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メトヘモグロビン血症と酸素飽和度+オマケ/フライが応えるお年頃

今年の4月18日青柳卓雄という方がなくなられました。この方は1974年にパルスオキシメーターを発明された方で世界の医学界に貢献されたと思います。遅ればせながらご冥福をお祈りします。現在私たちが何気なくつかっている色んな医療機器も様々の方の努力でできたものであり先人への感謝を忘れてはいけませんね。

・私は、パルスオキシメーターを勉強するために↓のような本を読みました。


パルスオキシメーター

パルスオキシメーター

  • 作者: 諏訪 邦夫
  • 出版社/メーカー: 中外医学社
  • 発売日: 2020/07/04
  • メディア: 単行本
・著者の諏訪先生の呼吸器関係の本は何冊かよませていただき、わかりやすくとても助かりました。↑の本も分かりやすかったのですが、その中に酸素飽和度の定義は実はいくつかあると書かれていました。(正確な文言は覚えていませんが)実は、この本読む前から私も酸素飽和度の定義ってどうなっていて、パルスオキシメーターは何を測っているのかなと疑問に思っていました。そんなん簡単じゃんとおっしゃるアナタ、勉強がたりませんよ。(←エラソーにっ)
・今度研修医に呼吸管理の講義をするので自分の知識を整理・裏付けするため現在勉強しておりますが、面白い論文をいくつか見つけました↓
・まずはその導入としてメトヘモグロビン血症についての内科学雑誌の論文↓
SpO2とSaO2の乖離から診断に至ったメトヘモグロビン血症の1例
濱口 愛、他。
日内会誌 106:1468~1472,2017
【要旨】 52歳,女性.水疱性類天疱瘡で加療中にSpO2 88%,SaO2 94%とSpO2―SaO2の乖離を認め,メトヘモグロビン(methemoglobin:MetHb)が9.7%と上昇.内服中のジアフェニルスルホンを中止したところ,MetHbは2.5%と低下し,SpO2 95%,SaO2 97%と改善したため,薬剤性MetHb血症と診断した.SpO2 とSaO2の乖離を認めた際にはMetHb濃度を確認することが重要である.
【ポイント】
・MetHb血症ではSpO2 とSaO2 の乖離を認める.
・ジアフェニルスルホンは薬剤性MetHb血症の原因薬剤となり得る.
・ MetHb血症はパルスオキシメーターでは診断することができず,動脈血液ガス分析を行う必要がある.
・SpO2は洗濯ばさみみたいなプローブを指に挟んで測定するもの、SaO2は動脈血を採血を測定するもので療法とも「酸素飽和度」と言うわけですが、値に乖離があると言うことです。
・もう一つ、わたしが面白いなと思った論文のが↓
全身麻酔を契機に薬剤性メトヘモグロビン血症が判明した一例
橋本 一哉  下薗 崇宏  山崎 和夫
日集中医誌 2015;22:223-4
↑の論文に関する論説、レターがまた興味深いです。
機能的酸素飽和度を知る
倉田二郎
日集中医誌 2015;22:186-7
メトヘモグロビン血症で動脈血酸素飽和度は低下しない
山田宏
日集中医誌 2016;23:183-4.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/23/2/23_183/_article/-char/ja
酸素飽和度に関する混乱
早川 峰司
日集中医誌 2016;23:181-2
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/23/2/23_181/_article/-char/ja
・上で書かれているように酸素飽和度については「定義」がいろいろあって混乱してしまいますね。ちなみに最後のレターの著者が書いているように、手術中にメトヘモグロビン血症がみつかった患者さんですが、そもそもなんで在宅酸素療法が導入になったのでしょうね?
・酸素飽和度と関係ないですが、下のような論文がありました。無料でないので抄録した診ていませんが、こんな論文あるんかいな?と思いました。full textを読んでいないのでなんとも言えませんが倫理的に許されるのかな?
都市伝説を検証する:ボールペンで輪状甲状間膜切開はできるのか?Bystander cricothyrotomy with ballpoint pen: a fresh cadaveric feasibility study
【背景】
専用の器具が存在しないシチュエーションでボールペンを用いて輪状甲状間膜切開術を行う。多くの映画・ドラマで描かれ、医療者の間でもまことしやかに語られるが、実際に可能な手技なのか? ドイツLudwig-Maximilians-University MunichのKisserらは、10体の献体を用い、10名の非医療従事者にボールペン輪状甲状靭帯穿刺が可能かを検証した。
【結論】
3種のボールペンのうち内径が3mm以上であったのは2つであり、この2種を用いて試行が行われた。全参加者が皮膚を穿刺できたが、輪状甲状靭帯または気管腹側を穿刺できたのは1名のみであった(5分間で3度の試行)。
【評価】
市販のボールペンは換気を生み出すには細く、輪状甲状靭帯はボールペンで穿刺するには強すぎるため、この手技は「事実上不可能」である。ボールペンは置き、緊急通報と通常の救命処置に専念すべきであろう。
https://www.medicalonline.jp/news.php?t=review&m=emergency&date=201608&file=20160817-Emerg_Med_J-33-553-E.csv
以下日記
・本日7/4(土)は、7時11分起床。昨日の夕食のコロッケとエビフライがこたえて夜中往生しました。で、朝はあまり食欲なし。バナナと野菜ジュースで済ませました。あと部屋の掃除をして、10時から11時金光町大谷地区の「貸家」を見学に行きました。多分8月からそこを借りて「たまり場」にしていくことになるでしょう。
・見学後は、鴨方町にある水車で有名な麺蔵人というところに昼食。ザルうどん。帰宅してお勉強とお片付け。お昼寝。早い入浴と夕食。昨日のフライが応えていてアルコールを摂取する気になれません。そしてこのブログ書いて、あともうちょっと勉強して寝ます。
・本日のBGMは↓でした。
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