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炭こう夫(塵)肺/日直は悲惨では無かった

先日も書きましたが、じん肺というのは長期間粉塵を吸入しておこる間質性肺疾患の総称です。結構いろいろあるのです、日本呼吸器学会では↓のように紹介しています。


職業性肺疾患




・で、代表的なものは先日も書いた珪肺、石綿肺、炭こう夫肺です。で、ズーと疑問に思いながら今日まで調べていなかったのですが、炭坑、炭鉱、炭礦といった表現があるのですが、一体何が正しいのやら?ちょっとヤフってみますと↓のようなもの(レファレンス協同データベース)がありました。


質問:「炭礦」と「炭鉱」と「炭坑」の違いについて知りたい。いわきの炭鉱関係の資料を見ると、いろいろな表記がされている。




・で、一応「炭鉱夫肺」ということにしておきます。『医学書院医学大辞典第2版』の見出しがそうなっていたので↓


炭鉱夫肺
タンコウフハイ
[英]coal miner's lung
[同義語]炭鉱夫塵肺 coal miner's pneumoconiosis,炭鉱夫癆 collier's phthisis

炭鉱作業員に生ずる塵肺。炭塵吸入が主因であるが,ケイ酸の関与の程度はさまざまである。石英量の多い高硬度の石炭採掘者では線維化病変が強い。典型的X線写真像は多数の小円形陰影であり,しばしば進行性塊状影を呈する。純粋な炭素塵吸入塵肺としては,黒鉛工場勤務者の黒鉛肺(graphite lung)がある。

上で英語がcoal miner's lungとなっていますが、私がよくみかけるのはcoal workers' pneumoconiosis(CWP)です。UpToDateやCURRENT Occupational & Environmental Medicine, Fifth Edition, Environmental and Occupational Medicine ,FORTH EDITION, HUNTER'S DEISEASES OF OCCUPATIONS, TENTH EDITION, PARKES' Occupational Lung Disorders, Forth Editionでもcoal workers' pneumoconiosis(CWP)と載っていますが、多分そちらがメジャーな言い方ではないでしょうか。HSEもNIOSHもこの用語使ってますから。ちなみにblack lung (disease)とも言われています。



無料でよめる総説です↓


Coal workers’ pneumoconiosis: an Australian perspective





・注意したいのは、炭鉱といっても日本の炭鉱(労働)と海外の炭鉱は様相がちがうということです↓


じん肺(近畿中央呼吸器センター 診療部のページ)


日本の炭鉱の炭層は薄く、掘削夫は石炭を掘る以上に炭層周囲の岩石を掘っているため「炭坑夫肺」は石工のじん肺すなわち「珪肺」に似ています。
大陸の無煙炭坑の炭層は厚く、また露天掘りであることがしばしばであることから、彼地の炭坑夫のじん肺は「炭素肺」でありわが国の「炭坑夫肺」とは似て非なるじん肺であると言えます。



・あと、今回読み直しておもしろなと思ったのは『じん肺 ー臨床・予防管理・補償のすべて-』(平成19年8月10日。産業医学振興財団)という本の中の「炭坑における粉塵作業とじん肺」という項です。この中で「炭鉱の歴史」「粉じん作業」という項は歴史と作業の勉強になります。ただ、後者は炭鉱や鉱山労働にかんする博物館なんかにいっていないとピンと来ないと思いますが、逆にそういうところに行っているとフムフムと頷ける記載です。

・画像と病理所見については↓をご参照ください。近畿中央呼吸器センターの引用にありますように、日本の炭鉱夫の場合純粋に石炭の粉のみでなくケイ素も吸っているわけで画像および病理変化は、いろいろということになります。






あと、英語のお勉強にも↓


Facec of Black Lung Ⅱ-The Story Continues







・何か中途半端で終わるようですが、酔っ払っているのでお許しください。(←「まあまあ、酒の席のことですから」という古い日本の「文化」は、今では許されません・・・よね)



以下日記

・昨日1/9(土)は仕事はお休み。7時に起きてちょっと勉強と資料の整理です。10時半に家を出て11時から11時40分まで私の元同僚の議員さんの街頭演説を聴きにいっておりました。倉敷市議会議員選挙が1月中旬になるので。ちなみに私は浅口市民で選挙権はないのですがメッチャ寒いので街頭演説に人が集まらないのではないかと思って枯れ木のうちの一本にもなろうと言ってきましたが、それなりに人が集まっていました。それにしても、寒かった。完全に体が冷え切った後山陽マルナカ新倉敷店で買い物して帰宅。(病院によってちょっと事務作業をしようと思いましたが、体力を消耗してそんな気にならず)あとは、色んな資料を見て整理。夜は配偶者と二人ですき焼き。アルコールを飲むつもりは無かったのですが、すき焼きにいれる日本酒が足りなくてさがしていたら、良い(と思われる)日本酒が押し入れの奥からみつかったので、それを飲んでしまいました。その後はなにもできず、早めに寝床へ。

・本日1/10(日)は日直。休日当番医であり、コロナが流行しているので医師一人体制は不安と言うことでパートのDr.と二人でやっておりました。(メインはパートの先生)私は主に病棟担当。午前中はほとんど病棟におりました。外来はお二人診察。一人だけTVでよくみる防止、アイシールド、マスク、防護服、手袋という個人防護具を装着して診察でした。で、診療部長が暇だったら早めに帰っていいよといってくれていたので、15時に病院出て帰宅。あとは、昨日同様資料の整理。その中でAIを利用した軍事ロボットという記事を見て、そういや以前もそういう記事をみたなと思いだしましたが、それがだんだん具体化されているようで怖くなりました。まさに、SFのターミネーターが現実のものになってきている。(ドローンだってひどい話ですが)

・夕食は昨日のすき焼きの残り。今日もちょっとだけ日本酒をいただきました。録画の『マツコの知らない世界』の「ディズニーソングの世界」を興味深くみておりました。音楽のアナリーゼってこういうこと?





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