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肺動静脈奇形の治療/初めてのトラックボール

最近同僚に肺動静脈奇形(=肺動静脈瘻)の治療はどうしますかときかれて、一般的には、塞栓術じゃないですかと答えたのですが、ホンマにそうだったかな?とちょっと心配になっておりました。


・そもそも肺動静脈瘻とは、『医学書院医学大辞典第2版』の解説は↓

肺動静脈瘻

ハイドウジョウミャクロウ

[英]pulmonary arteriovenous fistula

[同義語]肺動静脈奇形 pulmonary arteriovenous malformation

肺動脈と肺静脈の毛細血管を介さない交通であり,通常瘤状を呈す。多くは先天性で,稀に外傷や炎症に伴う二次性のものがあり,女性に多い。右-左シャントによる症状が出現することがある。X線写真上では,下葉に好発する瘤状の陰影と同部に流入および流出する血管の索状陰影を認める。造影CTや肺動脈造影で診断しうる。常染色体優性遺伝で,皮膚粘膜の毛細血管拡張を伴う遺伝性出血性末梢血管拡張症(遺伝性出血性毛細血管拡張症,ランデュ-オスラー-ウェーバー症候群)の一症候として本症が合併することがあり,この場合は脳病変が合併したり肺病変も多発性であることが多い。症状が著明な場合は切除などの治療が必要となるが,カテーテル下に塞栓術を施行する方法もある。

 

・で、↓のような総説がありました

 

肺動静脈奇形に対する治療戦略 —再発しない塞栓術のためにー

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jca/57/9/57_17-00014/_pdf

 

要 旨:肺動静脈奇形は,肺動脈と肺静脈の異常な右左短絡であり,慢性低酸素血症により,労作性呼吸困難 やチアノーゼなどの症状が生じる。さらに右左短絡のため,静脈血内の血栓や細菌が,肺の毛細血管にトラッ プされず左心系に流れ,脳梗塞や脳膿瘍という重篤な中枢神経系合併症を引き起こす。現在,塞栓術が一般 的な治療法であるが,ときに血流が再発することが知られており,再発は,「塞栓した部分に血流が再開する recanalization」,「正常肺動脈からの側副血行路によるreperfusion」,「複数のfeeding arteryを有する肺動静脈奇形 における未治療feeding arteryの残存」,「気管支動脈などの体循環系からのreperfusion」に分類される。再発し た血流は中枢神経系合併症を引き起こす可能性があり,再発が生じないように塞栓術を施行する必要がある。 とくに最も頻度の高いrecanalizationを防止するためには,塞栓部分のtight packingが重要である。(J Jpn Coll Angiol 2017; 57: 119–123)

 

・短い文献でしたが、へーっといろいろ思わせていただきました。毎度のことながら、医学・医療は奥が深いと思いました。

 

以下日記

・またもブログアップが滞っておりました。全世界の皆さん、寂しい思いをさせてゴミンンサイ。例によって過去を振り返ります。

・10/9(月)はお休み。午前中水島へ行って昼過ぎまでデータの入力作業。午後は帰宅し、勉強、翌日の研究会の準備。

・10/10(火)は1日大学で勉強。持ち回りでしている「教室研究会」が私の番。現在の研究の途中経過の発表。研究の内容もさることながら倫理委員会への申請が大変そうで、ちょっと憂鬱になりました。でも、研究会後もいろんな人が声をかけてくれて、ああ、クラスメートってよいなぁと思いました。(ええ年こいたオッサン、もうすぐ爺さんですが)

・10/11(水)は1日病院で仕事。午前外来、午後カンファレンス、夜間診療。結構忙しかったです。疲れて帰ってなにもせず早めに寝ました。

・10/12(木)は、午前中水島で産業医学科外来。午後は、玉島で産業医面談、レントゲン読影、通所リハビリテーションのカンファレンス、そして当直でした。真夜中は起こされずラッキーでした。

・10/13(金)は6時過ぎ起床、シャワー浴びて、朝食摂って、外来13時過ぎまで。昼食とって、研修医へミニレクチャー:論文の批判的吟味について。そして、いったん帰宅。先週土曜日におこなったミニテストの採点。そして、岡山(市)へ。岡山駅から岡大医学部へバス乗ったのですが、なんと普段10分のところが35分もかかりました。運転手さんに「いつもこんなんですか?」ときいたら「今日は特別です。朝雨がふったからでしょう」という答え。歩いたほうが早かった、びっくりぽん。で、18時から19時30分まで倫理講習会(研究する人間は年に1回受けないといけないもの)。いっぱいある内容をコンパクトにまとめてもらってなかなか良かったですが、インフォームドコンセントICという言葉の使い方が、ちょこちょこおかしい感じがしました。(さすがに「ICする」という表現はなかったのですが、「ICの本来の目的は・・・」「ICに含むべき内容」という、本来の意味を考えたらちょっとおかしな表現があるのが気になりました。

・帰宅は20時50分。帰りいつも夜地元の酒屋さんでステラアルトワやレフブロンド等買って帰宅。お風呂入って夕食時ステラアルトワを飲みました。もう、これ一本でフランフラン。で、今は響のみながらこのブログかいています。これを書き終わったら、YouTubeでほんの少しだけSTATAの使い方の説明みて、寝ます。

・ところで、現在私は恐ろしい組織に入って、泥沼に陥りつつあります。それは、FACEBOOKの「文房具を語り合うグループ」。ここで、いろんな面白い/素敵な文房具が紹介されており、物欲がそそられております。その中で、トラックボールも紹介されており、以前から一度つかってみたいと思っていた気持ちが一気に高まっていました。そういう状況でちょっと医局で新しいパソコンラックの話が出て、狭くてマウスが使いにくいといこと。じゃあ、トラックボールにしたらといったので、言った手前本当に使い勝手がよいのか自分用に購入してみました。(Diago2の MUS-TBLF134というもの)で、現在使っているのですが、カーソルが気持ちよく動きますね。それに私の狭いうえに物がいっぱいおいてある机で使いやすい。でも、これ使いすぎると親指腱鞘炎になりそうですね。あと、難をいえば右手でしか使えないこと。(私、マウスをその時々に応じて左手でも右手でもつかっています。果たして一時のブームに終わるか、愛用するようになるか。乞うご期待(←だれも、期待なんかせんわっ:凡例:←は、ツッコミ)

・明日は、京都橘大学で集中講義ですが、呼吸器疾患なので気が楽です。

 

 

 

 

 

 

 


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消えゆく肺/草刈りで汗だくかつ腰痛

vanishは動詞で「消える」という意味ですが、Vanishing Americanとは、(映画の表題だそうですが)ネイティブ・アメリカンのこと、vanishing creamとは、塗ると吸収されて無色になる化粧品、vanishing pointは、消点、消失点、限界点のことだそうです。今回の標題の「消えゆく肺」はvanishing lungを私が勝手に訳したものです。Lancetに以下の様なcase reportがありました↓


Vanishing lung syndrome: giant bullous emphysema






・この論文読んで思ったこと2点。気胸と間違えないこと・・・とても教科書的な指摘なのですが、ついうっかりということがあるので記憶の強化に良かったです。もう一つ思ったのが、患者さんが40代と若いこと。亡くなったのが、初診時からどれくらいたっているのかはっきりしませんが、多分40代で亡くなられたのでしょう。タバコのみでなく、大麻も悪影響をしていたみたいです。・・・ところが、大麻は肺にそんなに悪い影響はないという論文もでているようで、現時点でどう考えるべきか?UpToDateをみてみたら、↓


Cannabis smoking is associated with acute, transient respiratory symptoms, but chronic use is not associated with impaired lung function.


しかーし、とにかく明るい安村の言うように安心してはだめですよ。UpToDateには↓のようなことも書かれていました。(一部です)


・Substantial evidence suggests that chronic cannabis use, especially during adolescence, is associated with later development of schizophrenia. The mechanisms responsible for the association between cannabis use and schizophrenia remain unclear. Some experts believe that early cannabis use is a causal factor in developing schizophrenia.


・Cannabis smoking acutely increases sympathetic activity and myocardial oxygen demand, and is associated with a small increased risk of myocardial infarction and stroke.


・タバコも大麻も絶対だめですよ。・・・TTDと略そうか...


以下日記

・昨日10/7(土)は、京都橘大学で講義。行きの新幹線がエロー混んでいて、指定席は満席。自由席もいっぱいで新大阪まで立っておりました。私がブルジョアジーならグリーン車に乗ったんですけど、小市民だから、お立ちです。10時45分から16時15分まで90分3コマ授業をして京都駅へ。そこで最近伊勢丹の中にできたハイカラな(・・・死語?・・・と私が思っている)伊東屋という文具店へ。ノートや一筆箋、文鎮、ファイル等購入しました。そして、20時20分頃帰宅。お風呂入って、夕食とって、アルコール摂取して寝ました。

・本日10/8(日)は、5時17分起床。次回の講義の準備をして、朝食をとって、8時~11時半まで地域の草刈りに参加。草刈るだけではなく、溝の草、泥をすくいだしたので腰が痛い。オマケに蚊はまだいるし、まむしもでるし・・・その後シャワー浴びて、お昼ご飯、アルコールをちょっとだけ飲んでお昼寝。お昼寝後は、講義の準備と自分の研究。あっというまの時間が過ぎます。夕食とって、お風呂入って、ノンアル飲みながらこのブログを書いております。もうすぐ、明日になります。オナスビヤサイ。




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上肢障害概説/あっというまに「夏休み」の終わり

仕事で上肢のoveruseで「上肢障害」として業務上疾病と認定されることがあります。そもそも上肢障害って何よ?(私は、あくまで行政用語と思っております)それに相当する疾患の概説がありました↓


勤労者における上肢慢性疼痛のマネジメント


日職災医誌,65:234─239,2017 



要旨:上肢に慢性疼痛をきたす疾患は数多く存在する.上肢慢性疼痛マネジメントの第 1 歩は, 正しい診断を下すことである.正しい診断は,丁寧に身体所見をとり,必要に応じて X 線,CT, MRI,超音波検査,電気生理学的検査などの検査を加えることにより得られる.その病態に即し て,疼痛と機能に配慮した治療を行う.上肢の障害に業務での overuse が関連していると考えら れる場合,本人並びに職場に overuse を避けるよう指導する.作業の態様によっては,上肢障害 として労災認定される場合がある.上肢障害の代表的疾患は,上腕骨内・外上顆炎,腱鞘炎,手 関節炎,手根管症候群,肘部管症候群などである.これらの疾患で業務起因性があると考えられ る場合には,労災認定の申請を勧める.複合性局所疼痛症候群(CRPS)は,原因不明の難治性疼 痛性疾患である.ごく軽微な労災事故で発症することがある.病態は不明であり,治療に難渋す ることが多い.原因となる他の疾患・外傷を確実に除外した上での診断が必要である.CRPS の安 易な診断は厳に慎むべきである.


・本文中に引用されていたwebsite(上肢障害の労災認定)は↓




・日常よくあることだと思うのですが、業務上疾病として申請することは少ないのではないでしょうか...


あっという間に以下短小日記

・本日10/6(金)は、夏休み3日目。6時半起床。1時間ばかり勉強して、朝食。それから10時半位まで、講義の準備と自分の勉強。それから玉島協同病院へいって、自分の研究のためのデータ入力作業を14時過ぎまで。院長にあったら、「あれ、夏休みなのになんでいるの?」というような顔をされました。その後は水島へ、18時前までひたすら入力作業。そして、18時45分帰宅で、先ほどお風呂に入りました。これから夕食。その後、ちょっと明日の講義の準備をして早く寝ることにします。

・明日は、京都で10時45分から16時15分まで90分3コマの講義どす。なかなかしんどいぜよ。(もう、ことばごちゃまぜ)それでは、すこし早いですが、ワン・アン。

 



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慢性疾患の合併症に、食道壊死も考える/遅い「夏休み」

外来診療をしていて、いつも思うことは、患者さんに病気の経過=これくらいの期間で治る、このような合併症が起こりえる、薬の副作用は、こんなことがあるということを伝えられればよいなと思うのですが、なかなかそうはいきません。精々投薬時にこのような副作用が起こりえますというのが精いっぱいです。慢性疾患の合併症として、急性食道壊死も考えとかないといけないのね、と言うNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINE↓


Acute Esophageal Necrosishiro Matsuo, M.D., and Naoki Ishii, M.D.

N Engl J Med 2017; 377:137 Oct 5, 2017

http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1703305

本文中に、

The cause of acute esophageal necrosis is unknown, although it may be associated with the presence of an underlying chronic disease such as cancer, cirrhosis, alcohol-use disorder, or chronic kidney disease. とかいてありました。

 

↑だけじゃ物足りない方は↓の論文をどうぞ

 

黒色食道を呈した急性壊死性食道炎の 4 例

日消誌 2011;108:759―768

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/108/5/108_5_759/_pdf

要旨:急性壊死性食道炎の 4 例を経験した.4 例とも初発症状は吐血で,上部消化管内視鏡検査では 特徴的な黒色食道を呈した.発症時の基礎疾患は,3 例がケトアシドーシス,2 例が糖尿病であった. 3 例は保存的に軽快し,死亡例を 1 例認めたが死因は急性壊死性食道炎によるものではなく,基礎疾 患である敗血症が予後を規定した.急性壊死性食道炎はまれな疾患ではあるが,緊急内視鏡における鑑 別診断として念頭に置くべきであると考える.

 

以下日記

・最近22時になると猛烈に睡魔が襲ってきて、なかなかブログを書くことができません。最近、いつも過去を振りかえっていますが、本日もまた過去の行動を。

・9/29(金)当直「明け」で午前外来。何とか13時に終わらせて昼食摂らずに倉敷健康福祉プラザへ。以前から知っている三重短期大学の長友薫輝教授の国保に関する講演を聴きに。とても、わかりやすく話されていました。講演後挨拶にいって、ツーショットの写真をとってもらいました。その後帰宅。

・9/30(土)は、午前中は講義の準備。午後から岡山市へ。昔の中国銀行跡のルネスホールというところで「インスピレーション~伊丹典子&荘村清志~」コンサートへ。伊丹さんは以前何回か演奏を聴いてますが、荘村さんは初めて。第一部はお二人の独奏でしたが、第二部の二重奏がよかった。最後のアンコールのリベル・タンゴがよかったなぁ。コンサート終わって、荘村さんにCDにサインしてもらいましたが、その時私の同級生で若くしてなくなったギタリストの稲垣君のことをご存知ですかといったら、出身地までご存知でした。(稲垣君は私と同じ明石高校の出身)

・コンサート後イオン岡山へ行って買い物とフードコートで、地ビールの「独歩」の3種類セットを飲んで、新倉敷へ。そこで、飲み会に出て帰宅です。

・10/1(日)は起きてから10時までは勉強。10時半から親族の法事でした。13時半頃でしょうか、酔っぱらって帰ってきて昼寝。起きてから勉強と講義の準備。

・10/2(月)は午前大学で勉強、午後から病院で外来。

・10/3(火)は1日大学で勉強。終わってから新倉敷にもどって、医局の研修医歓迎会で、焼肉。

・10/4(水)~10/6(金)までは、遅い「夏休み」。本来は、どっか温泉にいって、真昼間から酒を飲んでダラダラしたかったのですが、自分の研究のまとめがあるので、遠くへは出かける予定なし。

・10/4(水)は14時くらいまで講義の準備と自分の勉強。15時前から配偶者と岡山へ。シネマクレールで『ハイジ』を観ました。大体、自分が昔読んだ児童文学通りでした。ハイジ訳の子役の子がとてもかわいかったのと、久々にドイツ語聞いて懐かしかったです。(大学時代勉強したのみ)そのご『鮮寿』というところで夕食。アルコールも摂取。そして、恐ろしいことに〆に匠のラーメン。そして帰宅です。

・本日10/5(木)は10時くらいまで勉強。それから玉島の病院へ行ってデータ入力。そして、中島の中華園というところまでいって配偶者と落ち合って、ランチ。その後私一人イオン倉敷へ。ちょっと買い物して映画『エイリアン:コヴェナント』を観ました。特に目新しいものはありませんでした。一番最初に、I am your fatherというセリフに思わず笑ってしまいました。パロディ or オマージュ?その後水島の病院へ行って、19時40分までデータ入力作業。そして、帰宅し夕食、入浴、そしてこのブログ書いております。明日も多分病院へ入力作業に行くでしょうね。


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