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Critical Appraisal:石綿曝露と大腸癌/1日大学でお勉強

・今日は大学で1日勉強でした。週に1回学生、教員もちまわりで論文を一つ選んでその批判的吟味(CA: Critical Appraisal)を行っていますが、本日は私の担当。↓の論文を吟味しました。


Environ Health Perspect. 2017 Mar; 125(3): 409–415.
Published online 2016 Aug 12. 

Occupational Asbestos Exposure and Incidence of Colon and Rectal Cancers in French Men: The Asbestos-Related Diseases Cohort (ARDCo-Nut)

Abstract

 

Background:

The relationships between asbestos exposure and colorectal cancer remain controversial.

 

Objectives:

We examined the association between asbestos exposure and colorectal cancer incidence.

 

Methods:

Volunteer retired workers previously exposed to asbestos were invited to participate in the French ARDCo screening program between 2003 and 2005. Additional data on risk factors for colorectal cancer were collected from the ARDCo-Nut subsample of 3,769 participants in 2011. Cases of colon and rectal cancer were ascertained each year through 2014 based on eligibility for free medical care following a cancer diagnosis. Survival regression based on the Cox model was used to estimate the relative risk of colon and rectal cancer separately, in relation to the time since first exposure (TSFE) and cumulative exposure index (CEI) to asbestos, and with adjustment for smoking in the overall cohort and for smoking, and certain risk factors for these cancers in the ARDCo-Nut subsample.

 

Results:

Mean follow-up was 10.2 years among 14,515 men, including 181 colon cancer and 62 rectal cancer cases (41 and 17, respectively, in the ARDCo-Nut subsample). In the overall cohort, after adjusting for smoking, colon cancer was significantly associated with cumulative exposure (HR = 1.14; 95% CI: 1.04, 1.26 for a 1-unit increase in ln-CEI) and ≥ 20–40 years since first exposure (HR = 4.67; 95% CI: 1.92, 11.46 vs. 0–20 years TSFE), and inversely associated with 60 years TSFE (HR = 0.26; 95% CI: 0.10, 0.70). Although rectal cancer was also associated with TSFE 20–40 years (HR = 4.57; 95% CI: 1.14, 18.27), it was not associated with ln-CEI, but these findings must be interpreted cautiously due to the small number of cases.

 

Conclusions:

Our findings provide support for an association between occupational exposure to asbestos and colon cancer incidence in men.

 

で、上記論文のCAでつかった私のレジュメが↓

 

Occupational Asbestos Exposure and Incidence of Colon and Rectal Cancers in French Men: The Asbestos-Related Diseases Cohort (ARDCo-Nut)[i]

 

Christophe Paris,  et al.,Environ Health Perspect. 2017 Mar; 125(3): 409–415

 

I  Summary

1. Research hypothesis[ii]

.石綿暴露は大腸がん(結腸癌、直腸癌)の発生リスクを上昇させる

 

2. Study design[iii]

cohort study ARDCo  ARDCo-NUT

P: 石綿曝露歴のある男性(元)労働者

E: 石綿曝露

C: (曝露期間、曝露「量」で比較)

O: 結腸癌、大腸癌の罹患

 

3. Study subjects[iv]

Fig. 1

200310月~200512月。フランスの4地域、いろいろな産業(鉄鋼業、建設業、荷役業、金属加工、船舶修理業)の石綿曝露歴のある元労働者からボランティアをつのった。(60未満から75歳以上まで)

2014430日までfollow

 

4. Data collection[v]

*計測は2回:登録時と2011

・登録時検査:問診(職業歴、曝露期間、喫煙)、肺機能、CT

2011年質問紙法(郵送):主に消化器癌のリスクファクター: body mass index (BMI), exercise, familial adenomatous polyposis (FAP), and a family history of colorectal cancer in first-degree relatives, as well as alcohol and red meat consumption.   

曝露指標 

曝露期間 time since first exposure (TSFE)  

曝露「量」 cumulative exposure index (CEI)曝露単位×年数 

 low 0.01 intermediate 0.1 high intermediate 1.0 high 10.0 *アスベスト濃度は測っていない

 ・・・measurement biasあり

 アウトカム指標 

結腸癌、大腸癌の罹患 French National Health Insurance

 

共変量

 喫煙 body mass index (BMI), exercise, familial adenomatous polyposis (FAP), and a family history of colorectal cancer in first-degree relatives, as well as alcohol and red meat consumption.  

 

5. Data analysis[vi]

・検定はすべて両側t検定

ARDCoARDC-NUTと分けて解析

ARDCo

  Cox比例ハザードモデルで2種類のモデル:CEITSFE(比例性はグラフでチェックした。)

 CEIは自然対数変換した連続変数(ln(CEI+1)とカテゴリー変数(四分位)とした

 TSFEは年齢を連続量とカテゴリー変数の2種類

・最初粗解析をおこない、その後喫煙で調整

ARDCo-NUT

 BMIは3区分、運動は2値、赤肉とアルコールの消費は、2値。

・喫煙以外は、complete case analysis(喫煙は、missingというカテゴリーを作成)

 

6. Results[vii]

Fig. 1 ARDCo 14515 ARDCo-NUT 3579

ARDCo181例の結腸癌と62例の直腸がん 

ARDCo-NUTは結腸癌41例、直腸がん17    see Table 1

Table 1 基本属性は、喫煙状況以外、ARDCoARDCo-NUTで差はなかった

・共変量 see Table 2

・罹患率 Table 3 (説明変数を連続量とカテゴリーの二つで解析している)

  単変量解析では、TSFEとHRが逆相関  CEIとは相関なし

 

Table1 Study population characteristics of the overall ARDCo and the ARDCo‑Nut subsample (males only).

Table 2 Selected specific characteristics of the ARDCo‑Nut subsample in 2011 (males only, n = 3,579)

Table 3 Incidence of colon and rectal cancers according to asbestos exposure in the ARDCo (Cox models, n = 14,515).

 

6. Conclusions[viii]

石綿曝露歴40未満の男性と結腸癌の罹患には、関連がある。

 

II  Strength of the paper

・方法が詳しく書かれている esp. Cox proportional hazard model

Hygienistが問診をとっている(measurement biasが少ない)

・診断が正確(measurement biasがすくない)・タバコその他の大腸がんの危険因子で調整している(confoundがすくない)

死亡率ではなく罹患率を調べている

 

III  Weakness of the paper (bias, chance, etc.)

・対象が男性のみ

・実際のアスベスト濃度を測定していない(measurement bias

・ボランティアをつのったのでselection bias: すでに病気療養中の人(ex. 癌ではないが石綿肺があるようなhigh riskと思われる)は、除外されている可能性あり

大腸がん登録のdatabaseのリンクが悪い(measurement bias

直腸がんの罹患率が少ない

・直腸がんの罹患が少ないと書いているが、それではどれだけ必要なのか?

・登録時のCT暴露が癌の原因になっていないのか?(結論(関連)を弱める)

・職業による他の発がん物質の影響の可能性が否定できない。(結論(関連)を弱める)

Discussionが長い。本来Introductionで言うべきことをここで書いている。

 

IV  Balancing of the paper

strength>weakness

 

V  Judgment

good

VI  Suggestion for improving the paper

・女性でも行う

・問診時、他の発がん物質(ex. シリカ、ヒ素、ベンゼン)への曝露を問診する

 



[i] STROBE Checklist 1(a)(b) clear

[ii] 2, 3 clear

[iii] 4, 22 clear

[iv] 5, 6, 13 clear

[v] 7, 8 clear 9, 10 unclear

[vi][vi] 11,12 clear

[vii] 14, 15, 16, 17? clear

[viii] 18, 19, 20,21 clear

 

・さて、少しは雰囲気をわかっていただけたでしょうか?

以下超々短小日記

・本日は6時19分起床で、朝勉はせず、朝食摂って大学へ。上記のように1日大学でした。お昼は、大学近くのうどん屋さんで、某医療政策・医療経済学教授と一緒にお食事。日本の未来をお互い憂いておりました。

・18時に上記私のCAが終わり、勉強終了。帰り下級生の素敵な女性と電車で途中までおしゃべりしながら帰ってきました。19時半頃帰宅。お風呂入って夕食(安売りだったということでお寿司のパックが買われていました)。録画の『月曜から夜ふかし』を観終わりました。これからちょっと土曜日の講義の準備をして22時までには寝に行きます。CAで疲れ果てました。

 

 

 


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研修医への外来診療講義メモ/地域で高齢化を体感する

現在当院に2か月ごとに初期研修医が地域研修ということで、勉強に来られています。今度の木曜日に外来診療について、1時間弱の講義をする予定です。いかにそのレジュメをはりつけておきます。ご意見ある方は、コメントをお寄せください。


外来の診療で大切なこと、コツ、私がやっていること

 

1.心得

・医療は共同の営み(Partnership

古いPから新しいPPaternalismからPartnership

・患者さんは、要望と不安をもってくる

  要望がはっきりしないこともある・・・診療の中で明確にする

・誠実に・・・この対応は果たして誠実か?と自問する

・患者さんの受診目的と医師の診療の目的が食い違うことがある

  目標の明確化・共有                         

・情報格差があるのが当たり前だが...

  本やWebsiteでよく調べられている人もいる

  中には、医師をテストしている人もいる

・録音されているつもりではなす

・こちらは、そういうつもりはなくても、「お医者様」:話ずらい・訊きづらい

informed consent: ICは「する」ものではなく、もらうもの。また、丸投げでもない。

2.診療の最初                                   

・立って挨拶、視線をあわせる(必要ならバニーガールのように膝を立ててしゃがむ)

・笑顔・・・口角をあげる練習、鏡を見る

・ピー子に挨拶しない。ピー子とばかりはなさない

・最初、話を途中で遮らない

3.診断

・よく3Ccommon, critical, curable)といわれるが...

 私は、CCOもしくはCCEとしてほしい O: occupational E: Environmental

 最近の流れではEがよいかも。SDH: Social Determinants of Healthが重視されてきている。

・最初にcriticalな疾患を考え、除外しておくと後の診療が楽

・鑑別診断は、必ず挙げる。その癖をつける。絶対決め打ちしない。それがたとえ風邪やインフルエンザだとしても。

・職業歴は「のど自慢的職業表現」はNG

・よく使われるのがVINDICATE!!!P

VVascular:血管系、IInfection:感染症、NNeoplasm:新生物(良性、悪性)、

DDegeneration:変性疾患、IIntoxication:薬物・毒物中毒、CCongenital:先天性、

AAutoimmune:自己免疫/膠原病、TTrauma:外傷、EEndocrineMetabolic:内分泌代謝系、IIatrogenic:医原性、IInheritance:遺伝性、IIdiopathic:特発性(原因不明)、PPsychogenic:精神・心因性

・わたしは、MEDIC TO VAN, 最近では V DOT CINEMA SPとしています。

 VIDICATEでは、Occupational, Environmentalがない

 SSystemicで、全身性疾患の部分症ではないかと考える

・鑑別診断のみでなく合併症も考える。

・見通しや今後起こることを患者さんに伝えておく。(特にどれくらいで症状が改善するか)薬の副作用も。あらかじめ言っておくのと言わないのは雲泥の差。

4.検査

・定期検査はあらかじめ「次、採血しましょうね」とお知らせしておく

・検査の費用も説明できればベター

・検査するとき、その検査結果で自分の行動が変わるかどうか考える

・データは必ず確認する。データがでるのが後日の場合、メモや電カルの活用。

・必要なデータは、自分からききに行く

・検体の間違い、人間違い、記載間違い等あることに気を付ける

・慢性疾患は、あらかじめ計画を立てておく。全身管理を心掛ける。

5.その他

・必要な能力:コミュニケーション アサーション

・自分一人で外来をしているわけではない。看護師、事務等スタッフに感謝。

・のど自慢的職業表現はNG

・自分の「身(メンタルも)」を守ることも大事(・ごく一部だが、ひどい人もいる)

・患者から学ぶ:患者さんの問題提起は、勉強のモチベーションになる。

・外来は、毎回いろいろ工夫ができて、楽しいよ。 

参考文献

・研修医になったら必ず読んでください。〜診療の基本と必須手技、臨床的思考法からプレゼン術まで  2014/2/25

岸本 暢将 (), 岡田 正人 (), 徳田 安春 ()

・白衣のポケットの中―医師のプロフェッショナリズムを考える  2009/4/1

宮崎 仁 (), 尾藤 誠司 (), 大生 定義 ()

・患者は何でも知っている (EBMライブラリー) – 2004/7/23

J.A.ミュア・グレイ (), 斉尾 武郎 (翻訳), 丁 元鎮 栗原 千絵子 平田 智子

外来でのコミュニケーション技法―診療に生かしたい問診・面接のコツ  1995/7

飯島 克巳

(外来でのコミュニケーション技法―診療に生かしたい問診・面接のコツ (junior新書) 新書 – 2006/3

 

以下超短小日記

・本日は、8時前に起床。昨日、一昨日の研究会がおわり、ほっと一息です。10月は、それ以外でもいろいろあって、本当に忙しかったです。まだ、複数原稿をかかないといけない状況にありますが...

・今日はズーーーっ、と部屋にこもって自分の勉強と講義の準備でした。本当に時間がたつのが早い。19時から20時15分くらいまで、地域の寄り合い(とっても、古い言い方)。話を聞いていると、私の周辺でも高齢化が激しくなってきて、いろんな役を決めるときも役員さんが、「任期が切れるまでは、生きとってちょうだいよ」というような、ブラックなジョークが出るくらいです。私は、その中では「若手」となります。高齢社会おそるべし。

・寄り合いから帰ってお風呂に入って、これから夕食です。さすがに今日はアルコールはやめて、ノンアルにして、早めに寝ることにします。明日は、午前中大学で勉強、午後から病院で外来です。


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アカラシアと気管支喘息/教育者っていいな

昨日10/27(金)と本日10/28(土)は、岡山コンベンションセンターで民医連呼吸器疾患研究会というものがひらかれ、出席してきました↓




昨日は座長、本日はミニ講演をしてきたのですが、座長をしたセッションで、アカラシアと気管支喘息の合併した症例で、アカラシアの治療で喘息の症状が軽快した2例の症例報告がありました。胃食道逆流症と気管支喘息の関係は大分前から知っていましたが、アカラシアと気管支喘息の関係は知りませんでした。ディスカッションのなかで、小児に結構みられるということで「へーっ」と思いました。医中誌で「アカラシア×気管支喘息」といれて検索すると10件ヒットしました。残念ながら、freeでみることができるのは1件のみでした。↓に抄録がみることのできる論文を貼り付けときます。



治療反応性に乏しい喘鳴と慢性咳嗽の原因が食道アカラシアであった1例(原著論文/症例報告)

  • 平井邦朗、他。
  • 日本呼吸器学会誌 (2186-5876)5巻5号 Page279-283(2016.09)
  • 【Abstract】症例は17歳、男性。喘鳴と慢性咳嗽を主訴に近医を受診し喘息と診断された。約1年間吸入ステロイド薬/吸入長時間作用性β2刺激薬配合剤による治療が行われたが、反応性に乏しいため山梨赤十字病院に紹介受診した。胸部X線撮影とスパイロメトリーから器質的な気道狭窄が疑われ、精査の結果食道アカラシアと診断、外科的手術療法により喘鳴と咳嗽は消失した。食道アカラシアは呼吸器症状を引き起こしうる疾患であり、治療反応性に乏しい患者を診療した際には食道アカラシアを鑑別疾患として考える必要がある。(著者抄録)
気管支喘息として加療されていた7歳女児の食道アカラシアの1例(原著論文/症例報告)
三神美子, 他。 日本小児呼吸器学会雑誌 (2187-5731)26巻2号 Page177-183(2016.01)
【Abstract】食道アカラシアは小児では稀な疾患である。原因はいまだ不明とされているが一部では食道下部・噴門移行部のAuerbach神経叢の神経節細胞の変性または消失による機能的疾患と考えられている。食道アカラシアは消化器疾患であるにもかかわらず呼吸器症状を呈することがあり、慢性咳嗽や喘鳴は、決して少なくない頻度でみられる。その機序として中枢を介して反射性に下気道に刺激が伝わる機序(reflex theory)や、逆流内容が上部食道から咽喉頭に到達し下気道に誤嚥され直接の刺激となる機序(reflux theory)、その他、食道気管反射の機序により起こることが考えられている。そのため、治療抵抗性の慢性咳嗽や喘鳴に嘔吐などの消化器症状を伴った場合は食道アカラシアも鑑別に挙げ、詳細な問診、画像検査を行うことが重要である。約2年間にわたり咳嗽の増悪と改善を複数回繰り返した、7歳女児の食道アカラシアの1例を経験したのでここに報告する。(著者抄録)
食道アカラシアの臨床像 とくに呼吸器症状について 
田中隆、他。
日本胸部臨床 (0385-3667)47巻9号 Page733-739(1988.09)
 
・一番下の症例報告が1988年でした。結構昔から報告があったのですね。私の勉強不足でした。
あと、freeで全文読めるレポートを↓に貼り付けておきます。
手術後に食道アカラシアが判明 した患者の麻酔経験 
日 臨 麻 会 誌Vol.21 No.1, 49~52, 2001
[要旨]喘 息の既往をもつ交通外傷患者の下腿骨接合術および抜釘術に対 し,2回 の 全身麻酔を行った.初 回の麻酔導入のマスク換気中に換気不良を経験 したが,喘 息発 作 と判断し,ア ミノフィリンとステロイ ドの投与により改善した.さ らに,12ヵ 月 後の2回 目の麻酔導入後にも換気不能となり,17時 間の術前の絶飲絶食にもかかわ らず口腔内に吐物を認めたIた だちに気管挿管 し,酸 素 ・亜酸化窒素 ・セボフルラン で麻酔を行い換気可能となった.2回 目の手術後に,胸 部X線 写真を再検討 し,食 道内圧検査を行ったところ食道アカラシアの存在が判明 し,根 治術を行った.前 医で の喘息の診断は食道アカラシアによる誤嚥が原因と考え られた.食道アカラシアには, 喘息の既往に惑わされることなく正 しい術前診断が必要であると再認識させ られた. 
・気管支喘息、特に難治な方については、よく消化器症状をきいておかないといけませんね。
以下日記
・10/27(金)は、最初に書いたように民呼研に参加しました。夜は、懇親会。2次会に23時過ぎまで参加しましたが、次の日の発表にそなえ早めに引き上げました。
・本日10/28(土)は民呼研2日目。最初は、私の「お師匠さん」の佐藤功先生の胸部レントゲンに関する講演。その後、私の友人・元同級生(中国語や球遊びが好きで、卒業が遅れた)と私のミニ講演。友人の話は、大人の落ち着いた話。私は、早口で落ちつきない講演でしたが、何とかあまり時間をオーバーせずにすんだようです。(自分でiPhoneで時間を計っていたつもりが、タイマーが動いていなかった)講演が、数人の人がおもしろかったとか良かったとか言ってくれました。まあ、やっと講演がすんで、ほっとしました。
・12時半頃研究会が終わり、昼食は奉還町の「じくや」というそば屋へ。せいろ2人前たべました。うまいっ!その後イオン岡山へいってちょっと買い物して、14時から私が所属する疫学・衛生学教室の先々代の教授の青山英康先生を偲ぶ会。(青山先生は、8月になくなっておられました)参加者の挨拶・弔辞をきいていて、教育者って、「種蒔く人」でいいなと思いました。大学院卒業したら、どうしようかと現在悩んでいますが、教育者になるのもよいかなと思ったりして。
・16時ころ偲ぶ会の会場を出て帰宅。帰宅して、早めの夕食。そして、このブログを書いております。今週はとっても疲れたので、これからお風呂入って、軽くお酒を飲んで、早く寝ます。

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胸腔結石/ケンドチョウライ

・明日から岡山コンベンションセンターで2日間全日本民医連呼吸器疾患研究会というのが開かれるのですが、その分科会で座長をしなければならないので予習をしておりました。演題の中に胸腔結石という言葉があるので、しらべてみました。私のもっている『医学書院医学大辞典第2版』『南山堂医学大辞典第19版』『ステッドマン医学大辞典改訂第6版』には載っておらず、医中誌にもなし。UpToDateにも載っていませんでした。(正確には、言葉をいれてもそれではでてこなかったということで、いろいろみていたら記載はあるかも)かなりまれみたいなので、私がしっていなくてもよいかと安心。いくつか文献を↓に載せておきます。


CT検査で陰影の移動を認めた胸腔結石(胸腔内遊離体)の1例


人間ドック (Ningen Dock) (2014) NP 737-741




【抄録】症例は64歳女性,当院健診部を受診し,胸部X線検査および低線量胸部MDCT検査にて,第7胸椎レベルの左胸腔内背側に円形または楕円形の石灰化腫瘤影を認めた.自覚症状はなかったが,2年前の胸部CT画像を再検討したところ,今回の第7胸椎レベルの腫瘤影は認められず,第11胸椎レベルの左胸腔内背側に同様の腫瘤影がみられ,胸腔内を大きく移動していることが確認できた.結果,胸腔内結石(胸腔内遊離体)と診断された.胸腔内結石の報告例は少なく,胸部CT検査によって確認できた稀な症例と考えられる.




胸腔内結石の 1 例

日呼吸会誌 45(7),2007.


【要旨】近年,胸部の検診にて種々の腫瘤影が発見されているが,時に診断が困難な症例がある.症例は72 歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘された.CTで右肺 S6に相当する胸膜面に径2cmの境界明瞭な腫瘤影を認め,精査目的に当科へ入院となった.CTガイド下針生検を試みたが気胸を生じて生検出来ず,検査後のCTで腫瘤が右肺底部に移動していることが確認された.ビデオ下胸腔鏡手術(VATS)実施し,右胸腔内に2cm大の白色結節と更に胸膜面に 2~3mm 大の灰白色結節を2 個認め,これらを摘出した.肉眼的にこれらの割面像は,黒色の小結節を核として弾性のある白色同心円構造を示した.組織学的には,炭紛沈着と組織球様細胞が集簇した小結節を中心に,周囲を好酸性硝子様線維組織が同心円状に囲む像を呈していた.以上の所見は胸腔内結石に一致すると考えた.胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺に原発する腫 瘍との鑑別が必要である. 



胸腔鏡下に摘出した胸腔内結石の 3 例

日呼外会誌 28 巻 6 号(2014 年 9 月)




【要旨】胸腔内結石は,本邦での報告が 29 例と少ない疾患である.今回我々は胸腔内結石の3例を経験し臨床病理学検討を加えたので報告する.症例1は57歳女性.検診で胸部異常影を指摘された.CT 左S4に20 mm,横隔膜上に10 mmの結節影を認め,胸腔鏡下手術を施行した.S4の結節は炎症性肉芽種で,横隔膜上の結節は結石の診断であった.症例2は34 歳女性.自然気胸にて胸腔鏡下手術を施行した.術前CTでは結石を疑う所見を認めなかった.術中に心膜脂肪組織に付着した結石を認め摘出した.症例 3は49歳男性.右後縦隔神経原性腫瘍にて胸腔鏡下手術を施行した.術前より横隔膜上に10mmの結節を認めており,摘出したところ結石の診断であった.胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺,横隔膜上の結節の鑑別診断として考慮する必要がある.また画像所見で他疾患との鑑別が困難である場合は,切除を考慮すべきであると考えられる.



胸腔内結石を摘出した4例


日呼外会誌 28 巻 6 号(2014 年 9 月)




【要旨】胸腔内結石は,本邦での報告が 29 例と少ない疾患である.今回我々は胸腔内結石の 3 例を経験し臨床病理学検討を加えた ので報告する.症例 1 は 57 歳女性.検診で胸部異常影を指摘された.CT で左 S4に 20 mm,横隔膜上に 10 mm の結節影を 認め,胸腔鏡下手術を施行した.S4の結節は炎症性肉芽種で,横隔膜上の結節は結石の診断であった.症例 2 は 34 歳女性. 自然気胸にて胸腔鏡下手術を施行した.術前 CT では結石を疑う所見を認めなかった.術中に心膜脂肪組織に付着した結石を 認め摘出した.症例 3 は 49 歳男性.右後縦隔神経原性腫瘍にて胸腔鏡下手術を施行した.術前より横隔膜上に 10 mm の結節 を認めており,摘出したところ結石の診断であった.胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺,横隔膜上の結節の鑑別診断 として考慮する必要がある.また画像所見で他疾患との鑑別が困難である場合は,切除を考慮すべきであると考えられる.


・結論は、「胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺,横隔膜上の結節の鑑別診断 として考慮する必要がある」ということですね。


以下日記

・また、ブログの更新がとんでおりました。過去を振り返ります。

・10/23(月)は、午前中は大学院で勉強。(今回ロジスティク回帰)午後は玉島協同病院で外来。なんかすごく疲労感が強く、帰宅後何もせず寝ました。

・10/24(火)は1日大学院で勉強。この日は、朝自分で打った蕎麦、昼は「うどん村」で釜揚げうどん。夜はうどんすき(肉ほとんどなし)と、3食麺類でした。(月曜日も朝食はそば)

・10/25(水)は午前外来、午後カンファレンス、夜間診療。当直でした。当直は2時前に電話で起こされた以外平和でした。ただ、眠い。

・本日10/26(木)は当直「明け」。7時におきて、シャワー浴びて、朝食とって8時に上司のDr.Jに当直の残り時間をしてもらって、水島へ。午前中産業医学科外来でした。診療終わってトイレに行って、診察室にもどったら、なんとモンブランとお誕生日プレゼントが。いつも外来についてくださっている看護師さんが私の誕生日を祝ってくれました。感激です。ありがたや、ありがたや。ケーキ食べながら「ミニ・カンファレンス」の様なことをして、感謝のうちにさようなら。着替えたら倉敷市役所へ。そこの食堂で昼食(350円のカレー)。それから公害健康被害認定審査会に参加。終わって、直帰。で、明日の研究会の準備や大学院の「宿題」等して、お風呂入って、優勝取りながらアルコールを飲んで、このブログを書いております。これが終わったら、寝に行きます。明日の座長が無事終わりますように。また、あさっての講演が滑らずに終わりますように。

・最後に今回総選挙でJCPに入れてくださった方々に深謝いたします。合い言葉は、捲土重来かな。


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原因不明の腹痛をみたら皮膚をつまみ関節可動域と強膜(白目)をみよ?/比例はJCP

・私、エーラシ・ダンロス症候群と言ったら大動脈解離等の循環器疾患に気を付けないといけないと思っていました。しかし、腹痛をおこすものとも認識しておかないといけなかったのですね。↓のようなレポートがありました。


Mobile Cecum in a Young Woman with Ehlers-Danlos Syndrome Hypermobility type: A Case Report and Review of the Literature


Intern Med 56: 2791-2796, 2017




Abstract: Ehlers-Danlos syndrome, hypermobility type (EDS-HT) is unexpectedly common and is associated with a high rate of gastrointestinal manifestations. We herein report the first documented case of mobile cecum associated with EDS-HT. A 21-year-old woman with repeated right lower abdominal pain was initially diagnosed with EDS-HT. Abdominal examinations performed in the supine position, such as CT and ultrasonography, showed no gross abnormalities. In contrast, oral barium gastrointestinal transit X-ray images obtained with changes in the patient’s body position revealed position-dependent cecal volvulus with mobile cecum. She was finally discharged with a dramatic resolution of her symptoms after laparoscopic cecopexy for mobile cecum.


・そもそもエーラス・ダンロス症候群とは?『医学書院医学大辞典第2版』の解説は↓


エーラス-ダンロス症候群

 

[英]Ehlers-Danlos syndrome;EDS

[同義語]過剰弾力性皮膚 cutis hyperelastica

[略語]EDS

 

遺伝性結合組織疾患の1群。本症はコラーゲン生合成過程の障害があり,原因としてコラーゲン遺伝子,コラーゲン合成関連酵素(リジルオキシダーゼ,プロコラーゲンペプチダーゼなど),コラーゲン凝集に関わるほかの細胞外基質(フィブロネクチンなど)の異常が判明している。従来,10型(Ⅰ~Ⅹ)に分類されていたがⅨ型(銅代謝異常)が,性染色体性ゴム状皮膚として本症候群から除外された。また,Ⅳ型(ザック-バラバス病Sack-Barabas disease)(A~D),Ⅴ型(A,B),Ⅶ型(先天性多発性関節弛緩症arthrochalasis multiplex congenita)(A~C)に亜型が設けられた。Ⅰ~Ⅲ型が症例の90%以上を占める。皮膚症状として過伸展(皮膚を摘むとよく伸びるが離すと速やかに元に戻る,舌が鼻先に届くゴーリン舌徴候(Gorlin tongue sign)など)と脆弱性(軽度の外傷で紫斑・血腫形成。ヘルニア様の萎縮性瘢痕),関節症状として過可動(過屈曲,過伸展,習慣性脱臼),血管症状として動脈瘤,易出血性がある。そのほか,自然気胸,臍および鼠径ヘルニア,早期破水,早産などに起因する。病型により障害部位,症状の程度が異なる。 (Edvard Ehlers,1863-1937,皮膚科,デンマーク。Henri Alexandre Danlos,1844-1912,皮膚科,仏)

 

・紹介した論文の中で、いろいろ参考になることが書かれていました。この患者さん、blue scleraだったのですね。私は、最初患者さんを診るときはまず、目(結膜、瞳孔等)は診ることにしているので、これは見逃さないかな?関節可動域が広いことについては、親御さんもそうだったりするので、それが当たり前とご本人がおもっていることがあるので、実際関節を動かしてみないとわからないですね。その他いろいろ参考になることが書かれておりました。一読をお勧めします。

 

以下日記

・昨日は遅い昼寝を2時間もしてしまったせいで、夜がなかなか眠れず、そのせいで本日の起床は、6時半。朝勉するまはなく、朝食摂って身支度して福山へ。午前中は城北診療所で外来でした。患者さんは少ないものの複数人の患者さんと長い時間お話ししました。外来は二診体制で私は補助的な立場なので時間に割と余裕があり診療できました。いつも、このように余裕があれば、もっと外来が楽しいでしょうにね。

・診療後天満屋近くの中華そばやでご飯食べて、天満屋のロフト、駅ビルの廣文館、CanDo等で買い物して15時ころ帰宅。それから、講義、講演の準備でした。夕食は、焼き鳥、麻婆豆腐、チジミ。レフ・ブロンドのんで、CHIVAS REGAL 12飲んで、このブログを書いております。これから、ちょっと書類整理等事務作業して、早めに寝ます。

・明日は、衆議院選挙の投票日。このブログをみられているかたで、よろしければ、明日の比例代表は共産党(Japanese Communist Party: JCP)とお書きください<(_ _)>(英語はダメよ) 参考までに、そのサイト↓

 

http://www.jcp.or.jp/index2.php

 


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コイルが動く/キビオモテいやハギオモト

10月13日に動静脈奇形or動静脈瘻の治療の塞栓術のことを書きました。今日はその合併症の話。以下のような論文がありました。


Coil Intrabronchial Migration in an Arteriovenous Malformation Patient Treated 10 Years Ago


Ann Thorac Cardiovasc Surg 2017; 23: 200–202




【Abstract】 A 56-year-old male who had received transcatheter coil deposition 10 years ago for an arteriovenous malformation (AVM) was admitted to our hospital because of persistent hemosputum. Chest radiograph and bronchoscopy revealed straightened coil bundles in his air way. Recently, less invasive transcatheter intervention has been performed more frequently for treatment of AVM than surgical resection. In our case, however, chest radiography and bronchoscopy showed that the coils might migrate from the deposited site to the airway. Then, right lower lobectomy was undertaken. In AVM patient who received coil deposition, a long-term follow-up is recommended, and surgical resection should be carried out if necessary.


・10年前に行った塞栓術のコイルが伸びて変なところに入っていったという話です。コイル以外にも手術でつかったいろいろなものが、元の位置からずれる、離れていいったというレポートを時々見ます。この論文の最後にかかれていますが、塞栓術をした患者さんは、それでOKではなく、定期的なフォローが必要ということでしょうね。しかし、定期的というのは、どれくらいの間隔なのでしょうね?・・・これに関連して、私は予言をしときたいと思います。あるIT企業が職員の認証のために指先にチップを埋め込んだというニュースを以前よみました。(強制でなく希望者のみですが、かなりの割合で植え込んでいたと思います)きっと、そのチップが動いて血管の中に入って塞栓をおこすような事例がでてくると思います。


以下日記

・昨日は当直で、その時にブログをアップしました。0時前に病棟から呼ばれて調子の悪い患者さんを診察。超久々にレントゲン技師さんを呼び出して夜中に頭部CTを撮りました。(大きな病院はレントゲン技師さんが当直してたりしますが、うちのような中小病院は、そのようなことはできません)で、寝たのが午前2時くらい。で、6時前に病棟で起こされて、お一人看取りました。(夜中にみた方とはちがうひとです)で、8時半から外来。落ち着いたのは13時45分。13時半から会議いれていましたが、欠席です。14時ころ検食食べて家を出て15時ころ帰宅。即寝です。1時間くらい寝ようと思っていたら、2時間寝てしまいました。それから起きて大学の講義の準備。19時過ぎに配偶者と回転ずし食べに行きました。途中鴨方のCOOPにクリーニング取りに行ったら、新しい店舗の中に結構広いスペースの100均ショップが外から見えました。これは、近々行かねばなるまい。ああ、物欲が...20時ころ食事から帰ってきて、このブログ書いています。毎度のことながら食べ過ぎて苦しい。もうちょっとおなかがこなれたらお風呂入って、来週の講演の準備をして寝ます。明日は、午前中福山の診療所で外来です。

・ところで、今日、よく私の外来についてくれる40代看護師さんとの会話。この方、私のギャグを結構理解してくれています。自ら、昭和の女と言っておられます。あることから「ガラスの仮面」の話をしたら、なんと知らないと。で、それでは、萩尾望都しっている?と聞いたら、「エッ、キビオモテ?」・・・全然違うじゃん。ガラスの仮面も萩尾望都も知らないなんて...超ショーーーーックッ!余談ですが、11月5日神戸ゆかりの美術館の萩尾望都展最終日、行くつもりでおります↓






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減圧症と大理石様皮膚/外来サプライズ

・今日のブログの標題の減圧症=潜函病についての医学書院医学大辞典第2版の説明が↓


潜函病
センカンビョウ
[英]dysbarism
[同義語]潜水病 diving disease,減圧症 decompression sickness

高気圧環境から常圧環境へ戻る際に,高圧下で生体組織内に溶解していた窒素が急速な減圧で気泡を形成して起きる障害。高圧になる潜函作業や潜水作業などで問題になる。窒素ガスの気泡による塞栓や組織圧迫によって発症する。発症部位により,四肢の関節・筋肉痛などの筋肉関節型(ベンズ),かゆみなどの皮膚型,前胸部痛や呼吸困難などの呼吸循環器型(チョークス),運動麻痺や感覚障害などの中枢神経型,めまいや吐気などの内耳前庭型などが出現する。減圧症が本態で,筋肉関節型と皮膚型をⅠ型減圧症,他をより重症なⅡ型減圧症ともいう。発症したら再圧治療する。予防は,高気圧作業安全衛生規則に基づく適切な減圧管理である


・で、今週のNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEが↓ですが、これは、貴重な写真と思います。


Decompression Sickness

Qing Sun, M.D., and Guangkai Gao, M.D.

N Engl J Med 2017; 377:1568October 19, 2017

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1615505

本文中にある皮膚所見のcutis marmorataとは、医学書院医学大辞典第2版によると↓

大理石様皮膚
[英]marble skin
[ラ]cutis marmorata

網状皮斑の一型で,皮膚局所の循環障害,長期の温熱や寒気曝露あるいは精神的影響で生理的に生じる場合,また新生児などで温度調節機構が未熟な場合などでみられ,一過性の血管機能不全によるものと推察される。病的な場合,基礎疾患として循環器障害や膠原病を合併することがあるため,臨床現場では注意を要する。

・仕事で海に潜る人の職業性疾患として覚えておかないといけないと思っております。

 

以下日記

・昨日10/18(水)は、午前外来、午後全体学習、カンファレンス、夜間診療、開業医さんとの勉強会で帰宅は21時40分でした。その日の朝、外来診察室に行くと、机の前の壁におおきなHAPPY BIRTHDAYのカラフルな文字のデコレーションが飾られておりました。そして、外来看護師さん達があつまってきてHappy birthday to youを歌ってくれながら誕生日プレゼントをくださいました。あまりの感激に「涕泗ながる」。全然予想もしていなかったので、びっくりでした。プレゼントは、ちゃんとツボを押さえていて、私の好きな餡子のおかしと文房具等でした。ああ、ありがたや、ありがたや。

・本日10/19(木)は、朝一で研修医へミニレクチャー(胸部レントゲンの読み方)。その後外来。午後は、通所リハビリのカンファレンス、その後産業医面談。そして、臨時の夜間診療。そして当直です。今のところおちついているので、このブログ書いております。で、本日も二人の看護師さんから誕生日プレゼントをいただきました。ありがたや、ありがたや。なんか、エナジーをもらえてような、いやしていただいたような・・・長生きできそうな。

・それでは、夜中に備えて早く寝ます。


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喀血の原因の一つ:大動脈気管支(肺)瘻/今日は感謝の日

・この前の土曜日大学での講義(私がする方)で、血痰/喀血の治療は、安静、止血剤、気管支鏡、気管支塞栓術、手術といった治療があると講義をしました。ちょうど、今日↓のような文献を読みましたが、これはなかなか止まりそうでないものですね。基本、手術でしょう。


Hemoptysis Is a Critical Sign of Aortobronchial Fistula


Intern Med 56: 2683-2684, 2017




・本文中に下記のように書いているところがありましが、血痰/喀血をみたら、こういう疾患もかんがえないということですね↓


Its early and accurate diagnosis, which de-pends on suspecting a disease condition at as early a stageas possible, is essential for adequate, life-saving treatment.


以下日記

・本日は5時半過ぎ起床。朝勉して、大学へ。1日大学で勉強でした。自分の博士論文ですが、教授と相談したらあと200件はデータ入力しないといけないみたいです。こりゃーなかなかしんどいですが、まあ、何とかなるでしょう。

・本日はわたくしの59回目の誕生日。多くの方々から、SNS上で誕生日おめでとうのメッセージをいただきました。ありがとうございます。また、大学のclassmateからは、香川県の仁加屋のかまぼこをいただきました。ありがたいことです。・・・私は、数年前から、フとあることに気がづきました。誕生日は人様に祝っていただいているが、自分が今まで生きてこられたのは、いろんな方々のおかげ、祝ってもらうより、周りの人に感謝するのが誕生日だと。ということで、皆様、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

・今日は19時半帰宅。風呂入って夕食ですが、なぜかすき焼き。昨日録画の「秘密のケンミンSHOW」をみた配偶者が、京都の肉文化を観て、すき焼きをたべたくなったみたい。私の誕生日祝いにかこつけて、今日の夕食は、すき焼きでした。ちょっと悲しいのは子供たちがおらず夫婦ふたりだけ。また、子供たちがあつまったら、中華料理でもたべに行きたい。それはさておき、夕食時、自分のお祝いにアルコール摂取。まずは、私の定番「ステラアルトワ」その後配偶者のウイスキーの宮城峡。そして、自分の響をのみました。で、現在酔っぱらってこのブログを書いております。これのアップが終わったら歯磨きして、さっさと寝ます。明日は、朝8時半から夜21時まで「仕事」の予定。明後日は、当直だし、金曜日は当直「あけ」で、外来、午後から会議。なかなか、しんどいですな。

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くるみ割り症候群/おもしろいミスタッチ?

ナットクラッカーってくるみ割り器のことですが、何かプロレスの技にあるような気がして調べてみたらありましたが、ここではそれについては書きません。(私の夢(妄想)のひとつは、ジャーマンスープレックスホールドを一度かけてみたい)疾患にもナット(もしくは、ナッツ)クラッカー症候群というものがあります。↓のような症例報告がありました。


Nutcracker Syndrome with Pelvic Congestion: A Case Report


Intern Med 56: 2811, 2017




・この患者さんの場合、残念なことに腎生検をしてしまったんですね。こういう失敗例もほうこくしてくださるのは他の医者の参考になってよろしいことです。私も、血尿、蛋白尿の鑑別にこの疾患を考えるよう気を付けたいです。『医学書院医学大辞典第2版』の説明は↓


ナッツクラッカー現象

[英]nutcracker phenomenon

[同義語]くるみ割り現象

左腎静脈が腹部大動脈と上腸間膜動脈とに挟まれて狭窄した状態。左腎静脈は,背面に腹部大動脈,前面に上腸間膜動脈をみながら,その間を通り,大動脈を乗り越えて交叉しつつ,右側に位置する下大静脈に流入する。交叉部位が上腸間膜動脈起始部に近く,狭窄が生じた状態は,あたかも左腎静脈がくるみ割り器(nutcracker)に挟まれた状態に似ていることからこの呼称がある。その結果,左腎静脈の内圧が上昇して腎盂,尿管の粘膜の静脈叢が拡張し出血しやすくなる。臨床的には血尿の一因として鑑別する必要がある。

 

・参考 初歩からはじめる超音波検査室

http://www.ususus.sakura.ne.jp/062-006lrventrapment0.html

 

あっという間に以下日記

・本日は5時半に起きて、朝勉。その後大学へ行って午前中疫学でつかう統計学の学習。power(1-β)の話でした。その後午後からは玉島の病院で外来。ときどき予約のエアポケットというのがあって、かなり患者さんが少なかったです。で、その時間に労災の書類かいたり、VDT健診の判定したり、レントゲンのダブルチェックしたり。5時半になったらサッサと帰ろうと思っていたのですが、予想通り?問屋がおろしてくれなくて、結局帰宅は19時過ぎ。その後お風呂入って夕食。その時に録画していた「秘密のケンミンSHOW」を1時間くらい観ました。で、あとは雑用して、このブログを書いております。

・標題のおもしろいミスタッチとは、昨日在宅患者さんの野外レクに一緒にいった職員さんから院内メールが届いたのですが、最初に「昨日はお湯枯れ様でした」とありました。コリャー、温泉地の危機ですねという感じのミスタッチですね。なかなかこういう秀逸なミスタッチは私にはできません。せいぜい当直室を盗聴室と打ち間違えるくらいです。

・最近疲労がたまってなかなかとれないのでもう寝ます。明日は1日大学院で勉強です。

 

 


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三日月刀症候群/あいにくの野外レク

・三日月刀は英語で言うとシミターscimitarとなり、アラビア、ペルシャの湾曲した刀のことですね。それが病名となったのが、シミター症候群。『医学書院医学大辞典第2版』の解説が↓


シミター症候群

[英]scimitar syndrome

[同義語]三日月刀症候群

右肺静脈が横隔膜を貫いて,下大静脈に還流する奇形。scimitarとはアラビア人やペルシャ人などが使う三日月形の刀のことで,異常走行を示す右肺静脈の陰影が心陰影右縁に沿った三日月状に見えることに由来する。本症候群の病像は肺静脈の還流異常が主であるが,右室低形成,右肺動脈の低形成と異常分岐,横隔膜下の下行大動脈から右肺下葉への胸郭外血液供給異常といった発生学上の異常も時に認められ,さらに気管支拡張症や先天性心疾患の合併もみられることがある。無症状のことが多いが,重症例では呼吸困難,チアノーゼ,心不全症状を呈す。胸部X線,心カテーテル検査などで診断する。一般的には治療対象となることは少ないが,稀に左右シャントが非常に大きく,右心負荷が大きい場合には異常血管の外科的修復が行われる。

 

・で、↓のような症例報告がありました。

 

学校検診で発見された Scimitar 症候群の 1 女子高校生

https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/48/10/48_1152/_pdf

【抄録】症例は 15 歳,女性.高等学校検診時の胸部 X 線写真にて異常陰影を指摘され,当院紹介受診となった.それ 以前の学校検診,その他の機会では異常所見を指摘されたことはなかった.また,体重,日常生活,運動など では他の生徒と全く同じ生活をしていた. 胸部 X 線写真では右肺門部に異常陰影を認め,胸部造影 3D-CT では右肺に拡張した肺静脈を認めた.還流 先の大部分は下大静脈であり,Scimitar 症候群と診断された. 心臓カテーテル検査では肺体血流比 3.20,肺小血管抵抗値 0.7wood 単位・m2 であり手術適応となった. Scimitar 静脈-左房吻合術を行い,経過は良好である. Scimitar 症候群は稀であるが,平成 15 年 4 月よりの集団検診のあり方と文献的考察を加えて報告する.

 

抄録の最後に「集団検診のあり方」と書いてありますが、著者らは、以前の健診に比べて学生のレントゲンをとる頻度が少なくなったので、このような先天性心疾患を見つける機会が少なくなったと言っているようです。では、どうすればよいか?とくに何も言っておられません。基本的な考え方としては、被曝(と時間、手間、費用)というデメリットと先天性心疾患の発見の機会というメリットを考慮くするということになると思うのですが、いかがなものでしょう?

 

以下日記

・昨日10/14(土)は、京都橘大学で90分3コマの集中講義。帰宅は19時半頃でした。お風呂入って、夕食、アルコール摂取。今週はつかれきったので、あとはなにもせずU-NEXTでX-MENシリーズの『ローガン』を観ましたが、何か今一だったな。字幕もスペイン語(だと思う)訳してくれてなかったし...ただ、ミュータントの「老い」を描いているのは面白かったけど。この流れで行くと、この映画の一つ前の「時期」の映画ができるはず。

・本日10/15(日)は、恒例の野外レクレーション。(当院の通所リハビリテーションや往診の利用者/患者さんとその家族の小旅行)福山市立動物園にいって、福山SAでお買いものの予定でしたが、あいにくの雨で、動物園へはその入口まで行って皆で記念撮影して、中にははいらず、福山サービスエリアへいって、昼食、お買い物をして帰ってきました。私は老人車をおしたら歩ける利用者さんの「おつきのもの」になりました。一緒にご飯食べているとき、母親のことを思い出しました。こういうゆっくりとした時間を過ごすのもよいなぁと改めて思いました。帰宅は15時半。帰ってからは部屋の整理。いよいよ自室に本がおけなくなってきたので、棚の中の書類を整理しましたが、なつかいしものがいろいろ出てきました。例えば、学生時代にいろいろ活動するために先輩にカンパをお願いした文書・・・あらためて、いろんな人にお世話になったんだなぁと思いました。あと、新人医師時代、現在では大御所になられて千葉大の近藤克則先生ら会議をした時の文書。また、医学生時代(だったと思う)聴いた林病院の故南雲與志郎先生のヒューマニズムについての講演のレジュメ。それから、1984年、1985年に読んだアスベスト関連の文献・・・我ながらちゃんと勉強していたなと思っちゃったりして。なんか、懐かしかったけど、ほとんどの資料は、エイヤッと捨てました。過去とおさらば・・・チガウカーッ!

・明日から、また日常が始まります。さっさと寝ましょう。そうそく、大分トラックボールに慣れてまいりました。


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