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食道破裂/自虐道を極めよう

・疾病を鑑別する場合、まず①見逃したら重大な結果(死亡、障害を残す)を起こす疾患②よくある疾患を思い浮かべるようにしています。胸痛の場合、心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓、気胸、そして食道破裂は考えるようにしています。これは、まったく自分の経験で考えた鑑別診断ですが、なんと『ジェネラリストの内科医診断リファアレンス』という本の中に「致死的3大胸痛は心筋梗塞,大動脈解離,肺塞栓だが,他に加えるならば緊張性気胸と特発性食道破裂があげられる。」という記載をみつけ、我流ではなかったと安心した次第。それはさておき、前4者は経験がありますが、食道破裂の経験はありません。なので、具体的にどのような経過をとるのか間接的にけいけんしておかないといけません。ということで↓のような論文を読みました。


胸腔ドレナージにより診断された食道破裂の1例

三和健、他。


日本呼吸器外科学会雑誌 35巻(2021)2号




【抄録】食道破裂は胸痛を起こす代表的な疾患であるが,診断は難しく診断を誤ると致死的になりうる.症例は50歳,男性.朝からカツ丼を多量に摂取,夕に嘔吐し,その後の背部痛にて当院に救急搬送された.巣状糸球体硬化症で血液透析中であった.CTで左胸水と多量の胃内容物を認め入院した.第2病日早朝,著明な呼吸性アシドーシスにより急変し,ICU入室にて気管内挿管,CHDFを開始した.胸腔ドレナージを行うと濃緑色排液を約1 L認め,後方視的にCTを確認すると食道壁外の空気を認め,食道破裂と診断した.第3病日に消化器内科で内視鏡下に食道破裂部のクリップを施行した.第4病日に気管チューブを抜去,その後胸水は隔壁化し,CTガイド下ドレナージを試みるも無効となり当科に転科,第13病日に胸腔鏡下掻爬ドレナージを施行した.術後乳糜胸を発症し,脂肪制限食とオクトレオチドで治癒,術後13日目に胸腔ドレーンを抜去,14日目に退院した
・カツ丼を多量に摂取って、どれくらい食べたのでしょうね?さっき引用した『ジェネラリストの内科医診断リファアレンス』の特発性食道破裂の項には「①中年男性に,②飲酒後嘔吐で発症し,③縦隔気腫や皮下気腫を伴えば典型的だが,24時間以内に診断されているのは半数程度である」と書かれております。多食、飲酒後の嘔吐は要注意と言うことです。ところで、抄録の最初に「食道破裂は胸痛を起こす代表的な疾患」て書かれているけど、代表的どころかまれな疾患じゃないでしょうか?なんか読む人をミスリードするんじゃないでしょうか?書くなら「まれだが胸痛を起こし死亡するリスクの高い疾患」のような表現がよいのではないでしょうか?(知らんけど・・・大阪人風)
以下日記
・本日3/15(月)は、5時27分起床。まず↓の本で朝勉。比較的わかりやすいですが、むずかしい。(ナンジャ?)
岩波データサイエンス Vol.3

岩波データサイエンス Vol.3

  • 作者: 岩波データサイエンス刊行委員会
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2016/6/9
その後、朝食、燃えるゴミ出して午前中はZOOMで因果推論の学習("CAUSAL INFERENCE IN STATISTICS A Primer")。そして昼食摂って出勤。回診と夜間診療です。本日一気に新入院患者さん3名受け持って、なかなかしんどい。まあ、最近結構担当患者さんが少なくて楽させてもらっていたので仕方ないですね。ちなみに楽とは言いましたが、老体には今の仕事(夜間診療や宿直もある)がきついです。で、19時25分帰宅。入浴後夕食。配偶者が岡山の天満屋でやっている北海道物産展へいって買ってきたお弁当(海鮮たっぷり)をたべて苦しいです。これから一つ文献読んで寝ます。明日朝出勤して今日入院された患者さん達がおちついておられればいいんですが...
・ちなみにSNSで山頭火の句のパロディーをつぶやいてみました↓
・分け入って分け入って迷子
・曲がりくねった道で楽しい
・どうしようもない腰痛で歩いている
・ハゲにトンボをとまらせて歩く
・また1本毛が抜ける旅から旅
・すべってころんで腰がギックリ
・金がない時間が無い毛がない一人
これをみた高校時代の友人が「自虐道を究めようとしていますね」とコメントをくれました。今後「自虐道」使わせていただきます。・・・「ヒロシです」のパロディーで「タツヤです」という芸ができないか模索中。まずBGMをなににしようかね。

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