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ハーレキン、ハーリキン、ハーレクイン発赤・症候群/映画館で女性に声をかけられる

以前何回かこのブログの記事で書いたことがあるHarlequin発赤についてNEJMのIMAGES IN CLINICAL MADICINEにありましたのでログ↓(結構典型的なので)

harlequinって、カタカナで書くと標題のような色んな書き方があるみたいです)

Harlequin Color Change in a Neonate

NEJM 2020; 382: 456 Jan 30, 2020
・『医学書院医学大辞典第2版』には「ハーレキン発赤」ということで↓のような説明があります。
ハーレキン発赤 harlequin color change

体幹正中部にて鮮明に境界線を生じ,一側が深紅色,反対側は蒼白になる現象。低出生体重児にみられることが多く,生後2~4日頃が最も高頻度である。生後4週間以降にはみられない。側臥位にした場合にその下部側が深紅色になると記載されてきたが,仰臥位でも発生する。皮膚表在血管の調節機能が未熟であるために発生すると考えられている。病的意義はない。
・『南山堂医学大辞典第19版』の説明も「ハーリキン発赤」というこうで、新生児におこることがあり、病的意味が無いと書かれています。でも、Harlequin sign, Harleauin syndromeといってオトナでも起こることがあり、その原因として腫瘍もあるので、「心配ない」とはいえないと思っていた方がよいと思います。
・ところで、以前も書きましたが、ある言葉を説明するときその語源を明らかにしないといけないと思います。以前法律用語で「黄犬契約」を例にとって、そのことを書いたと思いますが、何で、体の半分が赤くなるのをハーレクインって、言うのかおわかりですか?・・・調べてみたくださいね。
以下日記
・何度も書きますが、1/28(火)よりドクターストップにて「休業」しております。でも、火曜日、水曜日は病院に出て事務作業。昨日1/30(木)は、午前中水島協同病院で産業医学科外来。かなり「特殊な」外来なので、代診も難しいので出勤しました。午後からはお休み。Movix倉敷へいって「寅さん」↓をみてきました。
「男はつらいよ 50 お帰り寅さん」
・最初の歌が、あれ、こんな声だったけ?と思ったら、桑田佳祐が歌っておりました。倍賞千恵子の声が懐かしかった、光男の娘がかわいかった、UNHCRのプレゼンで「未来がもうすこしマシに」(というようなことば)が印象的だった、結構有名な人たちがちょい役ででているけど、山田監督はどういう基準で出演者をえらんだのかな?等々いろいろ思うところがありました。ところで、映画の中で全ての「マドンナ」がでたのかな?男はつらい世のシリーズは多分2/3は観ていると思うのですが、熱狂的なファンであったわけではないので、よくわかりませんでした。
・映画が終わって帰るとき、後ろから女性から声をかけられました。マスクをしていて最初誰だか分からなかったのですが、共に苦労した、そして今は定年退職された事務長さんでした。ご夫婦で映画を観に来られていたみたいです。お元気ですかと問われて、現在ドクターストップで休んでいることをお話ししました。
・本日1/31(金)は本当に仕事は何もせずお休み。午前中は、シネマクレールへいって↓をみました。二転三転どころか、四転五転している映画でした。しかし、そういう映画って、どこか整合性がとれず矛盾があるんですね。でも、まあ楽しめました。
『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』
・帰宅後はちょっと掃除。夕方明石から三女が帰ってきたので駅まで迎えに行ってその足で配偶者とポプラという焼き肉屋さんへ。親子三人で久々?に夕食。こうやって普通に親子三人で食事がとれることに感謝。(もう、余命があまりない病人の心境です)

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SSP: DNARに関する記事・・・まずは、患者ご本人でしょっ!/たわいもない会話も癒やし

・今、Yahoo!のhomepageをみたら下のような記事が目につきました。

救急に心肺蘇生拒否するケース増 隊員、救命責務と板挟み





上の記事の中で、↓のように述べられています。


DNARを希望しながら救急車を要請する「ミスマッチ」はなぜ起きるのか。

 仙台市消防局によると、(1)家族の気が動転してしまう(2)夜間などかかりつけ医師に連絡がつかない(3)救急隊は蘇生処置を原則中止できないと知らない-といったケースがあるという。

その前の方に、

救急隊長は応急処置をしながら、家族とかかりつけ医師に「心肺蘇生、病院搬送が原則」と説明した上で、それでもDNARを望んだ場合は処置を中止する。家族と医師には「蘇生を希望しない」旨の書面に署名して提出してもらう。

と、書かれています。かかりつけ医も署名するのは非常によいことと思いますが、一番の問題は、ご本人のことが欠落しています。まず、ご本人の署名でしょうっ!!!

 

以下日記

・1/28(火)から「休業」になって2日目。本日1/29(水)は、9時半にボランタリーに病院に行って、14時半まで文書の作成と申し送りを書いておりました。その間に自分の血液検査もいたしました。静脈血栓と診断された先週の1/23(木)はd-ダイマーが13.3(すごいでしょ)から本日2.6まで下がっておりました。下腿の周囲径の左右さもお昼はほとんど無くなっていました。(ただ、夜お風呂に入ったら、明らかに左右差がありました。周囲径を図る場合は、明らかに差が出るであろう夜に測った方がよいですね。)血栓は明らかに良くなっているのでしょう。ただ、問題は血栓ができた原因です。まだ原因は不明であり精神的に不安定。でも、一時アルコールを飲む気にもなれませんでしたが、昨日はワイン、今日はビールとワインを飲んでおります。ただ、残念なことに嗄声はまだ改善していません。お店で買い物するときとてもストレスを感じてしまいます。

・ところで、病気(とくに蛇の生殺しのような状態)になった場合、孤独だと大変ですね。幸い私には職場の仲間がいるし配偶者もいるし。そういう人たちと話をするだけで、癒やしとなります。今日のお昼、私の検査データを院長に伝えようと思い、「担当」だった看護師さんがどこに行ったのか近くの看護師さんに問うたら、院長のところ行きましたと。で、てっきり私のデータを伝えに行ってくれたとおもったら「いえ、別件です」というこたえ。そこで、私はベッケンバウワーと。で、近くにいた昔なじみで私の親父ギャグのよき理解者の看護師さんも同時にベッケンバウワーと。彼女曰く、わたしのオヤジギャグと「シンクロ率400%」とのこと。で、ちょっと遅れてたまたまやってきた非常勤のDr.に「ベッケンバウワーって知ってますか?」と問うと「もうひとりのじぶん」という応え。私となじみの看護師さんがツッコミで「そりゃ、ドッペルゲンガーや」と。というような、たわいもない会話も私には癒やしになるのでした。

・さて、あしたは「休業」なのですが水島へ産業医学科外来に参ります。その後は当分「休業」が続きます。


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SSP: 日本人の食事摂取基準/今日から「休業」

昨年末に↓のようなものが公開されておりました。

「日本人の食事摂取基準」(2020年版)





・私は、「概要」と「総論」をざっとみたのみですが、欠落した視点があると思います。まあ、食事摂取量の目安をしめすだけのレポートなら私の「批判」は的外れかも知れませんが、これから述べる観点も考えないと、目安は示すものの実行あるものにはならないと思います。

・例えば、市販されている弁当や食堂での食事提供にも塩分の規制もしくは推奨して補助金を出すような環境の整備が必要と考えます。「生活習慣病」とめいうって、個人の努力のみ求めてもそれは言ってみるだけ、実効あるものにはならないでしょう。実際生活習慣病とかメタボリックシンドロームとかいって個人のみを指導してもなかなか実りあるものにはならないでしょう。(しても無駄とはいっていないし、するなとも言っていません)こういう意見は私一人が言っているわけではありません。確か私も翻訳の末席に加わった『社会疫学』の中にもそんなこと書いていたと思います。(記憶間違いならごめんなさい9


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目安を示すのは良いのですが、それを実行するためには個人の努力のみもとめるのではなく、社会のシステムも変えていくという観点が必要と思います。(せめて、塩分5g以下の弁当は、課税額をへらすとか)
以下日記。
・本日1/28(火)から、ドクターストップで「休業」となりました。でも、病院へは行きました。朝一で腹部骨盤CTを撮影しました。一応どうもなかったみたいですが、正式なレポート待ちです。その後13時まで電子カルテに患者さんの申し送りとたまっていた書類の作成をしておりました。それから帰宅。ゆっくりと机の上の書類を整理しておりました。
・早めにお風呂入って、夕食。久々に赤ワインを飲みました。21時になったら、布団に入ろうと思います。
・夕方右下腿と左下腿の周囲径をはかったらほとんど差が無くなっていました。ただ、まだ右下腿の違和感は残っております。声は、まだ出しづらいです。お店で買い物するのがちょっとつらい。(聞き取ってもらえないので)ああ、早く声がでるようにならないかしら。

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気管支拡張症によるアミロイドーシスの下痢にエリスロマイシン/糸が切れて一気に病人モード

・ほとんど標題がその内容を表しているレポートがありました↓


Secondary Gastrointestinal Amyloidosis Due to Bronchiectasis

 

 Internal Medicine 59巻(2002)2号


・私がへーっと思ったのは、エリスロマイシンを投与して下痢が治ったということ。(これが、first reportだそうですが)でもって、慢性の呼吸器疾患で下痢が続く人は、アミロイドーシスも疑わないといけないということですね。


あっという間に以下日記

・本日1/27(月)は午前中は倉敷中央病院耳鼻科を受診してきました。先週私に静脈血栓があることがわかったというお話をして、では、来週頭のMRIを撮りましょうと言うことになりました。午後から病院へ行くと院長から診断書書くからとりあえず3週間休んでくださいと言われました。突然の話で、自分は休むつもり無かったのですが、人様のいうことは素直に聴かないと行けないと思ったので、ありがたく明日から「休業」することとなりました。午後病棟回診で患者さんにそのことを告げ、夜間診療をおこない、入院患者さんと明日の外来受診する患者さんの申し送りをかいて19時半に帰宅しました。

・急に話が変わります。私が一応呼吸器科が「専門」です。基礎研修3年して呼吸器科のグループに入りました。そのころ気管支喘息で亡くなる患者は、年間6000名。喘息の診療に携わるものは、喘息死をへらしていかなくうてはならないという使命に燃えていたと思います。で、その中で患者さんに言っていたこと。発作が起こって受診をしようかしまいか悩んだら、受診=「悩んだら、受診」、それから家族や友達が受診した方が良いよと言ったら素直にその言葉を受け入れて受診してくださいと教育しておりました。受診が遅れてかなり重症化したり、なくなっていた患者さんがいたからです。ヒトのいうことはきちんと聴きましょうと患者さんに私は行ってきたわけです。

・話変わって、職業性疾患にもかかわってきました。究極は過労死ですね。で、過重な労働をしている労働者、自営業者の人には、「仕事をとるか、いのちをとるか」とか、「家族や同僚が休んだ方がよいよと言ったらすなおにききましょう」と労働者、自営業さん、患者さんに言ってきました。「ヒトのいうことに耳を傾けましょう」

・で、今回院長や同僚が休んだ方がよいと言ってくれました。心の中では、休むほどでは無いと思っているのですが、人様がそうおっしゃっているのだから、今まで患者さんや労働者にいってきたてまえ、自分もきちんとそのルール(ヒトのいうことをきく)を守らないと言行不一致になると思い、ありがたく休ませていただくこととしました。

・で、不思議なもので、休むと決めたら、急に力が入らなくなりました。今まで張り詰めた糸がきれたみたい。パワーがわいてこない、頭に霧がかかったようでボーとしてきました。今日の夜は最後の力を振り絞るように申し送りを書いていました。思うに、やっぱり無理をしていたのかなと。

・さて、明日は朝一で腹部・骨盤CTを撮ってもらいます。「休業」で病棟の回診や外来はもうありませんが、書類をかいたり、申し送りをかいたりしないといけないので、病院で「残務整理」をする予定です。あとは、極力無理をせずダラダラ過ごしたいと思いますが、映画観に行ったり美術館には行きたいとおもいます。ただ、運転して映画館行くのが大儀いと思うのは、やはりつかれているからでしょうか?

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新型コロナウイルスに関する論文/(土)(日)は名張で勉強

・本日は中国ではやっている新型肺炎についてのLancet, NEJMの論文のご紹介。私はサマリーしかまだ読んでおりません。明日の電車の中で本文は読もうと思っております。

A familial cluster of pneumonia associated with the 2019 novel coronavirus indicating person-to-person transmission: a study of a family cluster

Summary

Background

An ongoing outbreak of pneumonia associated with a novel coronavirus was reported in Wuhan city, Hubei province, China. Affected patients were geographically linked with a local wet market as a potential source. No data on person-to-person or nosocomial transmission have been published to date.

Methods

In this study, we report the epidemiological, clinical, laboratory, radiological, and microbiological findings of five patients in a family cluster who presented with unexplained pneumonia after returning to Shenzhen, Guangdong province, China, after a visit to Wuhan, and an additional family member who did not travel to Wuhan. Phylogenetic analysis of genetic sequences from these patients were done.

Findings

From Jan 10, 2020, we enrolled a family of six patients who travelled to Wuhan from Shenzhen between Dec 29, 2019 and Jan 4, 2020. Of six family members who travelled to Wuhan, five were identified as infected with the novel coronavirus. Additionally, one family member, who did not travel to Wuhan, became infected with the virus after several days of contact with four of the family members. None of the family members had contacts with Wuhan markets or animals, although two had visited a Wuhan hospital. Five family members (aged 36–66 years) presented with fever, upper or lower respiratory tract symptoms, or diarrhoea, or a combination of these 3–6 days after exposure. They presented to our hospital (The University of Hong Kong-Shenzhen Hospital, Shenzhen) 6–10 days after symptom onset. They and one asymptomatic child (aged 10 years) had radiological ground-glass lung opacities. Older patients (aged >60 years) had more systemic symptoms, extensive radiological ground-glass lung changes, lymphopenia, thrombocytopenia, and increased C-reactive protein and lactate dehydrogenase levels. The nasopharyngeal or throat swabs of these six patients were negative for known respiratory microbes by point-of-care multiplex RT-PCR, but five patients (four adults and the child) were RT-PCR positive for genes encoding the internal RNA-dependent RNA polymerase and surface Spike protein of this novel coronavirus, which were confirmed by Sanger sequencing. Phylogenetic analysis of these five patients' RT-PCR amplicons and two full genomes by next-generation sequencing showed that this is a novel coronavirus, which is closest to the bat severe acute respiatory syndrome (SARS)-related coronaviruses found in Chinese horseshoe bats.

Interpretation

Our findings are consistent with person-to-person transmission of this novel coronavirus in hospital and family settings, and the reports of infected travellers in other geographical regions.
A Novel Coronavirus from Patients with Pneumonia in China, 2019
NEJM January 24, 2020 DOI: 10.1056/NEJMoa2001017



In December 2019, a cluster of patients with pneumonia of unknown cause was linked to a seafood wholesale market in Wuhan, China. A previously unknown betacoronavirus was discovered through the use of unbiased sequencing in samples from patients with pneumonia. Human airway epithelial cells were used to isolate a novel coronavirus, named 2019-nCoV, which formed another clade within the subgenus sarbecovirus, Orthocoronavirinae subfamily. Different from both MERS-CoV and SARS-CoV, 2019-nCoV is the seventh member of the family of coronaviruses that infect humans. Enhanced surveillance and further investigation are ongoing. (Funded by the National Key Research and Development Program of China and the National Major Project for Control and Prevention of Infectious Disease in China.)



・日本語の解説記事↓


最新論文から明らかになってきた新型コロナウイルス感染症の特徴

・ということで、上記論文の本文は、明日読みます。
以下日記目次のみ。
・1/25(土)1/26(日)は、三重県の赤目四十八滝の温泉旅館で「医療福祉政策学校」でした。
以上。(内容は後日)

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トルソー症候群の定義って結構曖昧/普通のパンツはいてて良かった

私事ですが、昨年12/13に突然右反回神経麻痺となりました。原因精査のため頸部のエコー、頸部~胸部のCT、上部消化管内視鏡をしてほとんど異常が無く、特発性かなと思っていました。今年になって右下腿の違和感を感じていたのですが、先週くらいからそれが強くなり今週はより不快になってきました。昨日お風呂に入って自分の脚をみたら右下腿が左と比べて腫れて、大根と言うよりは株のようになっていました。で、これは深部静脈血栓症だろうと思いました。で、右反回神経麻痺と併せて考えると自分はトルソー症候群(トルーソーとも標記)ではないかと考えました。せっかく特発性の反回神経麻痺と安心しかかっていたのに、また、不安材料が...

・今朝上司のDr.Jにお願いしてd-ダイマー等を調べてもらったところ、なんと13.3μg/Lと高置、循環器専門の院長にも相談して午後からの会議をキャンセルして下肢静脈エコーと心エコー、凝固系の追加の血液検査をしました。で、心エコーは良かったのですが、予想通り右膝下静脈に血栓がありました。で、本日からイグザレルトの内服を開始しました。

・ところで、↑で自分はトルソー症候群ではないかと書きましたが、自分の理解は悪性腫瘍にともなった凝固系の以上による静脈炎と理解しているのですが、調べてみると(というか、実は以前もしらべたことあるのですが)結構定期があいまい。

・『医学書院医学大辞典第2版』による説明は↓


トルソー症候群 Trousseau syndrome
[同義語]移行性血栓性静脈炎 thrombophlebitis migrans

移行性の血栓性静脈炎。癌が原因で起こることが多い。癌から,トロンボプラスチン様の物質が放出されるためと考えられている。まず1本の静脈に現れ,緩やかに進行し,次第に他へ移行する。四肢の静脈に起こることが多い。(A. Trousseau) Durham RH: Thrombophlebitis migrans and visceral carcinoma. Arch Int Med (Chicago) 96:380-386, 1955


ここでは、静脈炎が「移動」すると書かれております。↑の文献は↓


AMA Arch Intern Med. 1955 Sep;96(3):380-6.

Thrombophlebitis migrans and visceral carcinoma.

Abstract

Many clinicians have had occasion to observe that patients who have carcinoma involving an internal organ are prone to develop thrombophlebitis in one or more superficial veins. Trousseau* first wrote about this observation 94 years ago. In brief, he stated that, if the diagnosis of a suspected carcinoma of an internal organ could not be verified, the sudden and spontaneous appearance of thrombophlebitis in a larger vein afforded necessary proof for diagnosis. Trousseau's basic observation stands, but in the light of our present knowledge certain other facts may be added to his statement. For example, the appearance of one or more lesions of thrombophlebitis may be the first tangible evidence of the presence of a visceral carcinoma. It is, therefore, the obligation of the clinician to classify as accurately and as early as possible any type of thrombotic lesion encountered.

There are two types of thrombotic lesions whicharecarcinogenetic in origin.

↑の文献のfull textはfreeではみることができません。で、一番最初のTrousseauの報告は↓ですが、そう簡単にはてにはいらないでしょうね、

Phlegmasia alba dolens Clin Med Hotel-dieu Paris 1865;3:654–712.
・で、UpToDateのPathogenesis of the hypercoagulable state associated with malignancyの項をみてみたら、Migratory superficial thrombophlebitis (Trousseau's syndrome)とかかれており、『医学書院医学大辞典第2版』の説明に近いと思います。他方、↓では、

Trousseau's syndrome: cancer-associated thrombosis

Japanese Journal of Clinical Oncology, Volume 46, Issue 3, March 2016, Pages 204–208,

Abstract

Trousseau's syndrome (cancer-associated thrombosis) is the second leading cause of death in cancer patients, after death from cancer itself. The risk of a venous thromboembolism is 4- to 7-fold higher in patients with cancer than in those without cancer. The causes of this impaired coagulation are associated with general patient-related risk factors, and other factors that are specific to the particular cancer or treatment. It is important to assess the risk of thrombotic events in cancer patients and administer effective prophylaxis and treatment. Effective prophylaxis and treatment of venous thromboembolism reduces morbidity and mortality, and improves patients' quality of life. Low molecular weight heparin is the first-line treatment for venous thromboembolism, as an effective and safe means for prophylaxis and treatment, according to guidelines released by international scientific societies. Oral anticoagulation therapy with warfarin is preferable to no therapy. However, warfarin has low efficacy and is associated with high rates of recurrence. If low molecular weight heparin is unavailable, some guidelines recommend the use of vitamin K antagonists that have a target international normalized ratio in the range of 2–3, as acceptable alternatives. Novel oral anticoagulants that directly inhibit factor Xa or thrombin are promising for the prophylaxis of high-risk cancer patients and in the long-term treatment of venous thromboembolism. However, to date, there is insufficient evidence to support the use of these new anticoagulants.

・ここではトルソー症候群は、Trousseau's syndrome (cancer-associated thrombosis) とかかれており、私の理解に近いですね。

・また、ちょっと違った定義(脳梗塞を合併するというもの)もありまして↓

 

.障害部位・病態による臨床病型

7.トルーソー症候群
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/97/8/97_1805/_article/-char/ja/
抄録
トルーソー(Trousseau)症候群は悪性腫瘍に伴う血液凝固亢進により脳卒中を生じる病態である.脳梗塞の成因の多くはDICに併発した非細菌性血栓性心内膜炎による心原性脳塞栓症と考えられ,原因となる悪性腫瘍は固形癌が多く,その中では婦人科的腫瘍が最も多い.皮質に多発する梗塞が多く,血液凝固マーカーの上昇を認め,原疾患の治療と抗凝固療法が必要となる.
・心では、脳卒中を生じる病態と書かれています。また↓も、脳梗塞をおこすものと「定義」されています。

【特集記事】がん患者の脳梗塞の4分の1を占めるトルソー症候群

・よく知られた言葉でも、各人の認識は違っているかも知れないので、議論するときは注意が必要ですね。
以下日記
・1/20(月)は、午前中は大学で勉強。午後は病院で回診、夜間診療、20時過ぎ帰宅です。
・1/21(火)は、いつもよりちょっとだけ早めに出勤して書類の処理と回診。午前外来後昼食摂らず病棟回診。14時過ぎにカップ麺食べて大学へ。16時から17時20分くらいまでcritical appraisal.その後19時頃帰宅です。
・1/22(水)は、4時53分に病院から私の入院患者さんが急変したという連絡。身支度調えて出勤。ご家族とご挨拶して7時にお見送り。その後は仕事。午前中外来、午後回診とカンファレンス、夜間診療。その後ちょっと病棟よって20時に帰宅。
・本日1/23(木)は、上記のように午前中の外来の前に自分の採血、外来後午後からエコーの検査。下肢の静脈エコーを撮るときはパンツ一枚。今日は普通のパンツをはいていてよかった。くまモンのパンツや「九州男児」とかいたもの、歌舞伎役者の浮世絵をかいたもの、還暦でもらった赤いパンツ、忘年会のビンゴゲームでもらった虎柄ビキニ、いろいろありますが、今日はオーソドックスなものをはいておりましたので、恥ずかしい思いはしなくて良かったです。
・反回神経麻痺の時も今回も、まず、この病気だなと自分の中では、診断はついていましたし、今回もそうですが、あらためて事実を突きつけられるとブルーとなります。
・来週月曜日に反回神経麻痺のfollowのため倉中の耳鼻科に再診に行きます。このときペットをとってもらうようお願いするつもりです。

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腹部大動脈瘤でnutcracker症候群/先週(土)(日)は明石、大阪へ。

以前もブログで書いたと思いますが、ナットラッカー現象(症候群)について復習しましょう。『医学書院医学大辞典第2版』の説明↓


ナッツクラッカー現象 nutcracker phenomenon
[同義語]くるみ割り現象


左腎静脈が腹部大動脈と上腸間膜動脈とに挟まれて狭窄した状態。左腎静脈は,背面に腹部大動脈,前面に上腸間膜動脈をみながら,その間を通り,大動脈を乗り越えて交叉しつつ,右側に位置する下大静脈に流入する。交叉部位が上腸間膜動脈起始部に近く,狭窄が生じた状態は,あたかも左腎静脈がくるみ割り器(nutcracker)に挟まれた状態に似ていることからこの呼称がある。その結果,左腎静脈の内圧が上昇して腎盂,尿管の粘膜の静脈叢が拡張し出血しやすくなる。臨床的には血尿の一因として鑑別する必要がある。


・で、↓のようなレポートがありました


巨大腹部大動脈瘤のためにNutcracker症候群を生じた1例


日本血管外科学会雑誌 2020; 29: 5–8




【抄録】 症例は77歳男性,健診異常のため精査目的に近医より当院を紹介された.尿検査で尿蛋白陽性,尿潜血陽性であり,その精査のために腎臓内科を受診したが,約10 cm大の腹部大動脈瘤を認めたため当科を紹介され,人工血管置換術を行った.術前CTでは腹部大動脈瘤と上腸間膜動脈によって左腎静脈が圧迫される所見が認められ,また左腎静脈の内圧上昇を示す所見として,左精索静脈瘤を認めた.全身麻酔下に腹部正中開腹アプローチで人工血管置換術を行い,瘤を切除することで扁平化した左腎静脈は圧迫が解除された.術後CTでも左腎静脈の狭窄は多少残存するものの左精索静脈瘤は消失し,尿潜血も改善傾向にあった.今回われわれは巨大腹部大動脈瘤のためにNutcracker症候群を生じた1例を経験した.
・ということで、血尿やタンパク尿をみた場合、動脈瘤もあるのではないかと考えないといけませんね。(希だけど)
以下日記
・1/18(土)は、6時42分起床。午前中は主に掃除。13時半前に配偶者と家を出て車で明石の実家へ。途中SAでゆっくりしたりしたので、到着は16時。一服後配偶者と長女と3人で明石の嵜(さき)というお魚のお店へ。18時から20時過ぎまで食事。帰りちょっと買い物をして21時前に実家に戻りました。
・1/19(日)は、7時13分起床。朝風呂入って、パン食べて8時過ぎに家を出て一人で大阪へ。まずは、あべのハルカス美術館で「カラヴァッジョ展」↓。さすがに、結構人が来ておりました。
・その後新世界へ行って昼食、当然串カツ。ただ、ちょっと入った店が残念。串カツはまあまあでしたが、牡蠣フライたのんだらポテトフライがでてきた。まあ、私の声が出なくて聴き取りにくかったんでしょうから、それは仕方ない。しかし、出てきた牡蠣フライがまずい。久々にお店でまずいと思いました。多分、二度と行かないでしょう。その後大阪市立阿倍野図書館までいって1時間半くらい勉強。それから中之島の国立美術館へいって、「インポッシブル・アーキテクチャー 建築家たちの夢」というのを観ましたが、何かようわからんというか、今一でした。展示のコンセプトがよう分かりませんでした。(まあ、いつもは展覧会にいってコンセプトなんて考えて観ていませんが)
・その後17時半から20時半過ぎまで、大阪大学中ノ島センターで森耕治氏の「ゴッホ、最後の71日間。生きるための闘い」という講演を聴いてきました。フーン、そうなんかと感心するところいっぱい。
・その後新大阪駅でうどんとおでんの夕食を食べて岡山へ戻ってきました。うどんがいまいちで、現在私はうどんに飢えております。(私のfacebook友達は「血中うどん濃度低下」と表現していましたが、まさにそのような状態)
・さて、その後の日記はまた後日。


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ちょっと気になるeditorial「医師の過重労働」/61歳での初体験

・J-STAGEで「心臓」という雑誌の目次を眺めていたら、「医師の過重労働」という文章があったので、ちょっと読んでみました↓(ちょっと古いけど)

 

「医師の過重労働」

    心臓 50巻(2018)9号




・こういう学術雑誌に医師の過重労働の論説が載ることはとても良いことですが、ちょっと読んでみて私はひっかかるところがありました。また、過重労働とは関係ないですが、インフォームドコンセントの言葉の使い方が、ちょっと変。(意味が通らないこともないですが)皆様は、どう思われますか?私としては、30~50代くらいの現場でバリバリ自分が働いているDr.達の意見も載せて欲しいですね。


以下日記

・1/14(火)は、6時半起床。朝勉せず早めに病院へ。この日は、Dr.と外来看護師さんのご配慮により8時15分より私の上部内視鏡検査をしていただきました。12/13に突発した右反回神経麻痺の精査です。食道癌がみつかったらどうしようかとびびっていましたが、幸い何も無し。この日は、生まれて初めて経鼻の内視鏡をしました。さすがに経口よりは楽ですが、私のある患者さんがいっていたように「これならなんかいしてもよいよ」という気持ちにはなれませんでした。その後9時から外来、外来終わったらダッシュで昼食食べて(普通は食べないのですが、検食の当番だったので)回診し、14時20分頃病院出て大学へ。医学部へ行くバスにのっているあいだに、この日のCA(critical appraisal)が中止になったという連絡が。ああ、ダッシュの昼食とダッシュの回診は何だったのか、しかし、まあ、そいうことも長い人生(かな???)の中でもあるでしょうと気を取り直し、どっか飲みに行こうか映画を観ようかと思いながら教室に行ったら、若い女性3名が飲みに行くというので一緒にドイツパブに連れて行ってもらいました。そこで17時から20時半くらいまで飲んでかえって来ました。

・1/15(水)は、5時半起床。身支度して、30分歩いて駅前に止めていた車(昨日飲むつもり無かったのにのんでかえったので車を駐車場におきっぱなし)をとりにいき、帰って朝風呂。その後配偶者に病院まで送ってもらいました。ちょっと病棟よって回診、その後午前外来、午後回診とカンファレンス、夜間診療、事務作業。19時半前に上司のDr.Jと車で根元という日本料理屋さんへ。毎月1回玉南医懇という勉強会をしているメンバーの新年会。22時くらいまで懇談して、帰宅です。

・1/16(木)は、6時過ぎ起きて朝風呂、朝食。まず、玉島へよって書類と昨日忘れて帰ったiPhoneをとって水島へ。午前中産業医学科外来。午後手話通訳者さんの頸肩腕障害健診の2次検査と労災書類作成。15時前に玉島へ帰って19時過ぎまで仕事。その後金光町佐方へいって「たまり場カフェ」の会議。金光図書館とコラボしてイベントを行うはなしをしました。私は、ひょっとしたら図書館の館長さんと対談するようになるかも。以前から図書館について勉強しようと思っていたので、まあ、良い機会か、アマゾンで図書館関係の本2冊とりあえず注文しました。

・本日1/17(金)は6時半起床。朝食後出勤。反回神経麻痺になってから明らかに自分のアクティビティーが低下していることを感じております。病棟ちょっと寄ってから午前外来。午後回診、患者のご家族へ病状説明。それでさっさと帰れると思っていたら、ノーマーク?だった、患者さんが嘔吐。検査して大きな異常はなさそうなのであとは当直の先生のお願いして19時48分帰宅。お風呂からでたら、「チコちゃんに叱られる」をやっていて、キョエちゃんが、ありがとうというところ「サンキュー・てるよ」と言ってたにいたく感動・・・私は何十年も前から使っていたジョークがついに日の目を見た。で、その感動を書きたくて、本日は長々とこのブログをかきました。(ウソ)

・これから、歯磨きして寝ます。明日は、病院から呼び出しがなければ、明石の実家へ行きます。

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8月のパラグライダーで凍傷/草は抜けずに髪抜ける

久々にLancetのsiteをみていたら↓のようなレポートがありました。8月にパラグライダーをしていた人が、凍傷で救急外来に受診したという話。(著者らはオーストリアーオーストラリアではないーの大学ですね。だから、8月と言えば夏)何で、パラグライダーで凍傷?と思ってしまいますが、こういうこともあるんですね。(標題もLancetらしく、ちょっとシャレがありますね。)


Frostbite of the hands after paragliding: a chilling experience

Lancet. 2020 Dec 21;394(10216):2282
・ということで、パラグライダーするときは、夏でも分厚い手袋をした方が良いですね。
あっという間に以下簡単な日記
・1/10(金)午前外来、午後回診、19時前に帰宅です。夕食時アルコール飲みながら録画の「チコちゃんに叱られる」観て寝ました。
・1/11(土)は、お休み。午後から配偶者と岡山(市)へ行って、シネマクレールで「パラサイト」観ました。面白かったような、ちょっと気持ち悪かったような...
・その後イコットニコットの中の「すみれ」という焼き鳥屋さんで夕食、アルコール摂取し帰宅。そのお店、一応クラフトビールをおいているということでメニューにはいっぱい種類が書かれていましたが、その日は2種類しか提供無し。ちょっとがっかり。
・1/12(日)は事務作業と掃除、庭の草抜き。17時半から宿直でした。
・本日1/13(月)は当直明け。9時にdutyは終わりましたが1時間ばかり書類を書いて帰宅。ちょっと庭の草抜きして昼食。真っ昼間からビール飲みました。その後グダグダ、夕方庭の草抜き、入浴、夕食、「激レアさんをつれてきた」を観ておりました。あいだ間で明日のcritical appraisalのための英語の文献を読みました。
・明日は、私の反回神経麻痺の原因検索のため、特別に8時半から胃カメラをしてもらいます。それで、何も無ければ私の反回神経麻痺は特発性ということになるのでしょう。胃カメラの後は、普通に外来、午後から大学へ行くつもりですが、果たしていけるでしょうか?
・それにしても庭の草がなかなか抜けません、髪の毛は簡単に抜けるのに。(当直明けで当直室の枕をみたら抜け毛がいっぱいで悲しい)

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TAVR(or TAVI)による腋窩動脈閉塞/左門豊作的%安心

医学の進歩(すくなくともテクノロジー)はめざましく、各種最先端のことにはついていけません。最初TAVIってなに?TAVRという言葉もあるけど、同じもの?違うもの?と、悩んでおりました。それは、同じものなのですが、おなじものを違う言葉で言わないでと言いたい。その説明はいろんな病院がされておりますが、いつもお世話になっております天下の倉敷中央病院様のsiteの説明↓




・東の覇者?の慶応大学のサイト↓





で、今週のNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに↓のようなレポートがありました。


Axillary Artery Occlusion after TAVR

N Engl J Med 2020; 382:179 Jan 9, 2020
・私の感想は、脳梗塞のみで無く、こういう所も詰まるのねというものです。
・TAVIの合併症について簡単にまとめられているサイト↓(昭和大学病院)
・TAVIの合併症についての論文↓
TAVIの合併症とその対策
 心臓 46巻(2014)4号
以下日記
・本日1/9(木)は1日有給休暇をとって倉敷中央病院様の耳鼻咽喉科を受診してきました。昨年12月13日に突然嗄声が出現し、今年の1月4日に近医受診し右の反回神経麻痺と診断され、紹介されたものです。予想通り、頸部のエコーと頸部・胸部のCTの検査をしました。あまり大きな問題は無かったのですが、食道壁が少し肥厚しているかもしれないのと縦隔リンパ節が小さく腫れているところがあり、上部消化管内視鏡を念のためしておいた方が良いと言うことでした。そちらは、自分の病院でしてもらうこととしました。それが、異常なければ、特発性の反回神経麻痺ということになります。まあ、8割方は、重篤な疾患はないということですので、大分安心はできました。ただ、後の2割が重要。星飛雄馬の消える魔球の謎を左門豊作が80%まで、解明しましたが、あと20%は花形満の解明をまたないといけなかったように...(多分多くの読者は何を言っているのがさっぱり分からないでしょう)
・まあ、大分安心。診療もありがたいことに13時13分に終了しました。ちょうど待合室のTVで、さいとう・かたをインタビューがあり、これも何かの運命か。(これまた、何を言っているかわからないでしょうね)お腹すいたので、アリオ倉敷のフードコートへ行って、粉助というみせのたこ焼きとたこせんを食べました。ちょっとだけアリオ歩いて15時帰宅。メッチャ疲労感が強く、ちょっとお昼寝。その後夕方に配偶者とご近所で無くなった方がおられたので、そちらのお宅の「くやみうけ」に。(何のことかわかるかな)
・かえって来て、入浴、夕食です。で、反回神経麻痺が特発性だとしても、嗄声が治るかどうか分からないので、音声読みあげソフトをiPhoneで探してみました。まずまずのものもあるのですが、私が良いとおもったのは女性の声ばかり。これを外来で使ったら、違和感満載でしょうね。もうちょっと、よいソフトをさがしてみようと思います。

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