見事な粟粒結核の写真/アルコール在庫一掃計画進行中
ゾクリュウケッカク
[英]miliary tuberculosis
結核菌が大量に血行中に入り,多臓器に播種して多数の結核結節を形成する病態。従来は初感染に引き続いて発症する小児・若年者にみられた早期播種型が多かったが,近年は感染後かなりの時間を経て発症する晩期播種型の比率がかなり高くなっている。晩期播種型はいわゆる日和見感染の1つとして発症することも多い。なかでもステロイド剤や免疫抑制薬投与による発症症例が少なからず認められ,外国ではエイズ患者での発症が問題となっている。臨床症状は全身炎症反応に基づく発熱,食欲不振,体重減少,盗汗などが典型例では認められる。不明熱の一因にもなる。肺病変に関して,胸部X線上では異常所見が認められなくとも,CTで小結節陰影が発見されることもある(写真)。ツベルクリン反応の陽性率は低い。結核菌の検出は喀痰,胃液から60%,骨髄穿刺では16~33%,尿からは14~42%と報告されている。抗結核薬による化学療法が有効であるが,解熱までの期間が1か月以上かかる症例が過半数を占めるとされる。
・で、NEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに典型的な粟粒結核の胸部レントゲン写真がでていたので、シェア↓
縦隔炎こわい/いちおうWebinar終了
ジュウカク
[英]mediastinum
左右の胸膜の袋に挟まれた胸腔の中央部。上は胸郭上口から,下は横隔膜まで伸び,前方の胸骨と肋軟骨から後方の胸椎まで広がる。結合組織は軟らかく,肺と胸膜に弾力があるため,胸腔の動きや容積変化に対応できる。胸骨角と第4胸椎体下縁を通る面よりも上を上縦隔,下を下縦隔という。下縦隔は心膜により前部(前縦隔),中部(中縦隔),後部(後縦隔)に分けられる。上縦隔は胸腺,腕頭静脈,上大静脈,大動脈弓,心膜,横隔神経,迷走神経,心臓神経叢,気管,左反回神経,食道,胸管,椎前筋などを含む。前縦隔は狭く,疎性結合組織,脂肪,リンパ管とリンパ節,内胸動脈の枝を含む。中縦隔は心膜とそれに包まれた心臓を含む。後縦隔は胸大動脈,胸管,後縦隔リンパ節,奇静脈と半奇静脈,食道,食道神経叢,交感神経幹の胸部,内臓神経の胸部を含む。
で、標題にある縦隔炎とは↓
ジュウカクエン
[英]mediastinitis
縦隔を場とする感染・炎症の総称。急性縦隔炎と慢性縦隔炎に分けられるが,急性の方が多い。急性縦隔炎は食道,気管の穿孔,穿通性胸部外傷,胸骨周辺の術後炎症,口咽頭炎症の波及,傍脊椎・脊椎膿瘍,放射線療法,悪性腫瘍などに関連して発症する。多くの場合,病変はびまん性に拡大する。診断の遅れは致命的となる。慢性縦隔炎は線維化縦隔炎,肉芽腫性縦隔炎とも呼ばれる。緩やかに発症する。ヒストプラスマあるいは結核といった感染症によるほか,原因不明のこと,また自己免疫疾患に関連して発症することもある。臨床所見として上大静脈症候群を呈することも多い。
・で、↓のようなレポートがありました。
降下性壊死性縦隔炎は,咽頭感染や歯科領域感染が縦隔に波及し,重篤化しやすく,致死的経過をたどることもある疾患である.今回,当科で縦隔ドレナージ手術を施行した13例の臨床経過について検討した.13例中12例で胸腔鏡下縦隔ドレナージ術を行い,12例は右側胸腔からアプローチした.また,2例は耳鼻咽喉科で頚部ドレナージを施行されたが,その後に縦隔への進展を認め,二期的な縦隔ドレナージ術を要した.術後在院期間は平均46日と長期間を要した.術後に死亡した1例は,診断までに約2週間を要した症例だった.降下性壊死性縦隔炎に対するドレナージ方法やアプローチについては見解が統一されていない部分があるが,早期診断,及び胸腔鏡アプローチによる低侵襲な外科的縦隔ドレナージが生存率向上に寄与すると考える.また,CTによる進展経路の同定により,その後の進行はある程度予測可能であり,術式検討に有効であるといえる.
・何はともあれ早期の診断、疑ったら即CTでしょうね。
以下日記。
・本日9/16(水)は、6時1分起床。朝勉しようとKindleをたちあげSocial Epidemiologyというテキストを読もうと思ったらプシュッと(実際に音がしたわけではないですが)消失。何回やってもKindle立ち上がらず。せっかく勉強しようと思ったのに...しゃーないから日本語のテキストを読みました。そして、資源ゴミ(分別ゴミ)をだして出勤。午前外来、午後もその延長と病棟。本当は午後から有給休暇をとってサッサと病院を出ようとおもっていましたが、14時頃に出る羽目に。まあ、昨日よりははやいか。で、銀行によってから8番ラーメンで遅めの昼食。そして15時15分帰宅。それから最近視聴しているWebinarを2コマ視聴。ただ、うかつにも1コマ目は途中寝てしまったので、明日以降に視聴するつもり。まあ、いちおう20+1コマ全部視聴できました。なかなかしんどかったし、絶対復習いるし。一服後18時から19時過ぎまで、大学院の社会疫学の勉強会、初回。参加者の色んな思いを話しました。次回から本格的な勉強会となる予定。ただ、悲しいことに水曜日。私は夜間診療で、それが長引くと参加できましぇん。
・その後夕食。お腹いっぱいでお風呂は入れないので金曜日に行う呼吸管理の講義の準備。途中お風呂入ってまた準備。それで22時過ぎ。その後冷蔵庫の酒類を一掃するため(当然それまでは購入しないという決意の下)現在アルコール飲みながら、このブログを書いております。もうちょっとしたら歯磨きして寝ます。明日は、午前外来、午後から会議、勉強会、病状説明と詰まっております。
呼吸器症状のあるツツガムシ病/宿直「あけ」眠い
ヒトがツツガムシの幼虫に吸着され,Orientia tsutsugamushiに感染することで発症する。東北地方の河川の流域で風土病として古くから知られていたが(古典型),第二次大戦後,日本各地でも発生が明らかにされた(新型)。古典型はアカツツガムシによって,また新型はフトゲツツガムシとタテツツガムシによって媒介される。最近の患者のほとんどは新型で,古典型に比べて軽症である。症状はほぼ同様であり,高熱,発疹,および特有の刺し口が特徴的である。5~14日の潜伏期の後,悪寒を伴う38~40℃の稽留熱を認め,さらに発疹が出現し体幹から顔面,四肢に拡大する。刺し口の部位の所属リンパ節や全身リンパ節の腫脹を認め,軽度の肝・脾腫を伴うこともある。重症例ではDIC(播種性血管内凝固症候群)や肺炎,髄膜炎,心筋炎などの合併症がみられる。通常は血清学的診断が行われる。治療にはテトラサイクリン系薬が著効を示す。=恙虫病。
・つつが虫病はOrientia tsutsugamushi(以下Ot)を有するツツガムシの幼虫に刺されることで生じる全身性の疾患である.Otを有するツツガムシの幼虫がヒトに吸着し,口吻からOtが注入されたときに感染が成立し,Otが増殖し発赤,潰瘍,痂皮を形成する.Otは血管内膜の炎症をきたし,全身性のリンパ節腫脹を伴う.
・感染から発症までの潜伏期は7〜14日で全身倦怠,食欲不振,頭痛,関節痛などの感冒様の非特異的症状と発熱(38〜40℃),その後体幹,四肢に発疹(不定型紅斑)が出現する.
・疫学的情報である発症「時期」と,感染が示唆される「場所」(野外活動歴)が診断の契機となる.西日本から南東北にかけての本州の広い範囲で秋に,九州南部などでは越冬し春先にもみられるタテツツガムシ媒介性のIrie/Kawasaki,Hirano/Kuroki(以下それぞれKawasaki,Kuroki)型と,東北地方の春先から夏にかけてみられるフトゲツツガムシ媒介性とされるKarp型が代表的な血清型であるが,秋田県雄物川流域に夏季を中心にみられる「古典型」アカツツガムシ媒介性Kato型,さらに媒介ツツガムシ種が未確認のShimokoshi型の報告もある.
・全身疾患であるために臨床像は多彩で,各臓器系統が侵され種々の合併症をきたしうる.発熱,発疹,痂皮という3つの主要症状と,全身倦怠感,頭痛,リンパ節腫脹,比較的徐脈,血小板減少症,肝機能障害,末梢血異型リンパ球陽性の7つの周辺症状,所見から積極的に疑う.痂皮は陰部,腋窩など衣服や下着に覆われた場所や,頭皮,耳孔,臍などにあり容易に見逃される.また痂皮が剥離した跡の潰瘍など,一見非特異的に見える皮膚所見に注意し,生検して遺伝子検査に供する
・↑の説明をみるとあまり呼吸器症状は書かれていませんね。肺炎も起こるみたいですが、希なようです。で、そのまれなcase reportが↓
SSP: 既存のカリキュラムで健康格差の「社会的決定要因 (SDH) 」を教える・学ぶ/Webinar間で蕎麦と寿司
盲腸の蟯虫/Webinar三昧
ヒト,特に小児に高率に寄生する線虫で,世界各地でみられる。成虫は雄2~5mm,雌8~13mmの白色紡錘形で,盲腸に寄生し時に小腸下部にもみられる。雌成虫は成熟すると夜間患者の睡眠中に大腸を下って,肛門外に出て,周辺に約1万個の卵を産み付けて死亡する。卵は約50~30μm,無色の柿の種子形で数時間で感染可能となり,患者の手指,衣類,塵などを介して患者や周囲のヒトに経口感染する。卵は小腸上部で孵化し盲腸に移動し2~3週で成虫となり,雌は約50日後に産卵を行う
今日の治療指針2020の説明(抜粋)↓
・症状は肛門周囲に産下された虫卵の刺激による瘙痒感で,小児では不眠,神経過敏などがみられることもある.消化器症状は少なく,時に虫垂炎の原因になる.
・診断には蟯虫検査用セロファン紙を肛囲に貼付し虫卵を検出する.起床後,排便前に2~3回連続して検査を行うことが必要である.なお,学校保健安全法による低学年児童への蟯虫検査が2015年に廃止されたため,検査を受託する検査会社が近年は少なくなっている.
SSP:季節性インフルエンザワクチン接種時期ご協力のお願い/Webinar3コマ済み、あと1コマ視聴予定
大動脈瘤・大動脈解離について/視聴は大変
遺伝性(家族性)胸部大動脈瘤・解離症は,多系統障害を伴うマルファン症候群やロイス・ディーツ症候群,血管型エーラスダンロス症候群と,多系統障害を伴わない非症候群性・家族性胸部大動脈瘤・解離症に大別される。遺伝子解析技術の進歩により,大動脈瘤との関連性が高い遺伝子が次々と報告されており,マウスゲノム編集技術による新たな疾患モデルマウスが作成され,遺伝性大動脈瘤の分子メカニズムは徐々に解明されつつある。
・最初に述べた何も身体所見がなく、家族歴があるものが非症候群性・家族性胸部大動脈瘤・解離症 familial thoracic aortic aneurysm and dissection: FTAADというものに当たるわけです。(FTAADだけではないようですが)で、動脈瘤のガイドラインが最近どうなっているのかと調べてみたらなんと今年の7月31日に新しいガイドラインがでておりました↓。
2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/07/JCS2020_Ogino.pdf
225ページあるので、当然現時点ではよう読んどりません。ボチボチ必要なところを読んで参ります。
・余談ですが、最近エーラス・ダンロス症候群が以前の7つの分類から、最近は13種類になっていたのですね↓
日本エーラスダンロス症候群協会のWebsite
EDSの国際標準となる新しい型分類
http://ehlersdanlos-jp.net/whats_eds5.html
以下日記
・本日9/10(木)は、5時半に起きたつもりが6時36分でした。朝勉はせず朝食後水島へ出勤。午前中産業医学科外来。午後から玉島へ戻って、回診、会議、健診所見付け、書類作成等行い17時に病院を出て17時半過ぎ帰宅です。帰ってちょっと一服後↑の様なことを勉強し、入浴。で、このブログを書いております。これからちょっと勉強して、夕食。その後今週から視聴している「NDB・DPCデータベース研究人材育成Webinar」の講義を一コマ視聴する予定です。なんせ9/7から9/18の間に20(オープニング・リマークいれて21)の講義を視聴しないといけないので、なかなか大変です。と言うことで、ブログはほどほどにして、go to study(和製英語)。
FYI:新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 診療の手引き 第3版/眠いのに眠れない
A Review
ピンチオフ症候群もどき症候群/こりゃー難儀なNDB・DPCデータベース研究人材育成Webinar
- Q8. CVポートを埋め込むことによって運動は制限されますか?
- ⇒ ヒューバー針が刺さっていないときは基本的には、通常の運動は可能です。どのような運動が可能かはCVポートを埋め込んだ位置にもよりますので、主治医に確認してください。
腹斜筋血腫/タコの口でかえる
まれな特発性左腹斜筋血腫症の1例について報告する. 患者は61歳, 男性. 咳き込んだ後に左季肋部から側腹部にかけて疼痛が出現し, 立ちくらみも伴うようになった. 救急搬入時, ショック状態で, 左側腹部を中心に腫脹と圧痛を認めた. CT画像で左腹斜筋内に血腫を認め特発性腹斜筋血腫と診断した. 造影剤の血管外漏出は認められず, 輸液等で循環が安定したため保存的療法とした. 特発性腹壁血腫は咳嗽などの軽微な外力で生じることがあり, ときにショック状態に陥る. 胸痛や側腹部痛を訴える患者の鑑別疾患として念頭におく必要がある.
・この疾患の注意点は抄録にありますように胸痛の鑑別診断にも考えておかないといけないということと、時にショック状態に陥ることがあるということでしょう。本文中には、「山本らは、医療者における腹壁血腫の診療経験の有無が、診断率の差につながることを指摘しており、的確な診断のためには、本疾患の存在を認知しておく必要がある」と書かれています。で、私はこの論文を読んで認知したわけですが、問題はこの記憶をずっと保持し続けることができるかですね。
以下日記
・本日9/7(月)は5時36分起床。朝勉、朝食、燃えるゴミ出して午前中は大学院の因果推論勉強会。本日は有名なMonty Hall問題をおこないました。基本、場合の数をあげて確率を計算すればよろしいようで。(その他ベイズの公式を使ったり)分かったような、わからなかったような...
・午後から出勤。回診、夜間診療。19時過ぎに病院を出て19時41分帰宅。お風呂入って夕食=先々週パートのDr.からいただいたタコを配偶者に料理していただきました。アヒージョとカルパッチョ、ゆでたこの刺身(と言うのかな?)。ちょっとタコ食べ過ぎたかも。
・その後、日本臨床疫学会の「NDB・DPCデータベース研究人材育成Webinar」を視聴。と行っても本日はオープニング・リマークのみ。明日から本格的に視聴したいと思います。こういうセミナーが無料で視聴できるのがとてもありがたいことです。
・以前、マツコの知らない世界でソフトクリームが取り上げられていました。その中で出演者の方が「ソフトクリームの口」を作るとかいった表現をされておりました。我が家では、あるものを食べるつもりになりきる場合「**の口」という言い方をします。で、本日はタコ料理を食べるつもりで出勤→帰宅したので、私は「タコの口」になってかえって来たのでした。
・本日はすでにお疲れモードなので寝たいと思います。明日は午前外来、午後からは早く帰れたら上記Webinarを視聴したいと思います。