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法令上のじん肺の合併症/お風呂に注意

じん肺という疾患は、他に例が無く法令でいろいろ規定されている疾患です。その法令が↓


じん肺法




そしてこの運用をより細かく決めたのが↓


じん肺法施行規則




この第一条にじん肺の合併症が定められています↓


 肺結核
 結核性胸膜炎
 続発性気管支炎
 続発性気管支拡張症
 続発性気胸
 原発性肺がん
・注意していただきたいのは、これは珪肺の合併症では無くじん肺という大きなくくりので合併症と言うことです。だから炭鉱夫肺でも溶接工肺でもこの合併症があれば業務上疾病(いわゆる「労災」)として認められます。
・注意していただきたいのは、上記以外の疾患は労災保険がつかえないかというとそんなことはありません。例えば肺炎に対する抗生剤治療は通常認められるはずです。また、例えば肺癌の脳転移への対応でステロイドを使用して、その副作用として十二指腸潰瘍になって出血した場合も労災保険が適応されるはずです。(実際私の患者さんがそうでした)また、医学的にあまりにも常識的な合併症、例えば呼吸不全とか右心不全は認められることが多いと思います。ここで、断定した書き方をしないのは労働基準監督署や基準局によって対応がことなる、いわゆるローカルルールがあるからです。職業性疾患に取り組む場合このようなローカルルールがあることを知っていないと往生することがあります。厚労省の通達がなかなか徹底しないこともありますし。(例えば診断書の書式が新しくなったのに、古い書式の診断書を送付してくる監督署なんかありますね)
・じん肺法からはずれますが業務上疾病かどうかを判断する一覧表があります。(労働基準法施行規則第35条別表第1の2)法の趣旨は労働者の救済を速やかに行うためこの表に合致した疾患は、明らかに他疾患という証拠がない限り速やかに労災認定すべきというものです。加えてこの表にない疾患を業務上と認めないというものでもありません。しかし、長年細々とですが職業性疾患を診療していて監督署の職員さんと面談しているとどうもこのことを理解していない(もしくは、理解していても上司の理不尽な指示に従っている???)方がおられました。ついでに言うとこの表の一番最後がとても大切で
十一その他業務に起因することの明らかな疾病
となっています。ここは医者の腕の見せ所ですね。
cf. 労働基準法施行規則別表第1の2=職業病リスト(2020年7月現在)
以下日記
・本日1/15(金)は6時起床。15分ばかり朝勉です。なんせ0はいくつ足しても0,0.001でも足していけば大きな数字になりますから。その後出勤し午前外来、午後回診、病状説明、書類書きをして19時前に帰宅です。お風呂入って夕食:テーブルの上に置いた小型IHの上に油の入った鍋を置いて自宅で串揚げです。我が家ルールなのでソースに何度つけてもOK。当然ビールをいただきました。なので、もうふらふら。22時までには寝たいと思っております。
・ところで最近外来では、患者さんにお風呂にはいってますか?と訊くことが多くなりました。実は12月1月と立て続けに私が外来で診ている高齢者の方がお風呂でなくなったのです。最近よく耳にするようになったヒートショックだったのかなと思っています。(ただ、ヒートショックとは正式な医学の病名でないですね。って、誰が正式かどうか決めるのかは知らんけど)少なくとも脱衣所とお風呂の中の温度差があまりないようにしてくださいと注意するようになりました。私も最近入浴するときは勉強部屋の電気ストーブを脱衣所までもっていって着替えをするようになりました。皆様を気をつけてください。
cf.  ヒートショックとは(日本医師会)

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