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横隔膜ヘルニアで食事中失神/英語の論文は睡眠薬

・横隔膜ヘルニアとは、『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


横隔膜ヘルニア diaphragmatocele

横隔膜の欠損,組織裂隙の開大に基づき腹腔内臓器(結腸,大網,小腸,胃)が胸腔内に脱出する疾患。先天性か後天性か(外傷の有無)の分類のほか,横隔膜欠損の部位により胸骨後ヘルニア,胸腹膜裂孔ヘルニア,食道裂孔ヘルニアなどに分類される。胸骨後ヘルニア:乳幼児あるいは高齢者で,通常は胸部X線異常陰影発見,真性ヘルニアが多い。ボホダレク・ヘルニア:呼吸困難,チアノーゼで新生児期に発見。食道裂孔ヘルニア:脱出臓器は胃であり,消化器症状で発見。外傷性:急性期と慢性期で発見される。

上の中にあるボホダレク・ヘルニアとは↓


ボホダレク・ヘルニア Bochdalek hernia
[同義語]胸腹裂孔ヘルニア pleuroperitoneal hernia

先天性横隔膜ヘルニアの代表的疾患。生まれつき横隔膜の後方に欠損孔があり,内臓が胸腔に脱出して心臓や肺を圧迫する疾患。多くは出生直後から呼吸困難とチアノーゼで発症する。胸部X線撮影で胸腔内に消化管ガス像がみられる。手術で脱出した内臓を腹腔に戻し,横隔膜の欠損孔を縫合する。病側の肺は低形成のため,術後も長期の呼吸管理が必要となる。(Vincent Alexander Bochdalek,1801-1883,解剖学,チェコ)

・で、本日の標題にあるような症例報告がありました↓


Recurrent syncope while eating: an unusual presentation of a diaphragmatic hernia

Harris KB, Brateanu A. BMJ Case Rep 2020;13:e233641. doi:10.1136/bcr-2019-233641

https://casereports.bmj.com/content/13/4/e233641

・食後性低血圧という病態があります。『医学書院医学大辞典第2版』によると↓

食後性低血圧 postprandial hypotension
[同義語]食事失神 prandial syncope

飽食の後,反射性交感神経性離脱(reflex sympathetic withdrawal)によって生じる低血圧と失神。高齢者によくみられる。高齢者ではさらに降圧薬,血管拡張薬,抗不整脈を服用していることが多いので,失神が生じやすい。

↑の原因の一つとして横隔膜ヘルニアもあるのですね。レントゲンでこういう患者さんをみた場合、食後に失神しないか確認するのが大事ですね。

 

以下日記

・昨日6/1(月)は、5時半前に起きて朝勉、午前中ZOOMで大学院の因果推論の勉強会:モンティホール問題がお題でした。午後から出勤。回診、ご家族との面談、夜間診療、そして宿直でした。まったく暇というわけではありませんでした。寝たのは2日の1時頃。

・本日6/2(火)は、6時前に優しい病棟の看護師さんの電話で起こされました。それから活動開始。シャワー浴びて、朝食摂って、回診。朝礼後午前外来。今日は予約がメッチャ少なくて暇でした。コロナの影響で長期処方しているのとちょうど連休があって予約の日がみだれてしまった影響でエアーポケットですね。おかげで事務的なことができました。午後14時頃病院を出て帰宅。調べ物をしてからZOOMで大学院のcritical appraisal。COVID-19と気温の関係の論文でした。論文を最初に読んだ感想はポアソン回帰でこの関係をみていましたが、本当にこれでよいの?というのが疑問でした。感染症では他のモデルがあるのに。(SIRやSEIR)。その後草抜き。そして、入浴、夕食、飲酒です。(飲酒と書くと李白を思い浮かべます→ 山中與幽人對酌が好き、と言ってもソラでは言えませんが。

・さて、酔っ払っていますが、これから石綿に関する英語論文を一つ読んでから寝ます。英語論文は睡眠薬の代わり、何故か(しらふの時でも)英語の論文を読むと急激に眠くなるのです。






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