場合,治療によってあるいは自然に消褪するが,病変が長期にわたって持続したり,線維化に進展して機能障害がもたらされることがある。有病率,病変の分布や重症度のみならず,経過・予後において人種差,民族差の大きなことが知られている。わが国の症例では,眼病変,心病変の頻度は高く皮膚病変の頻度は低いとされてきたが,最近,多臓器病変例の増加が注目されている。 [2]組織学的には,ラングハンス型あるいは異物型の巨細胞を混在させた,緊密に集合した類上皮細胞からなる。各肉芽腫には中心部壊死は通常観察されない。シャウマン体,および巨細胞内の星芒体といわれる星状の封入体がしばしば認められるが,これらは本症以外でも出現する。診断にはまず抗酸菌・真菌感染あるいはベリリウム症などの除外が必要である。
サルコイドーシスの骨・筋肉・関節病変は比較的頻度は低いものの,しばしば難治性であり長期間の副腎皮質ステロイドホルモン薬(ステロイド)投与を要する傾向がある.診断については整形外科医の協力が必要であるが,手術を要しない内科的治療に関しては,サルコイドーシスに対する全身ステロイド療法の経験の多さからか,われわれ内科医が行うことが多い.骨・筋肉・関節病変に対する治療効果の判定やステロイドの漸減のタイミングなどの判断は,患者の自覚症状に頼ることが多く,われわれ内科医にとって客観的指標に基づく判断をするのは困難である.また患者の側でもステロイドの導入および減量にあたっては,症状が軽度で日常生活が可能な程度であれば,ステロイドを内服せずに我慢する場合もあり,治療方針の決定がスムーズにいかないことも多い.本セミナーではこれら骨・筋肉・関節病変について,東北大学病院サルコイドーシス外来で経験した症例を紹介しつつ,われわれ内科医でできる範囲での診断の手順や,特徴的な画像所見および治療方針などに関して概述する.
― 外因に対する示唆 ―
サルコイドーシス(サ症)の難治性の内・外因については,心サ症9例を中心として検討し,その病因的治療についても症例呈示を行った(日サ会誌20(1),2000).しかし,なお循環器医などより難治例に対する他の治療法を求めるコメントも到来する.その要旨は,何十年にも渡り難治性サ症は,ステロイドを始めとする免疫抑制剤により治療されてきて,長期的には難治性の解決にならないという事である.私達は平成11年よりミノサイクリン(MINO)による治療を試み,現在までの自験4例全例に有効性を認めた.ミノサイクリンには本文に述べるように,AIEとIMPがあるとされるが,抗生剤の代表的3剤のMICを対比すると,その効果は上気道の常在菌である連鎖球菌に一致が認められる様である.
食道裂孔ヘルニアで息切れ、呼吸困難/初体験:しゃべりすぎてめまい
[同義語]食道胃裂孔ヘルニア,裂孔ヘルニア
横隔膜ヘルニアの中で最も頻度が高く,食道裂孔をヘルニア門とし胃の一部ないし全部が縦隔内に脱出した状態。下部食道から胃噴門部の固定不全のような先天的素因に肥満,努責による腹圧上昇,加齢による横隔食道膜の弛緩,食道裂孔の開大が加わって起こり,40~50歳代以上の女性に多い。滑脱型,傍食道型,混合型に分類される。合併する逆流性食道炎が問題であり,食事量を少なく頻回に取るようにしたり,摂食後の横臥をやめ,H2受容体拮抗薬,プロトンポンプ阻害薬(PPI),粘膜保護薬,腸蠕動促進薬を投与する保存的治療が第一選択である。難治性のものや瘢痕性食道狭窄を合併したものは,ニッセン法やヒル法などの手術を要する。傍食道型は手術が第一選択の治療法となる
Left Atrial Compression and the Mechanism of Exercise Impairment in Patients With a Large Hiatal Hernia
Abstract
OBJECTIVES:
The purpose of this study was to determine the association between cardiac compression and exercise impairment in patients with a large hiatal hernia (HH).
BACKGROUND:
Dyspnea and exercise impairment are common symptoms of a large HH with unknown pathophysiology. Studies evaluating the contribution of cardiac compression to the pathogenesis of these symptoms have not been performed.
METHODS:
We collected clinical data from a consecutive series of 30 patients prospectively evaluated with resting and stress echocardiography, cardiac computed tomography, and respiratory function testing before and after laparoscopic HH repair. Left atrial (LA), inferior pulmonary vein, and coronary sinus compression was analyzed in relation to exercise capacity (metabolic equivalents [METs] achieved on Bruce treadmill protocol).
RESULTS:
Exertional dyspnea was present in 25 of 30 patients (83%) despite normal mean baseline respiratory function. Moderate to severe LA compression was qualitatively present in 23 of 30 patients (77%) on computed tomography. Right and left inferior pulmonary vein and coronary sinus compression was present in 11 of 30 (37%), 12 of 30 (40%), and 26 of 30 (87%) patients, respectively. Post-operatively, New York Heart Association functional class and exercise capacity improved significantly (number of patients in New York Heart Association functional classes I, II, III, and IV: 6, 11, 11, and 2 vs. 26, 4, 0, and 0, respectively, p < 0.001; METs [percentage predicted]: 75 ± 24% vs. 112 ± 23%, p < 0.001) and resolution of cardiac compression was observed. Absolute change in LA diameter on the echocardiogram was the only independent cardiorespiratory predictor of exercise capacity improvement post-operatively (p = 0.006).
CONCLUSIONS:
We demonstrate, for the first time, marked exercise impairment and cardiac compression in patients with a large HH and normal respiratory function. After HH repair, exercise capacity improves significantly and correlates with resolution of LA compression.
・ということで、今までの私の認識は、せいぜい咳、胸痛くらいでしたが、息切れや呼吸困難も食道裂孔ヘルニアでおこるということ認識いたしました。
以下日記
・12/18(水)は、早朝回診後午前外来、午後は私の患者さんの退院全訪問に看護師さん、ケアマネさんらと1時間くらい出てきました。その後病棟のカンファレンス、夜間診療。その後開業医さん達との勉強会。帰宅は21時44分。
・12/19(木)は、玉島の病院の方で早朝回診後、水島協同病院で午前産業医学科外来。午後は振動障害の末梢機能検査、で、玉島へ戻って回診し、18時30分から21時頃まで、「たまり場カフェ」の忘年会。私は、患者さんの状態が悪く何時呼び出されるか分からないので、アルコールは飲まず。
・本日12/20(金)は、午前外来。午後産業医面談と回診。夕方、研修医へ呼吸管理のレクチャー。先週の金曜日の朝突然こえがでなくなって8日目。少しは声が出るようになったのですが、まだまだ。40分くらい講義でしたが、なかなか声を出すのがつらかった。終わって部屋を出ようとしたら軽いめまいが。歩いていても何かふらふらあり。声を出すのに変なところに力が入っているのでしょう。初めての経験でした。その後19時まで仕事して帰宅。お風呂入って、録画の「チコちゃんに叱られる」みながらたこ焼きの夕食。お腹いっぱい食べて苦しい。
・で、その後このブログを書いています。(土)(日)は極力しゃべらないようにしたいのですが、なかなかそうも参りません。日曜は当直だし(T_T)