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こんな咳の原因/投稿するのに6時間

私の勤務する玉島地域はあまり呼吸器科を標榜しているDr.がおられず結構インターネットで検索して私の所に来られます。別に呼吸器科を標榜しているわけでは無いのですが、病院のWebsiteの医師紹介の所に呼吸器学会員とかいているから患者さんはそれをみて来られるのでしょうね。で、なかなか止まらない咳を主訴にこらる患者さんは多いです。多くは喘息の人が多いのですが、非結核性抗酸菌症や胃食道逆流症のようなひともおられます。また感染症では大人の百日咳もありますね。記憶するところ今年お二人はおられたと思います。

・咳の原因がなかなかはっきりしないこともあります。↓のような報告がありましたが、このように良性腫瘍もかんがえておかないといけませんね。



左主気管支を圧排し咳嗽を呈した迷走神経由来の神経鞘腫の1例




日呼外会誌341号(20201月)

【抄録】

 

【序文】神経原性腫瘍は後縦隔に発生し,交感神経や肋間神経に由来するものが多い.今回,左主気管支を圧排し,咳嗽を呈した迷走神経由来の神経鞘腫を経験した.【症例】咳嗽を主訴とする69歳女性.胃粘膜下腫瘍の精査で施行したCTで左主気管支を背側から圧排する14 mmの結節影を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引法を施行し,神経鞘腫の診断となった.気管支鏡では,膜様部が腫瘍に圧排されていたが,粘膜は正常で主気管支への浸潤はないと判断した.胸腔鏡下縦隔腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は被膜に包まれており,周囲への浸潤はなく,剥離可能であった.迷走神経の分枝から発生していた.手術時間:59分,出血:少量.【考察】神経原性腫瘍で迷走神経由来のものは稀である.多くは無症状で,偶発的に指摘されることが多い.症候性で迷走神経由来の神経鞘腫の手術例は稀であり,文献的考察を加えて報告する。


・この患者さん、造影CTで異常影がみつかったんですね。あまりにも咳がひつこいときは胸部単純レントゲンに異常が無くても胸部CTをとった方が良いのでしょうかね。いつも被曝と診断にどれくらい役に立つのかと悩むところであります。


以下日記

・12/11(金)は、5時半起床。勉強では無く、事務的な作業をして出勤。午前外来、午後インフルエンザ予防接種と回診。比較的早く仕事を終えて帰宅は18時16分。お風呂入って夕食。アルコールを飲みたいところでしたが、翌日が飲み会なのでぐっとこらえました。

・12/12(土)6時53分起床。仕事は基本お休みですが、状態の悪い患者さんが複数おられるので「出勤」。8時40分~12時前まで病院にいました。正確に言うと途中近くの公園をウォーキングと山陽マルナカ新倉敷店に買い物に行ったので1時間強病院を抜けましたが。12時半病院に戻ってそばの昼食。事務作業して15時から18時半まで社会医学会の理事会。(ZOOMで)私、理事ではないのですが監事なので参加。やはり、学術会議とCOVID19のことが議題に出ました。多分近々声明がでるでしょう。


cf. 社会医学会のサイト




・その後掃除やお風呂入って、20時から翌日0時30分までZOOMで大学院の飲み会。最初はZOOM飲み会って楽しいのかなと懐疑的でしたが、まあ楽しかったですね。問題は何を話したか覚えていないことでしょう。

・本日12/13(日)はゆっくりと7時30分起床。ちょうど1年目突然嗄声になった日です。月日がたつのははやいものです。9時から10時半まで病院へ言って帰宅。午後は通常そば打ちクラブなのですがCOVID19の関係で自粛。そば粉だけもらいに行きました。で、13時すぎから17時過ぎまで私の論文をOccupational and Environmental Medicine(OEM)↓という雑誌に投稿するのに悪戦苦闘。




・最初は投稿先のアドエレスにカバーレターと論文を添付しておくればよいのかと軽く考えていましたが、なんと7ステップあり。最初から詰まりまくり。OEMのサイトでこの範囲に投稿論文のファイルをドラッグ&ドロップしてくださいとあるのに、全然受け付けなくてれなくてERROR表示ばっか入り。でも、実はちゃんとアップロードされておりました。その後も自分の身分とかORCID番号求められたり(そんなん持っていないから、最初から作成)、自分のデータの扱いについて説明する文書書いたり、標題にあるように13時過ぎに作業を始めて終わったのが19時過ぎ。もう、つかれましたわ。で、お風呂入って夕食。今日はアルコールはやめておこうと思っていましたが、飲まずにはやっておれない。先日後輩のDr.にもらったベルギービールを飲みましたが、アルコール濃度12%。もうヘロヘロ・ヘロッピーです。ということD、もう寝ます。

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虹彩毛様体黒色腫/男にももてる私

私、日常診療において目をジーッとみることはあまりありません。定期的に外来にかかっている患者さんも時にはじーっと目を見た方がよいと思ったレポート↓


Iridociliary Melanoma

 

Stephanie Lemaitre, M.D., Ph.D., Amit Arora, M.B., B.S.


N Engl J Med 2020; 383:e133 Dec. 10, 2020





・西洋人は虹彩の部分が薄いからこういう変化はわかりやすいでしょうが、日本人のような茶色から黒に近いいろの人種はわかりにくいんじゃないでしょうかね。

・ところでこの文章書くに当たって「黒目」と言う言葉を使おうと思ったのですが、黒目という言葉の使い方が曖昧と言うことに気がつきました。私は虹彩(+瞳孔)を黒めと今まで理解していましたが、ネットでみてみると瞳孔のみを黒めと言って説明しているものもあります。例えばSantenのwebsite↓


「眼球の色がついている部分を虹彩(こうさい)、その真ん中にある、通常「黒目」と呼ばれている部分を瞳孔(どうこう)といいます。」




・これとは別に私の理解と同様に虹彩+瞳孔を黒めと言っているものもあります(Alconのサイト)↓


虹彩(こうさい)

角膜を通して見える茶褐色の膜(黒目と言われる部分)です。





(手元にある「標準眼科学 第13版」(ちょっと古い)をみていましたが、すくなくとも索引には「黒目」はありませんでした。)


・こうやって言葉を調べてみると、結構言葉って曖昧だったり間違って使われているなぁと思うことがしばしばあるのでした。

            

以下日記

・昨日12/9(水)は、5時半起床。論文ちょっと書いて出勤。午前外来。午後回診とカンファレンス、そして夜間診療=これは、早く終わったのですが病棟の患者さんみたり事務作業して帰宅は19時41分。お風呂入って夕食。ちょっと勉強して早めに寝ました。

・本日12/10(木)は6時起床。なんか倦怠感あるし血圧が150/110あって、ああ、つかれているなぁと実感。朝勉せず出勤。午前外来、午後回診、インフルエンザワクチン接種、今度私の患者さんが退院した後往診にいってくださるDr.(私の勤める第2代院長、ちなみに私は4代目でした)とNs.と懇談。その後回診。あと突然1病棟と2病棟の看護師長に頼まれて人工呼吸器のアラームの設定。これでかなり時間がかかりサッサと帰宅したかったのですが、18時41分帰宅。お風呂入って夕食、その後ちょっと勉強してこのブログ書いています。これから『社会疫学』の本をちょこっとだけ読んで21時台にはねます。

・ところで今日外来で二人の男性患者さんに、先生のところ来たら安心する、ホッとすると言われました。ひょっとして私は生き仏になりつつあるのか、なんちゃって。ちなみに、本日の標題後半の「男にももてる」と書いたのは、結構マダム/熟女にもてるから。まあ、もてると言っても一緒に食事・お酒を飲んで楽しくお話しする・・・誘っていただける、こちらも遠慮無く誘える仲のマダム達がそれなにりいるからです。(マダムキラーといわれたこともあり)しかし残念ながら、ヒモになったり逆玉にはなれてはおりません。・・・それにしても、アーッ、リアルに飲み会したいっ!!!

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終末期だって手術することはある/宿直明けのコロナビールは木を切った後と同じくらいヘロヘロになる

悲しいことに医療の大事な概念が医療従事者に誤解/誤用されていることをしばしば・・・本当にしばしば、全国規模で・・・見聞することがあります。その最たるものが「ICする」という言葉。大学で医学生・医師の教育に携わる教授先生や研修医を教育する指導医達、医者のSNSや医療専門のニュースでも誤用されています。それはさておきDNR、DNARも誤解されています。もう疾患の末期だから何も治療しないと...


cf. DNARについての日本救急医学会の説明





(↑の説明の中で、「患者ないし代理者へのinformed consent」という間違った言葉の使い方があるのでご注意を。)


・ターミナルケア/緩和医療は患者さんの症状・苦痛(身体的のみでなく精神的なものも)をとるための医療です。症状・苦痛をとるためなら死期がせまっていても手術をすることはあります。今回進行肺癌での話。

・一般的に転移がある肺癌(Ⅳ期肺癌)は、根治的な治療の対象にはなりません。しかし症状緩和のためには手術をすることがあります。その一例となるレポートが↓


IV期肺癌の難治性咳嗽に対して症状緩和目的で胸腔鏡下手術を施行した1例
清水奈保子、他。
日本呼吸器外科学会雑誌 34巻(2020年)7号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacsurg/34/7/34_678/_article/-char/ja
【抄録】

症例は71歳,女性.胸部CTで肺門縦隔リンパ節腫大を伴う左下葉の腫瘤影を指摘された.脳転移を含む多発全身転移を認め,肺腺癌(cT2aN3M1b,stage IV)と診断された.脳転移に対して定位放射線療法を施行後,全身化学療法が施行された.病勢はコントロールされたが,薬剤不応性の慢性咳嗽および血痰を伴う左下葉病変の増大を認め,胸部の緩和照射(30 Gy/10 Fr)に加えてNivolumabによる化学放射線療法が開始された.赤芽球癆を発症したためNivolumabは2コースで中止となった.血痰および咳嗽が増悪したため2-3語の会話にも難渋し,薬剤治療では制御不能となり,症状緩和目的の手術を希望され当院紹介となった.胸腔鏡下左下葉切除術が施行され,周術期合併症なく経過した.術直後より血痰や咳嗽等の症状が著明に改善し,肺癌治療の継続も可能となった.難治性咳嗽に対する症状緩和目的の手術により,症状は著明に改善し,意義のある手術と考えられた.

・くれぐれもDNARが何もしないと誤解が無いように。

 

以下日記

・昨日12/7(月)は、5時起床。朝勉して午前中はZOOMで因果推論の勉強会。何回かご紹介していますが↓のテキストを読んでおります。

Causal Inference in Statistics: A Primer (English Edition)

Causal Inference in Statistics: A Primer (English Edition)

  • 出版社/メーカー: Wiley
  • 発売日: 2016/01/25
・悲しいくらい難しい。この本を一人で読んで理解できる人がいるのか?まあ、みんなで議論しながらボチボチ進んでいます。ほんのちょっとずつ理解ができているような...
・午後から出勤し、回診、夜間診療、そして宿直。宿直中は自分の患者さんの状態があまり良くない以外は大きなことはありませんでした。
・本日12/8(火)は明け方1回起こされたのみで、6時41分起床。シャワー浴びて、朝食後病棟へ。私の患者さんの状態が悪かったですが、なんとか対応し改善。午前外来。午後病棟回診と患者さんの御家族と電話でのお話に件。15時半に帰宅し16時から17時までZOOMでCRITICAL APPRAISALに参加。今回のお題は↓
Individualized nutritional treatment for acute stroke patients with malnutrition risk improves functional independence measurement: A randomized controlled trial
Otsuki I, et al.
・その後入浴、夕食。そしてコロナビールをのんでやっぱりヘロヘロです。このブログ書いている時点で20時前。ちょっと事務作業して、21時には寝るとします。


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単純ヘルペスで肝臓に水疱/コロナに完敗

今、私はメチャクチャ素朴な疑問で悩んでいます。そもそもウイルス性肝炎の定義は何かと?肝炎ウイルスによる肝炎のみをウイルス肝炎というのかEBウイルスやサイトメガロウイルス、そして本日のお題のヘルペスウイルスによる肝炎もウイルス性肝炎というのか?『ステッドマン医学大辞典改定第6版』には①として肝炎ウイルスにユアもの②としてEBウイルス、サイトメガロウイルスなどのウイルスとかいています。『南山堂医学大辞典第20版』は、ウイルス性肝炎の耽読して項目がなく矢印をしてA型からE型を参照するようになっています。『医学書院医学大辞典第2版』では、最初に「肝炎ウイルス感染により惹起される肝臓の炎症」とかかれています。それはさておき、単純ヘルペスでも肝炎になります。『医学書院医学大辞典第2版』によると↓



単純ヘルペスウイルス肝炎 herpes simplex virus hepatitis
[略語]HSV

単純ヘルペスウイルス(HSV)による肝炎。HSVは1型,2型ともに肝炎の原因となる。肝炎は,単純ヘルペスウイルスの初感染,または再活性化時のウイルス血症に続き発症する。新生児では全身感染症が起きやすく,この1つとして肝炎がみられる。成人では免疫抑制状態にある患者での報告が多い。発熱を伴うことが多く,比較的重症である。また播種性血管内凝固(DIC)を合併する頻度が高い。


・で、THE LANCETに見事な単純ヘルペスウイルスにより肝炎の写真を載せたレポートがありました。ちょっとびっくり↓


Primary herpes simplex virus type 2 hepatitis diagnosed during laparoscopy


Vivien Wai Yun Lai, Zaal Meher-Homji, Faye Liu, Joe Sasadeusz


THE LANCET Volume 396, ISSUE 10265, e90, December 05, 2020




・他に皮膚粘膜症状無くても肝炎をおこすということは認識しておかないといけませんね。

・あと単純ヘルペスでも劇症化するという報告↓


単純ヘルペスウイルス感染から劇症肝炎・ウイルス関連血球貪食症候群を呈した一例

木下 喬公、他。


日本集中治療医学会雑誌 23巻(2016)6号



【抄録】
単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus, HSV)感染症では多彩な症状が発現するが,その中の肝炎が劇症化することは稀である。今回我々は,HSV感染から劇症肝炎・ウイルス関連血球貪食症候群に陥った一例を経験したので報告する。症例は26歳,女性。発熱・全身倦怠感を主訴に,他院に急性肝炎の診断で緊急入院した。肝機能障害が改善せず,加療目的で当院消化器内科に入院となり,翌日,全身管理目的にICU入室となった。入室時,身体所見および血液検査所見より劇症肝炎,血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome, HPS),DIC(disseminated intravascular coagulation)と診断し,血漿交換療法・ステロイド大量療法・免疫抑制療法を開始した。ウイルス抗体検査および肝生検の免疫染色の結果でHSV感染によるものと診断し,抗ウイルス薬投与も追加した。以上の治療が奏功し,入室後13日目にICU退室となった。HSV肝炎の劇症化は稀ではあるが,治療の遅れは予後に影響を与える。HSV劇症肝炎が疑わしい場合には,早期に生検を考慮することも必要である



以下日記

・本日12/6(日)は、6時起床。朝食摂ってダッシュで病院へ。7時20分~8時30分まで病院にいました。幸い患者さんは落ち着かれていました。9時前に帰宅し、9時30分から12時45分まで日本医療福祉政策学会2日目にZOOMで参加。知り合いの経済学の先生が「アメリカの医療政策と病院業」というテーマで話されました。また、一冊本を買わなければいけなくなりました。(著者割引有るかしら?)


アメリカの医療政策と病院業: 企業性と公益性の狭間で

アメリカの医療政策と病院業: 企業性と公益性の狭間で

  • 作者: 髙山 一夫
  • 出版社/メーカー: 法律文化社
  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: 単行本

・学会後は昼食後ちょっと勉強して家の片付け。資源ゴミを市役所の収集場所に持って行って、帰っておやつ。16時半くらいから1時間弱隣の畑の草刈りと雑木をきりました。それで気分不良。一服後入浴。そして夕食。コロナビールを1本飲みましたが、もうそれでヘロヘロで何もできなくなりました。つかれているからかなぁ?もう今日は9時になったら寝床に行って、明日早起きして勉強することとします。



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FYI: Priority of SARS-CoV-2 test, trace, and isolation in Japan/行って良かった

徳田安春先生が、標記論文を発表されていました↓ご参考までに。


Priority of SARS-CoV-2 test, trace, and isolation in Japan




・上でかかれていることをしようと思うとかなりお金がかかります。病院や施設に検査の費用を負担させるなら、現実的にはムリでしょうね。


・加えてちょと前に下の様な本も出版されています。(薄い本ですぐ読めます、英語以外)


新型コロナウイルス対策を診断する (徳田 安春)

新型コロナウイルス対策を診断する (徳田 安春)

  • 作者: 徳田 安春
  • 出版社/メーカー: カイ書林
  • 発売日: 2020/10/26
  • メディア: 単行本


・ちなみに私は、徳田先生とは全然面識ありませんしCOIもありません。いくらか論文や著書を読んだのみです


・もうひとつ、COVID-19にも関連するサイトカイン・ストーム。最新のNEJMの総説で無料で読めます。(まだよんでないけど)


Cytokine Storm


David C. Fajgenbaum, M.D., and Carl H. June, M.D.


N Engl J Med 2020; 383:2255-2273 Dec 3, 2020





以下日記

・本日12/5(月)6時30分起床。休みですが、気になる患者さんがいて「出勤」。ちょうど病室へ行ったら、状態が悪くなっておられました。対応して改善、良かった。病院へは8時過ぎから11時半くらいまでいました。(途中1時間弱病院を抜けて近くの公園をウォーキングしたのとニシナで買い物)帰宅は12時過ぎ。ごはん食べて、13時30分から16時半まで日本医療福祉政策学会第4回研究大会へZOOMで参加。やっぱり医療畑以外の研究者の話を聴くのは大切ですね。以前やりかけて途中や目になっていた異業種交流会(および医業種交流会)をやりたいと思いました。(コロナが落ち着いたら)

・その後1時間ばかり隣の畑の草をかるのと木を切りました。で、汗びっしょりになって入浴。ここで、アルコールは我慢してちょっとお勉強。19時半より夕食(キムチ鍋)で、このとき麦酒をいただきました。もう、お腹パンパン、何もできません。21時になったら寝るでっ。



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空気で心タンポナーデ/今日ははやく帰れた

・心タンポナーデとは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


心タンポナーデ cardiac tamponade

心膜腔内への異常貯留物により,心臓が圧迫され,拡張できなくなった状態をいう。貯留物は漿液,血液,ガス,腫瘍などがある。原因疾患は,急性心タンポナーデでは外傷(医原性を含む)が多く,亜急性例は心膜炎,悪性腫瘍転移など種々の原因で発生する。症状は心臓拡張期充満不全により,胸内苦悶,外頸静脈怒張,奇脈などで,ベック(Beck CS)の三徴(静脈圧上昇,動脈圧低下,心音の減弱)またはその一部を示す。進行するとショック,さらに進んで心停止状態(電動収縮解離;PEA,EMD)となることがある。胸部X線写真で心拡大を示し,CT,エコー検査で貯留状態が判明する。治療は圧迫原因の除去で,心膜穿刺または心膜切開により除去する。効果は多くの場合,劇的な改善を来す。

↑に有りますようにガスでも起こるわけでして、↓のようなレポートがありました


Air Pericardial Tamponade Caused by Lung Cancer
Kazufumi Takamatssu, et al.
internal medicine 59: 3109-3110,2020
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/59/23/59_5247-20/_article/-char/ja
本文にありますように心膜に接した空洞にはきをつけないといけませんね。
以下日記
・本日12/4(金)は5時30分起床。朝勉は、来週火曜日にあるcritical appraisalの論文を読みました。大学院に入ってかわったことは、論文をよむとき方法(materials and methods・・・マテメソと略されるみたいですが)をきちんと読むようになったこと。それまでは、方法のところはよく分からないからすっ飛ばして結論だけみていました。マテメソを理解しないと結果の解釈もことなるのにね。それから大学院に入ってからの話ですが、最近は結果の所は文章は読まずにまず表を見るようになりました。きちんと表がstand aloneかどうかみるためです。(攻殻機動隊ではない)自分がかけるかどうかは別にして一定評価ができるようになったと思います。
・朝食摂って出勤。病棟にちょっと寄ってから午前外来。今日は早く終わりました。午後から回診と書類。患者さん達が比較的落ち着いておられたので、帰宅は18時00分過ぎ。お風呂入って夕食。ちょっと勉強してこのブログをアルコール飲みながら書いています。ちょうど今のBGMはパッフェルベルのカノンで、なかなか心地よいです。これからアマゾンプライムビデオで映画観るかサッサとねるか悩んでおります。


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緑色の尿/早起きはやっぱり三文の得(徳)かな

・『グリーン・ブラッド』という柴田昌弘の漫画がありましたが、本日は緑色の尿の話。グリーン・ユーリンですね。↓のようなレポートが最新のNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEにありました。


Green Urine


Maja Boshkovska Spaseski, M.D., and Dejan Spaseski, M.D.




・この患者さんの場合人工呼吸で鎮静につかうポロポフォールで尿が緑色になったとのこと。確かに添付文書の副作用のところにも「緑尿」とありました↓




上のレポートでは、緑尿の原因としてGreen discoloration of the urine may be attributed to a number of factors, including medication (e.g., propofol, indomethacin, amitriptyline, cimetidine, and methylene blue), obstructive jaundice, and infection with pseudomonas species.とかかれています。今回知識を得て、鎮静をかけている患者さんの尿が緑色になったけど、それは鎮静でつかっている薬のせいですよとしたり顔でいうと違う原因かも知れないので要注意。きちんと鑑別診断を考えないとね。


以下日記

・本日12/3(木)は5時19分起床。朝勉して早めに家を出てまず玉島の病院へ。患者さんの状態確認して水島へ。午前中産業医学科、予約患者さんがとても少なかったのですがちょうど書類がいっぱい有ったのでそれが空き時間で処理できました。お昼は近くのうどん屋さんに行きたかったのですが、いったん診察がすんだ患者さんが調子悪くなってもう一度診療となり、時間が無くて診察室でカップ麺とおにぎり食べました。ゴローさん(誰かわかりますかな?)のいう(プチ)炭水化物祭りでした。午後からは振動障害の検査。16時前に玉島に戻り回診。朝一で患者さんを診ていたので、大きなこと無く早めに病院を出ることができ、返りCOOPで買い物して18時半頃帰宅です。お風呂入って夕食。本日はアルコールの誘惑に負けずノンアルビールでした。で、いろいろ事務作業をしてこのブログを書いております。明日は夜に会議の予定だったのですが、それがなくなったとのことですっごく気が楽になっております。あすはアルコールを飲むでしょう。

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石綿曝露と自己免疫疾患/最近早起き

石綿による疾患としては、厚労省は↓のようなものを挙げています。


 (1) 石綿肺
 (2) 肺がん
 (3) 中皮腫
 (4) 良性石綿胸水
 (5) びまん性胸膜肥厚




上の疾患はいわゆる労災ということになります。


しかし、石綿健康被害救済制度の対象となる疾病は、中皮腫、石綿による肺癌、石綿肺およびびまん性胸膜肥厚の4疾患であり、良性石綿胸水は入りません↓


・上記はあくまで行政上の扱いであり、石綿曝露により自己免疫性疾患がおこるという話もあります。↓がその総説
Autoimmune Dis. 2014;2014:782045.
Autoimmunity and asbestos exposure
Jean C Pfau , Kinta M Serve , Curtis W Noonan 
https://www.hindawi.com/journals/ad/2014/782045/
 【Abstract】
Despite a body of evidence supporting an association between asbestos exposure and autoantibodies indicative of systemic autoimmunity, such as antinuclear antibodies (ANA), a strong epidemiological link has never been made to specific autoimmune diseases. This is in contrast with another silicate dust, crystalline silica, for which there is considerable evidence linking exposure to diseases such as systemic lupus erythematosus, systemic sclerosis, and rheumatoid arthritis. Instead, the asbestos literature is heavily focused on cancer, including mesothelioma and pulmonary carcinoma. Possible contributing factors to the absence of a stronger epidemiological association between asbestos and autoimmune disease include (a) a lack of statistical power due to relatively small or diffuse exposure cohorts, (b) exposure misclassification, (c) latency of clinical disease, (d) mild or subclinical entities that remain undetected or masked by other pathologies, or (e) effects that are specific to certain fiber types, so that analyses on mixed exposures do not reach statistical significance. This review summarizes epidemiological, animal model, and in vitro data related to asbestos exposures and autoimmunity. These combined data help build toward a better understanding of the fiber-associated factors contributing to immune dysfunction that may raise the risk of autoimmunity and the possible contribution to asbestos-related pulmonary disease.
↑の総説では断定的なことは言っていないようですね。(本文と併せて読んでも、断定しているのか、もうちょっとエビデンスがいるのか私にはよう分かりません)それはさておき、これ読んでちょっと驚いた(と言うべきか)のは、Several studies also report an association between asbestos exposure and periaortitis and retroperitoneal fibrosis, both of which are considered autoimmune diseasesということ。私が昔読んだのは2004年のLancetの論文↓ですが、それで気をつけないといけないと思っていましたが、あまり関連した論文をよう見つけていませんでした。その他もいろいろ論文が出ていたんですね。
Asbestos exposure as a risk factor for retroperitoneal fibrosis
THE LANCET Vol. 363 Issue 94196, 1 May 2004, Pages 1422-1426

Summary

Background

Retroperitoneal fibrosis (RPF) is an uncommon disease with unknown causation in most cases. The pathognomonic finding is a fibrous mass covering the abdominal aorta and the uteers. Our aim was to clarify the possible role of asbestos exposure in the development of RPF. The hypothesis was based on the ability of asbestos to cause fibrosis in pulmonary and pleural tissue.

Methods

We undertook a case-control study of 43 patients with the disease (86% of eligible cases) treated in three university hospital districts of Finland in 1990–2001. For every patient, five population-based controls were selected, matched by age, sex, and central hospital district. We assessed asbestos exposure and medical history using a postal questionnaire and a personal interview. Of the 215 eligible controls, 179 (83%) participated in the study.

Findings

The age-standardised incidence of RPF was 0·10 (95% CI 0·07–0·14) per 100 000 person-years. The disease was strongly associated with asbestos exposure. The odds ratio (OR) was 5·54 (1·64–18·65) for less than 10 fibre-years of asbestos exposure and 8·84 (2·03–38·50) for 10 or more fibre-years, the attributable fraction being 82% and 89%, respectively. Other risk factors were previous use of ergot derivates (OR 9·92 [1·63–60·26]), abdominal aortic aneurysm (OR 6·73 [0·81–56·08]), and smoking for more than 20 pack-years (OR 4·73 [1·28–17·41]).

Interpretation

Our results show that occupational asbestos exposure is an important causal factor for RPF. For patients with work-related asbestos exposure, RPF should be considered an occupational disease.

・元の論文に帰って

 

以下日記
・ちょっとブログが滞っておりました。過去を振り返ります。
・11/30(月)は、5時23分起床。朝勉後ZOOMで因果推論の勉強会。とっても抽象的な思考で脳みそが疲れます。以前切り紙のワークショップに参加したときも同じように脳みそが疲れました。午後から出勤。回診、夜間診療、その後ご家族と面談。20時前に帰宅し、疲れたのでアルコール飲む。10月24日岡山市で開かれた権利擁護セミナーの動画を視聴(当日不具合で最初の講演が視聴できなかったため)
・12/1(火)は、5時5分起床。朝勉。『社会疫学』の日本語と英語のテキストを比較しながら読む。出勤し午前外来。午後回診、患者さんの御家族と面談。15時30分頃帰宅し一服後ZOOMで大学院のCA、16時から17時過ぎ。その後まだ完全に暗くなっていなかったので、隣の畑の直径17cm位の気を切りました。それだけで気分が悪くなりました。風呂入って夕食。で、ブログを書きかけたのですが、両肩から両上肢がいただるく、気分が悪くなったので早めに寝にいきました。
・本日12/2(水)は、5時起床。論文書いて、早めに出勤。7時半過ぎついて、まず健診の所見付け。8時に宿直の先生の申し送りをきいて病棟へ。(申し送ったはずなのにパートの宿直の先生が患者さんの対応してくれてました)朝礼後外来、14時までかかりました。昼食とって、病棟へ。15時からカンファレンス、16時から夜間診療。その後病棟よって19時前に帰宅。お風呂入って夕食。本日はスシローでお寿司かってきたよと配偶者。寿司なら日本酒ねとごく少量日本酒を飲んで、その後おちょこでワインを飲みながらこのブログを書いております。これが終わったら寝にいきます。
・今日、遠くで私と同じように振動障害に取り得組んでいるお仲間のDr.(私より若い)が病気でなくなったということをメールで知りました。悲しい。しかし、その意志をひきつぎ、今の活動をすすめていかないといけません。

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