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急性虫垂炎に対する保存的治療奏効の予測/2週間ぶりのアルコール摂取

標記論文がありました↓


急性虫垂炎に対する保存的治療奏効の予測


平島 相治  小林 博喜  高木  剛  福本 兼久


日本大腸肛門病会誌 75:108-113,2022





【抄録】急性虫垂炎において保存的治療が奏効するかどうか,治療早期に判断できる指標を検討する.

当院で保存的治療を行った急性虫垂炎65例を検討した.65例中55例で保存的治療が有効であったが,10例は保存的治療が無効で即時手術を行った.保存的治療有効群55例中7例において,保存的治療が有効であったものの,入院期間が14日間を超え治療に難渋した.次に即時手術群10例に保存的治療が難渋した7例を加えた17例を,保存的治療が奏効した48例と比較した.年齢,糞石,膿瘍の有無,治療開始後のWBC,CRP値で差を認めた.これら因子を用いて,保存的治療が奏効するか否かの予測式を作成した.この予測式によって,保存的治療が奏効するか否かの感度は95.8%,特異度は88.2%であった.急性虫垂炎に対して保存的治療が奏効するか否か,この予測式が1つの指標になると考える.

・この論文読んで、虫垂炎の治療に関する総論的な議論は、そうなのねと勉強になりましたが、STROBEにそって論文自体を批判的に吟味してみたら、また、統計的な手法を検討していみると、いろいろ問題がありそうですね。(いちいちチェックしておりませんが)二つだけ言うと、①そもそもこの研究のデザインがどういうものかはっきりしないという所。この論文読んでも、後ろ向きにカルテをチェックしたのか、前向きにデータをとったのかがよく分かりません。(STROBEでは、「れわれは研究を単純に「前向き(prospective)」とか「後ろ向き(retrospective)」と呼ぶことを勧めない。なぜなら、これらの用語の定義が明確ではないからである」とありますが...)②予測式の説明変数を選ぶのに「多重ロジスティック回帰分析のステップワイズ法」を使っていること。まあ、ここは議論がわかれるかもしれませんが...

cf. 日本語訳にされたSTROBEのチェックリスト↓

https://www.jspe.jp/publication/img/STROBE%20checklist-J.pdf

 

 観察的疫学研究報告の質改善(STROBE)のための声明:解説と詳細

https://www.equator-network.org/wp-content/uploads/2015/10/STROBE-Exp-JAPANESE.pdf

・この論文の予測式を使った結果が、こうなったという論文が出れば良いのですが。

 

以下日記

・本日2/25(金)は、6時半起床。一瞬朝勉して出勤。病棟よってから午前外来。昨日に比べて早く終わりました。午後から通常は会議が二つあるのですが、二つとも延期。回診に専念できました。で、帰宅は18時過ぎ。ネコたちに餌やって、ちょっと調べ物して入浴、夕食。久々にアルコールをいただきました。多分アルコールは2/9に飲んで以来です。今日はルプルス・ブランシェ(4.5%)を330mlのみ飲みました。酔っ払ったと言うより腹の調子がおかしい。これはビールのせいなのか、夕食の鍋を食べ過ぎたのか、はたまた相乗効果なのかは不明ですが。で、もう22時過ぎたので英語ニュースを聴いてから寝ます。明日は宿直です。


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