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蜂窩織炎の鑑別診断に高安病を/予想通り忙しかった初仕事

蜂窩織炎とは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


蜂巣炎
ホウソウエン
[英]phlegmon
[同義語]蜂窩織炎,フレグモーネ
[1]化膿性炎の一型で,疎性結合組織にびまん性,進行性の急性化膿性炎症が生じたもの。膿が組織内,体腔などに限局する膿瘍,蓄膿と区別される。皮下組織に生じること(浅在性)が多いが,腸管壁,縦隔,骨格筋などの深部にも生じる(深在性)。局所の強いびまん性浮腫と多核白血球の浸潤を特徴とする。 [2]表皮の小さな外傷や毛孔,汗孔から主としてブドウ球菌が侵入して発症する。境界不明瞭な紅斑と圧痛,局所熱感を生じ,次いでびまん性浸潤性潮紅となる。局所リンパ節炎,全身倦怠感,発熱,頭痛など全身症状を伴うこともある。下肢に好発する。一般に予後は良いが(急性蜂巣炎),稀には深部に波及したり,敗血症や血栓性静脈炎を生じたりする場合がある。
・結構この疾患、鑑別診断にあげないといけない疾患がいろいろあります.例えば、『今日の皮膚疾患治療指針 第5版』には「深在性皮膚真菌症や皮膚抗酸菌症,骨髄炎や腸腰筋膿瘍などの深部の感染症,膠原病,血管炎などによる炎症,虫刺症,皮膚リンパ腫,壊死性筋膜炎など,鑑別疾患は多岐にわたる.」と書かれておりますし、UpToDateをみてみても、ホントいっぱい.で、↓のようなレポートがありました.
Takayasu Arteritis Mimicking Phlegmon
Yuki Taira, Yasuhiro Nakano, Yoshihisa Hanayama, Fumio Otsuka
Intern Med 62: 149, 2023
・ここでは、高安動脈炎(高安病)が蜂窩織炎の鑑別ということになっておりますね.ちなみに高安動脈炎とは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓
高安動脈炎
タカヤスドウミャクエン
[英]Takayasu arteritis
[同義語]高安病 Takayasu disease,大動脈炎症候群 aortitis syndrome,脈なし病 pulseless disease,高安閉塞症 Takayasu occlusive disease,特発性肉芽腫性動脈炎 idiopathic granulomatous arteritis
病理学的には,大血管,主に大動脈とその主要分枝(右総頸動脈,椎骨動脈,鎖骨下動脈)の肉芽腫性炎症像を呈し,血栓形成に伴う血管内腔の閉塞がよく認められる。本邦の若年者に発症し,男女比は1:10と女性に多い。遺伝要因として大動脈弓病変例ではHLA-B52,DR2,腹部大動脈病変例ではB39との相関がある。症状は病変部位によって異なるが,立ちくらみ,失神,視力低下や霧視,脈触知不良などのほか,脳血管障害や大動脈弁閉鎖不全症を合併する。治療はプレドニゾロンが汎用され,病態に応じ,非ステロイド抗炎症薬,血管拡張薬,血小板凝集抑制薬などが使われる。大動脈弁閉鎖不全症,大動脈瘤に対しては外科療法が必要となる。予後は比較的良いが,死亡率は2%くらいで,死因には心不全,不整脈,脳血管障害,大動脈破裂が多い。
・最初の論文にかかれていたように、両側の蜂窩織炎のように思えたら、ちょっとまてよ、動脈炎じゃないかとたちどまって考えないといけませんね.
・最初の論文でおしむらくは、なんで造影CTをとったのか?その思考過程がよくわからないことです.
以下日記
・本日1/4(水)は、1/1の宿直を除いて仕事始め.仕事がたまっていると予想し5時半に起きて病院には7時15分頃つきました.道がすいとりました.で、病棟の回診、朝礼後外来.その後ちょっと病棟回診して、訪問診療、そして夜間診療、また病棟よって帰宅は19時半前でした.ちょっと自分の持ち患者さんがはいえんになっていたり、本日外来で診て入院させた患者さんの担当になったり、予想通り忙しかったです.
・帰宅後は、ネコたちに餌やって入浴、夕食.本日もちょっとだけアルコールをいただきました.で、ちょっとだけ勉強してこのブログを書いております.もうすでにヘロヘロなの22時台には寝たいと思います.

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