SSブログ

研修医への外来診療講義メモ/地域で高齢化を体感する

現在当院に2か月ごとに初期研修医が地域研修ということで、勉強に来られています。今度の木曜日に外来診療について、1時間弱の講義をする予定です。いかにそのレジュメをはりつけておきます。ご意見ある方は、コメントをお寄せください。


外来の診療で大切なこと、コツ、私がやっていること

 

1.心得

・医療は共同の営み(Partnership

古いPから新しいPPaternalismからPartnership

・患者さんは、要望と不安をもってくる

  要望がはっきりしないこともある・・・診療の中で明確にする

・誠実に・・・この対応は果たして誠実か?と自問する

・患者さんの受診目的と医師の診療の目的が食い違うことがある

  目標の明確化・共有                         

・情報格差があるのが当たり前だが...

  本やWebsiteでよく調べられている人もいる

  中には、医師をテストしている人もいる

・録音されているつもりではなす

・こちらは、そういうつもりはなくても、「お医者様」:話ずらい・訊きづらい

informed consent: ICは「する」ものではなく、もらうもの。また、丸投げでもない。

2.診療の最初                                   

・立って挨拶、視線をあわせる(必要ならバニーガールのように膝を立ててしゃがむ)

・笑顔・・・口角をあげる練習、鏡を見る

・ピー子に挨拶しない。ピー子とばかりはなさない

・最初、話を途中で遮らない

3.診断

・よく3Ccommon, critical, curable)といわれるが...

 私は、CCOもしくはCCEとしてほしい O: occupational E: Environmental

 最近の流れではEがよいかも。SDH: Social Determinants of Healthが重視されてきている。

・最初にcriticalな疾患を考え、除外しておくと後の診療が楽

・鑑別診断は、必ず挙げる。その癖をつける。絶対決め打ちしない。それがたとえ風邪やインフルエンザだとしても。

・職業歴は「のど自慢的職業表現」はNG

・よく使われるのがVINDICATE!!!P

VVascular:血管系、IInfection:感染症、NNeoplasm:新生物(良性、悪性)、

DDegeneration:変性疾患、IIntoxication:薬物・毒物中毒、CCongenital:先天性、

AAutoimmune:自己免疫/膠原病、TTrauma:外傷、EEndocrineMetabolic:内分泌代謝系、IIatrogenic:医原性、IInheritance:遺伝性、IIdiopathic:特発性(原因不明)、PPsychogenic:精神・心因性

・わたしは、MEDIC TO VAN, 最近では V DOT CINEMA SPとしています。

 VIDICATEでは、Occupational, Environmentalがない

 SSystemicで、全身性疾患の部分症ではないかと考える

・鑑別診断のみでなく合併症も考える。

・見通しや今後起こることを患者さんに伝えておく。(特にどれくらいで症状が改善するか)薬の副作用も。あらかじめ言っておくのと言わないのは雲泥の差。

4.検査

・定期検査はあらかじめ「次、採血しましょうね」とお知らせしておく

・検査の費用も説明できればベター

・検査するとき、その検査結果で自分の行動が変わるかどうか考える

・データは必ず確認する。データがでるのが後日の場合、メモや電カルの活用。

・必要なデータは、自分からききに行く

・検体の間違い、人間違い、記載間違い等あることに気を付ける

・慢性疾患は、あらかじめ計画を立てておく。全身管理を心掛ける。

5.その他

・必要な能力:コミュニケーション アサーション

・自分一人で外来をしているわけではない。看護師、事務等スタッフに感謝。

・のど自慢的職業表現はNG

・自分の「身(メンタルも)」を守ることも大事(・ごく一部だが、ひどい人もいる)

・患者から学ぶ:患者さんの問題提起は、勉強のモチベーションになる。

・外来は、毎回いろいろ工夫ができて、楽しいよ。 

参考文献

・研修医になったら必ず読んでください。〜診療の基本と必須手技、臨床的思考法からプレゼン術まで  2014/2/25

岸本 暢将 (), 岡田 正人 (), 徳田 安春 ()

・白衣のポケットの中―医師のプロフェッショナリズムを考える  2009/4/1

宮崎 仁 (), 尾藤 誠司 (), 大生 定義 ()

・患者は何でも知っている (EBMライブラリー) – 2004/7/23

J.A.ミュア・グレイ (), 斉尾 武郎 (翻訳), 丁 元鎮 栗原 千絵子 平田 智子

外来でのコミュニケーション技法―診療に生かしたい問診・面接のコツ  1995/7

飯島 克巳

(外来でのコミュニケーション技法―診療に生かしたい問診・面接のコツ (junior新書) 新書 – 2006/3

 

以下超短小日記

・本日は、8時前に起床。昨日、一昨日の研究会がおわり、ほっと一息です。10月は、それ以外でもいろいろあって、本当に忙しかったです。まだ、複数原稿をかかないといけない状況にありますが...

・今日はズーーーっ、と部屋にこもって自分の勉強と講義の準備でした。本当に時間がたつのが早い。19時から20時15分くらいまで、地域の寄り合い(とっても、古い言い方)。話を聞いていると、私の周辺でも高齢化が激しくなってきて、いろんな役を決めるときも役員さんが、「任期が切れるまでは、生きとってちょうだいよ」というような、ブラックなジョークが出るくらいです。私は、その中では「若手」となります。高齢社会おそるべし。

・寄り合いから帰ってお風呂に入って、これから夕食です。さすがに今日はアルコールはやめて、ノンアルにして、早めに寝ることにします。明日は、午前中大学で勉強、午後から病院で外来です。


nice!(0)  コメント(38)