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ビスホスホネート製剤が原因と考えられた外耳道真珠腫/久々の生演奏

まず私は真珠腫というものは内耳にできると思っておりましたが、外耳にもできるのですね.外耳道真珠腫とは『医学書院 医学大辞典 第2版』によると↓


 外耳道真珠腫
ear canal cholesteatoma
[略語]EACC
外耳道に角化物の異常堆積と骨破壊を伴った,外耳道扁平上皮の限局的浸潤であるが,真の腫瘍ではない。組織学的には重層角化扁平上皮および上皮化に肉芽組織を伴っている。トインビー(Toynbee J,1860)により最初に報告された病態であり,発症原因が不詳の一次的および局所外傷,炎症,中耳炎手術後などに起こる二次的真珠腫に大別される。鼓膜より1~5mm離れた後下外耳道に一側性に生じることが多く,病変周囲の外耳道や鼓膜は正常である。稀な疾患で耳疾患患者の10/9950の頻度である(Anthony PFら,1992)。症状は慢性の耳漏や耳痛,耳閉感などであるが,外耳道から中耳腔に伸展する場合には,中耳真珠腫同様の合併症が生じる。外耳道悪性腫瘍などとの鑑別が必要であるが,外耳道局所所見およびX線・CT所見,組織検査で容易に診断される。治療は手術療法による真珠腫の全摘出術であり,外耳道再建や症例により鼓室形成術が行われる。外耳道に異常にケラチンの堆積が生じる閉塞性角化症(ラkeratosis obturans)とは病理組織学上,明確に区別される
・もうちょっと詳しい解説は↓
・そんでもってビスホスホネート製剤(骨粗鬆症や癌の骨転移に使用する薬)の顎骨壊死という副作用は知っておりましたが、外耳道真珠腫という副作用もあるのですね.2,3のビスホスホネート製剤の添付文書見たら、外耳道真珠腫よりも外耳道骨壊死というのがのっておりましたが...
それはさておき↓のようなレポートがありました



ビスホスホネート製剤が原因と考えられた外耳道真珠腫症例の検討
首藤 洋行, 中島 俊之, 進 武幹
   耳鼻と臨床 67 巻 (2021) 6 号
【抄録】

 

ビスホスホネート製剤(以下、BP 製剤)の重大な副作用として外耳道骨壊死・外耳道真珠腫が知られているが、症例報告数はいまだに少ない。BP 製剤は強力な骨吸収抑制作用を有しており、骨粗鬆症や骨転移を有する癌患者に対する第一選択薬であるため、高齢化著しい本邦では今後ますます BP 製剤使用者は増加すると予想される。今回、われわれは BP 製剤が原因と考えられる外耳道真珠腫 10 例を経験した。また、本症例と渉猟し得た既報告 19 例との臨床的な進展度分類による比較検討を行ったが、両報告共に多くは高齢女性に発症し、いずれも長期間にわたり BP 製剤を使用していた。進展度と投与期間は逆の相関を示しており、投与期間が長くても必ずしも病状が進行するとは限らないことが分かった。進展度に関係なく、片側発症例が多く、外耳道下壁から前下壁に好発する傾向があった。本症例は全例、局所処置のみで上皮化を得たが、既報告例では治療別や進展度別にみた治療後経過は一定ではなかった。今後、症例数の蓄積により診療方針が定まるのを期待したいが、現時点では BP 製剤使用の有無の確認を怠らずに、外耳道真珠腫・骨壊死の早期発見に努め、必要に応じて整形外科や内科と連携し治療方針を検討することが重要である。

 

・内科外来していて患者さんが耳漏や耳の痛み、難聴を訴えたら、ビスホスホネート製剤の内服状況は訊いておかないといけませんね.

 

以下日記

・昨日3/20(月)は、午前訪問診療、午後回診、夜間診療でした.

・本日3/21(火)は、8時から11時まで病院へ行って「仕事」、帰宅.ちょうどWBCの日本、メキシコ戦を配偶者が診ており9回裏の始まり.何と5対4で日本が負けているではないですか.思わず観てしまいました.しかーし大谷さんが塁に出て、次が四球で1,2塁になってなって村神様がヒットを打って逆転.素晴らしい.ちょっと涙が出ました.(私は、ほとんど野球はみないんですけどね)その後朝食を挟んで雑務.14時に家を出て15時から17時過ぎまで倉敷管弦楽団演奏会.多分昨年1996カルテットの演奏会聴いて以来の生演奏でしょう.前半はオーソドックスなクラッシック、後半がジブリの音楽で、私は後半が良かったです.久石譲さんのCDがほしくなりました.その後アリオまで歩いて行って買い物.配偶者と合流しコメダ珈琲店で夕食.20時過ぎに帰宅しネコたちに餌をやり、入浴し、木曜日からの入院準備.で、アルコール飲みながらこのブログを書いております.

・明日は早いのでこれから歯磨きしてサッサと寝ます.(と言っても23時前ですが)


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