SSブログ

心房細動に対するカテーテルアブレーションの副作用としての肺静脈狭窄症/宿直で寿命が縮まる

私が外来で診ている患者さんで、時々不整脈の治療でカテーテルアブレーションをされている患者さんがおられます.そういう方が、咳、血痰、息切れ、だるさ等訴えられたら肺静脈狭窄症も考えないといけないんですね.↓のような論文がありました.

 

Recurrent pneumonia post atrial fibrillation ablation: do not forget to look for pulmonary vein stenosis




Abstract
A man in his 50s presented with persistent chest pain, haemoptysis, cough and dyspnoea 5 months after undergoing catheter ablation for atrial fibrillation (AF). Several chest CT scans suggested pneumonia. Despite adequate treatment for recurrent pneumonia, symptoms persisted. While reviewing the initial chest CT, a partial venous infarction of the left lower lobe associated with severe left inferior pulmonary vein stenosis (PVS) was diagnosed. Stenting of the left inferior pulmonary vein with a vascular bare metal stent was performed, guided by fluoroscopy and transoesophageal echocardiography. Dual antiplatelet therapy (aspirin/clopidogrel) was introduced for 3 months, followed by long-term aspirin monotherapy. The treatment resulted in relief of his symptoms and the resolution of pulmonary opacities on chest CT. Despite low frequency, AF ablation remains the most common cause of acquired PVS. As highlighted in this case, symptoms are not specific and include recurrent pulmonary infection with delayed management.




cf. 2016年のCareNetの解説記事↓


心房細動アブレーションによる高度肺静脈狭窄、適切な対処法は?





不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版)




上のp64に↓のような記述があります.


手技や時期および仕様デバイスの影響などもあり,合併 症発症率は報告により異なる.AF アブレーションの開始 当初比較的多かった肺静脈狭窄は,高周波アブレーション カテーテルではほとんど報告されなくなったが,バルーン アブレーションの普及とともに再度増加の傾向があるため, 注意が必要である.


・肺静脈狭窄症は主には小児の先天性疾患、もしくは先天性疾患の術後合併症として認められることが多いみたいで、成人ではアブレーションの合併症くらいでしかみられないのでしょうか?医中誌で「肺静脈狭窄症 成人」といれたら20件ヒットし、アブレーションの合併症以外では悪性リンパ腫によるものと脊柱側湾の進行によるもの2件のみで、それも会議録のみでした.かなり珍しいのでしょうね.



以下日記

・昨日12/10(土)は17時30分から本日12/11(日)9時まで宿直でした.この間お一人お看取りをしました.帰宅は9時45分でした.一服後お昼まで肺癌のレクチャーの準備.参考文献を調べているといろいろ文献がでてきて面白かったのですが、きちんと全部読む時間が無いのが残念.昼食後ちょっとお昼寝.午後は、最近無くなった私の尊敬するDr.の偲ぶ会の挨拶文を書いておりました.何を書いてよいのか分からないので、押し入れの奥を引っかき回して昔の資料を探してうちの組織の歴史やその先生の書かれた文章を探し出して読んでいました.それを読んでいて、つくづく素晴らしい先生だったと思いました.

・夜は医療生協の配り物を配偶者とおこなってその足でコテツといういつもの焼き肉屋さんへ.もう、カルビはいけません.脂が多く苦しい.今後はハラミにしましょう.帰宅後は、上記挨拶文をしあげてe-mailで送付.お風呂入って、これから田沢湖ビールをいただきます.

・しかし、宿直は本当に疲れた.お看取りをして精神的に疲れたのとその時は興奮していてなかなか寝付かれず、寝も浅かったです.幸いなことに2時前におこされた以外は朝7時過ぎに電話でおこされるまで眠れたことです.ホンマ、命けずってます.


nice!(0)  コメント(0)