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胸腔結石/ケンドチョウライ

・明日から岡山コンベンションセンターで2日間全日本民医連呼吸器疾患研究会というのが開かれるのですが、その分科会で座長をしなければならないので予習をしておりました。演題の中に胸腔結石という言葉があるので、しらべてみました。私のもっている『医学書院医学大辞典第2版』『南山堂医学大辞典第19版』『ステッドマン医学大辞典改訂第6版』には載っておらず、医中誌にもなし。UpToDateにも載っていませんでした。(正確には、言葉をいれてもそれではでてこなかったということで、いろいろみていたら記載はあるかも)かなりまれみたいなので、私がしっていなくてもよいかと安心。いくつか文献を↓に載せておきます。


CT検査で陰影の移動を認めた胸腔結石(胸腔内遊離体)の1例


人間ドック (Ningen Dock) (2014) NP 737-741




【抄録】症例は64歳女性,当院健診部を受診し,胸部X線検査および低線量胸部MDCT検査にて,第7胸椎レベルの左胸腔内背側に円形または楕円形の石灰化腫瘤影を認めた.自覚症状はなかったが,2年前の胸部CT画像を再検討したところ,今回の第7胸椎レベルの腫瘤影は認められず,第11胸椎レベルの左胸腔内背側に同様の腫瘤影がみられ,胸腔内を大きく移動していることが確認できた.結果,胸腔内結石(胸腔内遊離体)と診断された.胸腔内結石の報告例は少なく,胸部CT検査によって確認できた稀な症例と考えられる.




胸腔内結石の 1 例

日呼吸会誌 45(7),2007.


【要旨】近年,胸部の検診にて種々の腫瘤影が発見されているが,時に診断が困難な症例がある.症例は72 歳,男性.検診で胸部異常陰影を指摘された.CTで右肺 S6に相当する胸膜面に径2cmの境界明瞭な腫瘤影を認め,精査目的に当科へ入院となった.CTガイド下針生検を試みたが気胸を生じて生検出来ず,検査後のCTで腫瘤が右肺底部に移動していることが確認された.ビデオ下胸腔鏡手術(VATS)実施し,右胸腔内に2cm大の白色結節と更に胸膜面に 2~3mm 大の灰白色結節を2 個認め,これらを摘出した.肉眼的にこれらの割面像は,黒色の小結節を核として弾性のある白色同心円構造を示した.組織学的には,炭紛沈着と組織球様細胞が集簇した小結節を中心に,周囲を好酸性硝子様線維組織が同心円状に囲む像を呈していた.以上の所見は胸腔内結石に一致すると考えた.胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺に原発する腫 瘍との鑑別が必要である. 



胸腔鏡下に摘出した胸腔内結石の 3 例

日呼外会誌 28 巻 6 号(2014 年 9 月)




【要旨】胸腔内結石は,本邦での報告が 29 例と少ない疾患である.今回我々は胸腔内結石の3例を経験し臨床病理学検討を加えたので報告する.症例1は57歳女性.検診で胸部異常影を指摘された.CT 左S4に20 mm,横隔膜上に10 mmの結節影を認め,胸腔鏡下手術を施行した.S4の結節は炎症性肉芽種で,横隔膜上の結節は結石の診断であった.症例2は34 歳女性.自然気胸にて胸腔鏡下手術を施行した.術前CTでは結石を疑う所見を認めなかった.術中に心膜脂肪組織に付着した結石を認め摘出した.症例 3は49歳男性.右後縦隔神経原性腫瘍にて胸腔鏡下手術を施行した.術前より横隔膜上に10mmの結節を認めており,摘出したところ結石の診断であった.胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺,横隔膜上の結節の鑑別診断として考慮する必要がある.また画像所見で他疾患との鑑別が困難である場合は,切除を考慮すべきであると考えられる.



胸腔内結石を摘出した4例


日呼外会誌 28 巻 6 号(2014 年 9 月)




【要旨】胸腔内結石は,本邦での報告が 29 例と少ない疾患である.今回我々は胸腔内結石の 3 例を経験し臨床病理学検討を加えた ので報告する.症例 1 は 57 歳女性.検診で胸部異常影を指摘された.CT で左 S4に 20 mm,横隔膜上に 10 mm の結節影を 認め,胸腔鏡下手術を施行した.S4の結節は炎症性肉芽種で,横隔膜上の結節は結石の診断であった.症例 2 は 34 歳女性. 自然気胸にて胸腔鏡下手術を施行した.術前 CT では結石を疑う所見を認めなかった.術中に心膜脂肪組織に付着した結石を 認め摘出した.症例 3 は 49 歳男性.右後縦隔神経原性腫瘍にて胸腔鏡下手術を施行した.術前より横隔膜上に 10 mm の結節 を認めており,摘出したところ結石の診断であった.胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺,横隔膜上の結節の鑑別診断 として考慮する必要がある.また画像所見で他疾患との鑑別が困難である場合は,切除を考慮すべきであると考えられる.


・結論は、「胸腔内結石は稀な疾患であるが,末梢肺,横隔膜上の結節の鑑別診断 として考慮する必要がある」ということですね。


以下日記

・また、ブログの更新がとんでおりました。過去を振り返ります。

・10/23(月)は、午前中は大学院で勉強。(今回ロジスティク回帰)午後は玉島協同病院で外来。なんかすごく疲労感が強く、帰宅後何もせず寝ました。

・10/24(火)は1日大学院で勉強。この日は、朝自分で打った蕎麦、昼は「うどん村」で釜揚げうどん。夜はうどんすき(肉ほとんどなし)と、3食麺類でした。(月曜日も朝食はそば)

・10/25(水)は午前外来、午後カンファレンス、夜間診療。当直でした。当直は2時前に電話で起こされた以外平和でした。ただ、眠い。

・本日10/26(木)は当直「明け」。7時におきて、シャワー浴びて、朝食とって8時に上司のDr.Jに当直の残り時間をしてもらって、水島へ。午前中産業医学科外来でした。診療終わってトイレに行って、診察室にもどったら、なんとモンブランとお誕生日プレゼントが。いつも外来についてくださっている看護師さんが私の誕生日を祝ってくれました。感激です。ありがたや、ありがたや。ケーキ食べながら「ミニ・カンファレンス」の様なことをして、感謝のうちにさようなら。着替えたら倉敷市役所へ。そこの食堂で昼食(350円のカレー)。それから公害健康被害認定審査会に参加。終わって、直帰。で、明日の研究会の準備や大学院の「宿題」等して、お風呂入って、優勝取りながらアルコールを飲んで、このブログを書いております。これが終わったら、寝に行きます。明日の座長が無事終わりますように。また、あさっての講演が滑らずに終わりますように。

・最後に今回総選挙でJCPに入れてくださった方々に深謝いたします。合い言葉は、捲土重来かな。


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