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胸痛の原因の一つTietze症候群/神の啓示のキャッチフレーズ

私は、気管支喘息や肺気腫、じん肺等の呼吸器系疾患の患者さんをよく診ていますが、結構胸痛の人もみています。胸痛の一因として胸壁の痛みがあるのですが、標題のTietze症候群も胸壁の痛みを起こすものといわれているのですが、私、今一その疾患概念が分かっておりません。一応『医学書院医学大辞典第2版』では↓の様な説明がなされています。

ティーツェ症候群
ティーツェショウコウグン
[英]Tietze syndrome

1921年にティーツェ(Alexander Tietze,1864-1927,外科,独)が上部肋軟骨部に発生する有痛性疾患として記載したものである。第2~5肋骨の肋軟骨移行部に好発する。自発痛,圧痛があり,熱感や発赤はなく,非化膿性で,良性の腫脹を示す。成人に多い。本態は不明である。疼痛の強いものには対症的治療を行う。多くは自然に治癒する。
・で、本日読んだ文献が↓。結構疾患概念が曖昧だということがわかりました。(と理解したのですが、それでよろしいですよね)
Tietze症候群:リウマチ性疾患と鑑別が必要な骨格症
中村正

Clin Rheumatol Rel Res, 32: 260~268, 2020




抄録

 

 胸痛はありふれた症候で,いわゆるTietze領域に痛みを指で指し示すことができる範囲に腫脹と圧痛を認めればTietze症候群を疑う.一般に,第2・3胸肋関節や肋軟骨あるいは胸鎖関節などの領域に限局した疼痛と腫脹を伴う良性疾患の非化膿性病態で,原因は不明である.同部位の圧痛を来たす疾患の一群に,関節リウマチ,強直性脊椎炎,反応性関節炎,乾癬性関節炎などの脊椎関節炎,SAPHO症候群などのリウマチ性疾患がある.現状ではTietze症候群は独立した疾患とは考えにくく,ある種の全身性疾患や局所性疾患の異質な病態のひとつであるか,または特定の疾患の進行過程の一変化である可能性が高い.従って,リウマチ性疾患に関連したTietze症候群様病態への注意深い検討が望まれる.さらに,これらのリウマチ性疾患の炎症病態における標的分子が明らかになりつつあり,Tietze症候群の治療において分子標的薬の治療選択肢が広がる可能性がある.リウマチ性疾患を鑑別診断する過程でTietze症候群の再認識が求められ,今後の更なる症例集積や病態生理の解明が期待される.

・本文中で鑑別診断の表がありますが、参考になります。表3の胸痛の原因に、食道破裂はとってもまれだとは思いますが入れといた方がよいし、肺癌などの腫瘍性病変も考えないといけませんわな。

 

以下日記

・昨日2/17(水)は6時30分起床。出勤して午前外来、午後回診、おくれてカンファレンスに参加。夜間診療、そのあと御家族に病状説明、19時半から21時まで玉南医懇という開業医さんとの勉強会。帰宅は21時40分過ぎでした。風呂入って、遅い夕食とって勉強せずに寝ました。(寝ながら『吾輩も猫である』をちょっと読みました)

・本日2/18(木)は6時18分起床。突然神の啓示のように「気持ちは20歳、体は80歳」というキャッチフレーズが思い浮かびました。それに続けて、「併せて100歳すごいだろー」それにツッコんで、足すことに意味ないだろーっ!受けるかな?で、ちょっとだけ朝勉して水島へ。午前中産業医学科外来、午後手話通訳者さんの頸肩腕障害健診して玉島へ。回診、退院手続き、御家族への病状説明とかなりタイトでしたが17時過ぎには病院出ることができました。で、18時から19時半まで久留米大学のバイオ統計センター公開セミナーをZOOMで視聴。それから入浴、夕食。たまたまTVで「モニタリング」をしていてちょっと見てしまいました。


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