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おならや排便すると動悸がおさまる病気/初めてのヘルプカードと医師資格証

・世の中色んな病気があるもので、一般的な教科書に載っていないようなものも医学雑誌をみていると「ほーっ」とか「へーっ」とか言ってしまうような病気もあります。おなじみ(?)NEJMの4月1日号のIMAGES IN CLINICAL MEDICINEのレポート↓


Intrapericardial Colon

 

  Radwan Kassir


N Engl J Med 2021; 384:e49 April 1, 2021




心膜腔に横行結腸が入り込んでいたんですね。で、ガスや便で横行結腸が膨らむと心臓を圧迫して動悸をおこし、排便、放屁で圧迫が緩くなると動悸が収まるということでしょうね。ホンマ、色んなことがあるものです。



以下日記

・本日4/6(月)は、6時起床。ウォッシュレットに座ってお尻洗おうとしたら高圧洗浄機のような圧がお尻にかかって死にそうになったという夢を見たといったことをSNSに書こうとしたら病院から電話。早めに家を出て7時20分着。そもそも7時30分に宿直の先生と交替する予定だったので、そこで交替。ある対応をして朝礼のはじまる8時30分まで事務作業。9時から外来でした。比較的早く終わって昼食摂って病棟へちょっとよっておりました。14時過ぎに私が入院中診ていた患者さんが在宅でおなくなりになり、わざわざ御家族の方が挨拶にみえられました。良い最期を迎えられたと感謝されました。(と思う)その後病院を出て税務署に確定申告の書類提出。それから眼鏡市場へ行って新しい眼鏡の作成。それから山陽マルナカへ行って買い物。まず本屋さんへ行って目的のものはなかったのですが、つい↓のようなものが目について購入してしまいました。(どんどん未読の本がたまってきています。死ぬのは仕方ないけど、購入した本は全て読んでしまいたいのである程度長生きしたものです)


不道徳教育講座 (角川文庫)

不道徳教育講座 (角川文庫)

  • 作者: 由紀夫, 三島
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2021/04/06
  • メディア: 文庫


・その後食品売り場へ行ってビールを買おうとおもったのですが・・・座り込んでいるお客さんに話しかけている店員さん。どうも調子が悪くなったようで。一見そう重篤そうでもないので、木枯らし紋次郎をきめこもうと思っていたのですが、やっぱり良心がチクチク痛んで、声をかけました。店員さんとお客さんを車椅子に乗せて「授乳室」へ移動。40分くらい側にいて「対応」していました。そのお客さんはヘルプカードに対応法をかかれていたので、救急車は呼ばなくて良さそうと判断しました。ただし、必ずしも疾病はひとつではない、そこに書かれている病態と違うことがおこっている可能性もあるため、きちんと経過観察。対応するとき、怪しいおっさんではない、いや、怪しいオッサンではあるが、医者であることを証明するため最近作った『医師資格証』を提示しました。こういう時に役に立つとは思っておりませんでした。また、鞄にパルスオキシメーターをいれていたので、それも役に立ちましたね。以前は聴診器も入れていたのですが、まず使うことがなくかさばるので、最近は入れておりません。で、御家族と連絡取れてご本人もおちついたので、私はそこを離れて予定通り麦酒購入。17時46分帰宅でした。お腹すいていたので、最近できたフルーツサンドの店で配偶者が買ってきたフルーツサンドをまず食しました。ここのフルーツサンドはクリームがおいしいですね。(「ここ」ってどこや?)あと、e-mailであちこち連絡するような事務作業。そしてお風呂入ってこのブログを書いております。これから夕食。当然ビールをいただきます。その後はヘロヘロになって何もできないでしょう。

・ところでヘルプカードとは↓(私の住む浅口市のサイトから)




ちらりとこれを付けている人はみたことありますが、実際それを見て対応したのが今日が初めてです。このヘルプカードが提唱されたとき、まあ、ええことやなと思っていたのですが、ちょっと問題もあるようで...ある知的障害を持つお子さんをもたれているお母さんと話したとき、このカードをもっていると悪い人に声をかけられて変なところに連れて行かれるかも知れないと・・・確かに世の中善人ばかりではないので、障害があるとみると何か悪いことをする人間もいるので、ヘルプカードの呈示も無条件によいものではないですね。

あと、ヘルプカードにはかならず緊急連絡先をかいておいてほしいものです。今日の方は、対処法はかいていても、緊急連絡先がかかれておらず、御家族への連絡がなかなかできませんでした。(ひょっとしたら裏面にかいていたのかしら?今、この文章を書きながら思っております)


・あと、医師資格証とは↓のようなものです




今日初めてこれを人様に呈示しました。

・余談ですが、マルナカの店員さん親切でしたね。(残念ながらマルナカとのCOIはありません)


最期に、木枯らし紋次郎が分かる人は現在日本国民の何割くらいなのでしょうね?



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マイ手帳大賞:沈黙は「禁」/(日)はほぼひきこもり

多分多くの日本国民はしらないと思いますが、建交労という労働組合があります。正式には全日本建設交通一般労働組合と言います。そこの組合員さんがつきに1回機関誌の『建交労雑誌版』というのをくださるのですが、今回のマイ手帳大賞は「連載 たたかいのメッセージ」という(多分リレーエッセイ)の標題です。簡単に言ってしまえばパワハラでクビと言われた労働者が労働組合に相談して抗議し雇い止めを撤回させたという話。そのチラシに「黙っていては職場はかわりません 沈黙は『禁』です」と書かれていたとのこと。これは労働組合運動のみでなく、日本国民の主権者としてしての大切な態度だと思います。ネルソン・マンデラも言っています↓


人間として、何もせず、何も言わず、不正に立ち向かわず、抑圧に抗議せず、また、自分たちにとってのよい社会、よい生活を追い求めずにいることは、不可能なのです。


↑は「ネルソン・マンデラの名言・格言」https://iyashitour.com/archives/23163/2 からコピペしましたが、上の言葉以外にもすばらしいことを言われています。いつか英語で彼の格言集のようのものがあれば読んでみたいと思っています。


以下日記

・昨日4/4(日)は6時起床、ほぼズーと↓の本を読んでなんとか読み上げました。合間、合間でちょっと片付けしたり確定申告の書類を作っておりました。19時前に配偶者と來々軒に夕食食べていきました。その後因果推論の本よんで練習問題して、寝ました。





・本日4/5(月)は6時起床。因果推論の本読んで、朝食摂って燃えるゴミ出して午前中ZOOMで因果推論の本をよみました。午後から出勤し、回診、夜間診療。帰宅は19時半頃でした。それから入浴、夕食摂ってこのブログを書いております。あと、ちょっと職業癌の本を読んで早めに寝たいと思います。

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ハンター舌炎/1日2麺

ハンター舌炎とは狩人がなる舌炎ではございません。『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


ハンター舌炎 Hunter glossitis

ビタミンB12欠乏による悪性貧血の際に見られる舌炎で,糸状乳頭の著明な萎縮のために舌の表面は平坦になる。炎症による発赤と潰瘍形成を伴うこともあり,灼熱感を自覚する。舌以外に頬粘膜,歯肉,口蓋,口唇も萎縮や発赤をみることがある。治療はビタミンB12の投与。(William Hunter,1861-1937,病理学,英)

・で、↓のようなレポートがありました。


Hunter's Glossitis
Junki Mizumoto
Internal Medicine 60: 1139, 2021
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/60/7/60_6004-20/_article/-char/ja
本文中にハンター舌炎は、神経症状や貧血が出る前におこるということで、大事な徴候ですね。それについて書かれている引用文献が↓(無料ではみることはできませんが、抄録はみられますし、写真もみられます)
J Am Acad Dermatol. 2009 Mar;60(3):498-500.
Glossitis with linear lesions: an early sign of vitamin B12 deficiency
Jordi Graells, et al.
【Abstract】

The classic oral manifestations of vitamin B(12) deficiency are considered nonspecific. We describe 4 patients with oral linear lesions associated with vitamin B(12) deficiency. Patients were free of neurologic symptoms and anemia at diagnosis. We believe that glossitis with linear lesions is an early clinical sign of vitamin B(12) deficiency. We recommend the determination of vitamin B(12) in such patients, even in the absence of anemia.

・以前は、外来診療でお口の中は診ていましたが、COVID19のおかげでほとんど口の中を診なくなりました。見逃しがあるかもしれませんね...一定感染が落ち着いたら、口の中を診るようにしないと...

以下日記

・本日4/3(土)はお休み、かつ、一応担当の入院患者さんは落ち着いている(?)のでゆっくり6時39分起床。朝食後11時までやすみやすみブルーバックスの『がんはなぜ生じるか 原因と発生のメカニズムを探る』という本を読んでおりました。半分強読めましたが、結構面白かったです。そして早めに丸亀製麺へ行って釜揚げうどん大とイカ天、530円。いつもは釜揚げは並にするのですが、今日は欲望を抑えきれず大にしてしまいました。しかし罪悪感より満足感の方が強い、神様ごめんなさい。(←なんで、神様にあやまる)その後市役所にプラや段ボールの資源ゴミ出して帰宅。前述の本を読んで、ちょっと昼寝して、また本を読んで。夕方庭の草刈りを久々にしました。なんせ、腰痛のため草刈りができていなかったのでかなり庭は草ボウボウ。久々に刈り払い機を使いました。その後入浴。夕食は配偶者がワンタン麺を食べたいと言うことで近くのラーメン屋へ。しかし、もうワンタン麺はしていないと。しかたなし、別のメニューを頼んでいただきました。ということで、本日は1日2麺となりました。ちなみに私のスローガンは、1日1麺です。しかし、実際はそんなことなくてせいぜい1週1~2麺、多くて3麺でしょう。こののりで明日も丸亀製麺にいって担々うどんを食べるかも知れません。

・さて、これからちょっと日本酒を飲みながら因果推論の本を読んで9時には寝ましょう。


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全人的医療って何?/一番の親不孝は何か

ずーーーーーーっと以前から「全人的医療って何?」と思っておりました。今日はちょっと時間と心に余裕があったので、関連する文献をちょっと読んでみました↓



巻頭言
全人的医療の歴史と展望
全人的医療 17巻(2018)1号
永田勝太郎
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ifcm/17/1/17_1/_article/-char/ja
抄録

 

「心身医学は,全人的医療に展開しなくてならない」は,米国のシカゴ大学教授で,心身医学の先人フランツ・アレキサンダーや我が国の池見酉次郎(九州大学教授)に共通の展望である.全人的医療や患者中心医療は,耳あたりのよいことばであるがゆえ,多くの大学や病院がミッションとして掲げているが,実践している医療施設は少ない.我が国には,橋田邦彦が戦前から全機的医療を唱えたように,多くの蓄積がある.一方,総合診療医の育成が叫ばれている.総合診療医は,まず全人的医療が実践できなくてはならない.以下の要件が必須になる.教育・研究・実践のための大学院大学の設置が望まれる.

1. パソジェネシス,サルトジェネシスの相互主体的鼎立

2. 患者の生活者としての理解(intrapersonal communication)

3. 誕生から死までの連続性の中での患者理解

4. 機能的病態(機能性身体症候群:FSS)の積極的診断・治療

5. 器質的病態の早期診断,専門医療への紹介,副作用低減のための補法の適応

6. 致死的病態へのケア

7. チーム医療のリーダーシップ

8. 医師―患者関係の構築(interpersonal communication)

9. 患者の行動変容のための患者教育

10. 臨床研究

11. 自己研鑽:健康哲学・医療哲学・死生学・医療倫理学

 

↑にあげられている要件で特に2には共感します。他の項目も共感できるものもありますが、ちょっと理解できないものもあります。(サルトジェネシスなんてなんのことやら)。本文を読んでみると巻頭言だからしかたないのか、議論が荒いなぁという気がしました。

・あたらしい診療理念

患者中心の全人的医療(医療教育情報センター)

http://www.c-mei.jp/BackNum/056r.htm

↑のサイトの説明の中で最初に紹介した永田勝太郎氏の名前がでてきます。

・中山書店の『全人的医療入門』のサンプル↓

https://www.nakayamashoten.jp/sample/pdf/978-4-521-73702-7.pdf

・わかりやすいと思ったのは↓

全人的医療学コース(関西医科大学)

http://www.kmu.ac.jp/target/2671t8000000i92h-att/a1463368999028.pdf

 

全人的医療とは「病気・疾患」ばかりに注目するのではなく、「病を抱えた人」「病を抱えて生きて生活している人」として患者さんを捉えるという「医師がとるべき態度」のことをいう。我々医師は、癌や潰瘍といった病名に目を奪われ、病を得て苦悩している人を忘れがちであり、そういったことの無いように、古くから医療者に対して強調されてきた医療者の基本となる態度である。したがって全人医療的態度はすべての医師がすべての患者に対してとるべきであり、特定の医師や特定の患者に適用されるべきものではないのである。

で、いつも利用する『医学書院医学大辞典第2版』の説明↓
全人的医療  holistic medical care

近年,研究至上主義的な医療の諸側面への反省をもとに,病〈やまい〉に苦しむ人間に対する医療を模索するさまざまなアプローチのうちの1つ。心身医学の領域からのbio-psycho-social(ethicalを加えることもある)モデルもその1つ。これは患者の健康問題をbiological(生物学的),psychological(心理的),social(社会的),ethical(倫理的)な諸側面から多面的に検討して解決しようとするものである。日本の池見酉次郎,米国のエンゲル(Engel GL)らがいち早くこの概念を提唱した。

・ちょっと違う観点の話ですが、面白いとおもった記事↓(全文は日経メディカルに登録していないと読めませんが)

尾藤誠司の「ヒポクラテスによろしく」

「全人的な医師」はチーム医療の中ではうっとうしい

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/bito/201411/539364.html

・あと内科学会の専門医部会のサイト

全人的医療ワーキンググループ ~医療におけるアートを考える~

https://www.naika.or.jp/fjcp_top/zenjin-wg/

・結局上で引用した「全人的医療コース」(関西医科大学)の説明の「病気・疾患」ばかりに注目するのではなく、「病を抱えた人」「病を抱えて生きて生活している人」として患者さんを捉える、というしごく当たり前と私には思えることなのでしょうね。(それが当たり前に行われていないから、このような言葉がつかわれだしたのでしょうね)

・ところで、全日本民主医療機関連合会の綱領の中に「生活と労働から疾病をとらえ」とあります

https://www.min-iren.gr.jp/?p=20933

・若かりし頃からこの言葉は好きでしたし、できるだけ実践しようと心がけてきました。しかし、かんがえてみるに「疾病をとらえる」(診断→治療する)のであって「患者さんそのものをみる」わけではないのですよね。最近「生活と労働と共に患者さんを捉える」とか「生活と労働を背負った患者さんをみる」というようなニュアンスがよいのではないかなと思ったりもしておりますが、うまい表現がまだ思いついておりません。

以下日記

・本日4/2(火)は、6時起床。ちょっとACPの勉強をして出勤。午前外来、午後回診、時間外受診対応、通所リハビリカンファレンス、病棟の学習会(DNARとACP)といろいろ忙しかったのですが、17時半ころには病院を出て18時過ぎには帰宅しました。お風呂入って夕食、アルコールをちょっと飲んでこのブログを書いております。

・きょうは私の母親が亡くなって5年目。母親を思い出すたびに、ああすればよかったこうすればよかったと後悔ばかり。本当に親不孝でした。唯一?親孝行だったのは、母親より先に死ななかったこと。母親は常々「一番の親不孝は親より先に死ぬこと」と言っておりました。子供を3人持ったいま、本当にそうだと思っております。今、親御さんが存命の方々は、「もし親御さんがなくなったら・・・」ということをイメージして後悔内容に親孝行をしてくださいね。

 


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