SSブログ

外来心得(研修医への講義より)/最近中途覚醒多し

・11/3のブログに「研修医への講義:外来の診療で大切なこと、コツ、私がやっていること/2日連続ダブルヘッダーは疲れます」というのを書きました。ちょっと、そのまとめの意味と今後へのバージョンアップを兼ねて、ちょっと「解説」(と言うかメモ)してみたいと思います。とりあえず、レジュメの「心得」を貼り付けておきます。レジュメ全文は↓のページをご参照ください。(*印のついた文章が「補足・説明」です)

http://newoem.blog.so-net.ne.jp/2017-11-02講義がやっていること/2日連続ダブルヘッダーは疲れます

1.心得

・患者さんは、要望と不安をもってくる

  *患者さんは、当然不快な症状を取ってほしい、病気の原因を明らかにしてほしい、健康診断をしてほしい、旅行に行っても大丈夫と言ってほしい等々いろんな要求・要望をもって医療機関(以後病院とします)にやってきます。ただ、要望を持ってくるのみではなく、その裏にはいろんな不安をもってこられます。そもそも病因なんてめったに行ったことがないので、それだけで不安。悪い病気だったらどうしよう、仕事を休まないといけないのか?、費用はどれだけかかる?痛い検査や処置があるのか?医者は怖い。待ち時間がながい、入院が必要か?大きな病院にいかないといけなかったらどうしよう...等々。それらを明確に口に出して医療従事者(以下医師、看護師等で代表)に言われる患者さんは、あまりいません。その不安をいってもらったり、察知する努力・工夫が必要。

  要望がはっきりしないこともある・・・診療の中で明確にする

   *自分ではどうしたらよいのか途方にくれて病院を受診されることもあります。真の要求demandを診察中に明確にしないといけません。

  「主訴」と真の受診動機は異なることがある

   *受付で言われた主訴、例えば「咳」と本当に相談したいことは違ったりします。(エイズが心配)。言いやすいような雰囲気を作ることと下記のような工夫が必要です。

  →最後に二つの門をあける:注文と質問・・・ドアノブ・コメントを避ける

   *ドアノブコメントとは、診療が終わって(と、こちらが思っている)患者さんがドアノブに手をして、「実は・・・」と本当の受診理由を話し始めることを言います。なかなか、患者さんは話を切り出せないのです。ただ、こちらも診療が終わったと思っているところに、ドアノブコメントをされるとガクッときます。そうならないために、診療を終える前に、「何か質問、注文はありませんか?」と訊くようにすれば、ドアノブコメントが少なくなるでしょう。質問と注文の二つの「モン=門」をあけておくという表現は、私は大分以前に柏木哲夫先生の本で学びました。

・誠実に・・・この対応は果たして誠実か?と自問する

  *患者さんへの対応で、適当にあしらっていないか?、この対応で本当に良いのかと自問するとき、「自分のこの態度・行動は誠実か?」と自問することを私は心掛けています。

・患者さんの受診目的と医師の診療の目的が食い違うことがある

  *患者さんは、症状をとってもらいたいだけなのに、医師はしっかり検査しようとする。患者さんは喘息発作を治してほしくて、治ったらそれで治療はおしまいと思っているが、医師は症状がなくても長期的に薬を使う必要があると考えている・・・・お互い考えていること・治療の目標が食い違っていることがあります。故に↓にかいたとおり。

  目標の明確化・共有    

                       

・情報格差があるのが当たり前だが...

  本やWebsiteでよく調べられている人もいる

  *患者さんは千差万別。何も医学知識がない人もいれば、医者以上にある領域の疾患の知識を持っている人もいます。医師は、その知識が妥当かどうか評価する、特にどのような基準・物差しでその知識を評価しているかを説明できないといけません。これは、過去何回かこのブログでとりあげた、Critical Appraisal: CAだと思います。医師と医師以外の人との違いはこのCAだと私は現在考えています。

  中には、医師をテストしている人もいる

  *いろいろ病状を説明した後、「インターネットで調べた通りだ」とおっしゃる患者さんもいますね。ちょっとムカッときますけど、医師を値踏みしたい気持ちもわからないわけではありません。

・録音されているつもりではなす

  *ときに診療を録音される人がいます。(私はそのような経験はあるいませんというか、あったかもしれませんが、気が付いていません)たとえ録音がインターネットで全世界に流されても、恥ずかしくない(言葉使い、説明責任が果たせる)ようにしましょう。カルテ記載も一緒です。すぐカルテ開示を求められても大丈夫なように記載を。(患者さんが読んで、誤解・不快を感じるような表現は避ける)

こちらは、そういうつもりはなくても、「お医者様」:話ずらい・訊きづらい

 *こちらは全然権威者・威張っているつもりはなくても、世間一般多くの人は、お医者様とおもって話づらい、聴きづらいと思っています。極力話しやすい雰囲気で。患者さんと共通の話題=趣味や郷里のこと、ペット等がもてたらバリアーは下がると思います。

   ユーモアを持って。バリアーをできるだけ低くする。

  *病院の場で笑い・ユーモアは「禁」と思っている人がおられるかもしれませんが、そんなことはありません。・・・ただし、喘息のコントロールが悪い人はあまり笑かしてはいけません。私過去何回か、喘息患者さんを笑わせてせき込み、発作を起こさせたことがあります。(反省)

 

以上のようなことを考えて、自分が診療したり、研修医に話したりしています。ご意見あれば、コメントをよろしく。

 

以下日記

・昨日11/6(月)は、6時に起きて朝勉して、大学へ。午前中疫学でつかう統計学の勉強。午後から玉島に「戻って」外来。患者さんの予約は少なかったのですが、何故か外来看護師さんがとても少なく、かなり診察は「セルフサービス」。診察後予約も自分でとって、会計の書類を会計まであるいて持って行って。インフルエンザワクチンも、ひとりでうって、うったところにテープを張って、書類にサインして。診察室と会計まで何回も往復して結構あるきましたぞ。まあ、そういう日もあるかな。でも、なんで昨日はあんなに看護師さんがいなかったの???

・本日11/7(火)5時半起床。朝勉して大学へ。1日勉強でした。特に高齢者特論の講義は、外来で診療をするのにいろいろ示唆をいただきました。ex.外来でこられた高齢者の方の栄養の評価を栄養士さんにしてもらおうかなと思いました。(栄養士さんには通常糖尿病や脂質異常症の患者さんへの栄養指導をしてもらっていますが、高齢者の全体的な食事・栄養の評価をしてもらっても良いと思いました)

・帰宅は割と早くて19時20分。まず、食事。録画の『月曜から夜ふかし』観て、このブログを書いております。これからお風呂入って、さっさと寝ます。何故か最近、中途覚醒が多く、熟睡できません。アルコール飲んだ日は、仕方ないと思いますが、飲んでいない日もそんな感じ。ひょっとしたらノンアルコール飲料もアルコールと同様睡眠の質を悪くするのではないかと仮説を持ったりして。ということで、本日はほとんど毎日飲んでいるノンアルコール飲料も飲まないつもりです。果たして、熟睡できるか?

 


nice!(0)  コメント(41)