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非反回下喉頭神経/有給とるのも楽じゃない

・反回神経とは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


反回神経 recurrent 〔laryngeal〕 nerve
迷走神経の枝。迷走神経から分かれると,右では鎖骨下動脈,左では大動脈弓と動脈管索の下を後ろに回って上方へ反転する。気管と食道の両側に沿って上行しながら下頸心臓枝,食道枝,気管枝を出した後,下喉頭神経となり,輪状甲状筋以外の喉頭筋群と声帯ヒダより下方の喉頭粘膜に分布する。


・↑の説明で、声帯に分布するのは下喉頭神経となっておりますが、「反回」しない下喉頭神経というのがあって、標題になる「非反回下喉頭神経」というのだそうです。↓に、関連した文献をリンクさせておきます。


非反回下喉頭神経の術前診断
―CTおよび超音波検査の有用性―
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/116/7/116_793/_article/-char/ja
【抄録】
【目的】今回, われわれは右側の非反回下喉頭神経 (NRILN) の術前診断においてのCTと超音波検査 (US) の有用性について検討した.
【対象と方法】対象は2006年4月から2012年4月までにやましたクリニックで甲状腺手術を施行し, 術中に右下喉頭神経を確認した1,561例. 術前に頸胸部CTを1,086例に, 腕頭動脈分岐部確認目的の頸部USを140例に施行し, 右NRILNの診断におけるCTとUSの有用性について検討した.
【結果】1,561例中11例に右NRILNを認めた (0.71%). CT施行1,086例中10例に右鎖骨下動脈起始異常を認め, 右NRILNを術前に予測することができた. CTの右NRILNの検出能は, 感度100%, 特異度100%, 陽性的中率100%, 陰性的中率100%であった. 頸部US施行140例中116例 (82.9%) で腕頭動脈分岐部を確認することができ, 右NRILNではないことを術前に予測できたが, 24例では腕頭動脈分岐部を確認できず, その24例中1例のみが実際に右NRILNであった. USでの右NRILNの検出能は感度100%, 特異度83.5%, 陽性的中率4.2%, 陰性的中率100%であった.
【結語】CTは右NRILNの存在を正確に診断できていた. USは‘右下喉頭神経が正常な走行であること’ を82.9%という高い率で予測できる点で有用な検査であった.
術前に左声帯麻痺を認めた右非反回下喉頭神経を伴う甲状腺癌の1例
 頭頸部外科 29巻(2019) 2号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjshns/29/2/29_203/_article/-char/ja
【抄録】

甲状腺および副甲状腺の手術において反回神経の処理は重要であり,手術による神経損傷を防ぐためにも,その走行を熟知しておく必要がある。しかし,反回神経の走行にはいくつかの亜型があり,非反回下喉頭神経(non-recurrent inferior laryngeal nerve:NRILN)は必ず知っておかなければならない亜型である。症例は52歳男性。嗄声を主訴に受診し,左反回神経麻痺を認め,エコー・細胞診・CT検査にて甲状腺乳頭癌両側頸部リンパ節転移の診断にて手術を行った。術中に右下喉頭神経は迷走神経より直接分岐し喉頭に流入していたのを確認した。CT検査では右鎖骨下動脈起始異常を認め,NRILNが示唆された。血管分岐形態の異常がある際にはNRILNの存在を念頭に置き慎重に手術操作を行うべきである。

・前回も書きましたが、声帯麻痺=反回神経麻痺では必ずしもないということには気をつけておきましょう。

以下日記

・1/6(月)は、午前中大学で勉強。午後から、病院で仕事です。まず、病棟の回診、それから夜間診療、そして当直でした。結構当直は忙しかったです。

・1/7(火)は、6時前にcallでおこされそのまま起きておりました。シャワー浴びて、朝食、病棟回診。午前外来。外来後も回診して14時20分に病院出て、大学へ。ギリギリ16時からのCA(critical appraisal)に間に合いました。結構熱が入って、普通1時間で終わるところ1時間20分でした。19時前に帰宅。お風呂入って夕食の時アルコールをいただき、結構ぐだぐだになってねましあ。

・1/8(水)は、6時25分起床。朝勉せず出勤。病棟よって午前外来、午後回診、カンファレンス、16時から夜間診療。その後、明日有給休暇とってK中央病院に私の右声帯麻痺の精査にかかるため、やっておかない事務作業を20時50分まで行って帰宅。入浴後、夕食。で、ちょっと調べ物して、このブログを書いております。

・声帯麻痺と確定してから、ブルーになっておりますが、現在感情の起伏が小さくなっています。月曜日盗聴していて次から次へと患者さんが来ても、「ああ、また、こられたんか」という捉え方ですね。普段なら、「こんな時間に、いっぱい患者さん来て、なんでやねん」と憤るところです・・・今日のメタ認知でした。

・それにしても1日休むために、かなりの労力をさかないといけないないのと、休んだ後は仕事が山づみになっている。まあ、ずーーーっと前からそんなですが、なんとかならないもんですかね。ぱっと普通に休めて、休みから明けてきても、仕事がたまっていない状況というのはないものでしょうかね。

 


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