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アミオダロンと甲状腺機能低下症/多くの日本人に永瀬隆さんを知って欲しい

・アミオダロンという薬は、その添付文書の最初の赤字の部分見ただけで、私が処方したらいけない薬だと思うし、実際怖くてよう処方しません。その添付文書が↓




この中の甲状腺に関する副作用が本日のお題ですが、上記添付文書の「重大な副作用」のところには↓のようにかかれています。



甲状腺機能亢進症、甲状腺炎、甲状腺機能低下症(頻度不明):甲状腺機能亢進症、甲状腺炎、甲状腺機能低下症があらわれることがあり、甲状腺機能亢進症及び甲状腺炎においては致死的な場合も報告されている。甲状腺機能検査を行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤投与中だけでなく、投与中止後数ヶ月においてもあらわれることがあるため、本剤投与中だけでなく投与中止後数ヶ月においても、甲状腺機能検査を行うこと。

・で、添付文書に頻度は不明とかかれていますが、メーカーのサイトを見てみると甲状腺機能低下症の頻度は20%程度とかかれていました↓

副作用の早期発見のために:甲状腺

https://med.toaeiyo.co.jp/contents/amz-manual/amz-manual10.html

・何かすごい頻度だなと思ったのですが、診断基準の問題もあるみたいです。↓のような論文がありました。

アミオダロン服用中の甲状腺機能に関する検討
心臓 45巻(2013)9号
藤原雄太、他。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/45/9/45_1101/_article/-char/ja
抄録

背景:アミオダロンはヨードを大量に含有するため,甲状腺機能異常をしばしば起こす.さらに末梢および下垂体でサイロキシン(thyroxin;T4)の代謝と甲状腺刺激ホルモン(thyroid stimulating hormone;TSH)分泌に影響するため,甲状腺機能の正確な解釈が困難になる.対象:2009年6月から2010年6月までにアミオダロンを1カ月以上処方されていた341名を対象とした.方法:対象患者の2003年1月から2010年6月までの甲状腺機能検査結果を調査し,また診療録より臨床的特徴を検討した.結果:測定キットの正常域では血中FT4とTSHはともに高値となり解釈不可能な異常値を呈する症例が多数あったため,両者の分布に基づき基準域を1.0≦FT4<2.4 ng/dL,1.0≦TSH<20.0 µU/mLと設定した.機能低下症例は疑いを含めて34名(10.4%)認めた.中毒症例は17名(5.2%)認め,type 1(機能亢進)例はなく,ほとんどの例がtype 2(破壊性)であった.死亡例とバセドウ病合併例を認めた.考察:アミオダロン治療中には甲状腺機能低下症も破壊性中毒症も高頻度に発症するが,軽症例では通常の正常域を用いて正確な診断を行うことは非常に難しい.アミオダロンによるT4代謝とTSH分泌への影響が大きく,甲状腺機能解釈時には従来の正常域にとらわれず本病態を考慮した特別の基準域を用いたほうが甲状腺機能を正しく評価でき,適切な対応が可能になると考えられる.

・で、本日のお題は↓のLancetのレポートを読んで調べてみたからです。なので、これが本日のメインディッシュです。

Amiodarone and hypothyroidism

Grigorios Christidis, Frank Lammert, Marcin Krawczyk

Lancet 2021; 397: 704

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(21)00204-X/fulltext

この中で鑑別診断があげられており、勉強になりました。広くdrug-induced thyroiditisという考えで鑑別を考えたらよろしいようで。

cf. 薬剤による甲状腺障害日内会誌 99:776~785,2010

https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/99/4/99_776/_pdf

 

以下日記

・本日2/21(日)は6時27分起床。10時まで主にsocial epidemiologyを読んでおりました。10時頃家を出て病院へ。外来で電子カルテで1時間ばかり事務作業のみしておりました。その後うさぎや倉敷西店へ。メインの目的はモンブラン(ケーキでは無く万年筆)のインクを買いに。その後コープ倉敷北店へ。お昼ご飯にお店の外で売っていた焼き鳥?を食べました.13時から15時半「おかやまコープクラブ平和とくらし」というところが主催している「平和と暮らし展」での映画上映を観ました:『クワイ河に虹をかけた男』

https://www.ksb.co.jp/kuwaigawa_movie/

永瀬さんの名前は知っていたし、贖罪と和解の活動をされているというのも知っていましたが、実際どのようなことをされているのかは知りませんでした。実は、いつかそれついて学ばないといけないと思っていたのですが、ちょうどfacebookの「お友達」が広報してたまたまそれを観たので、この機会を逃してはいけないと観に行きました。本当にすごい人で、中村哲先生をすぐに連想しました。本来彼がしたことは日本政府がしなければいけないことなのに。

・映画鑑賞後COOPで買い物して天草公園までもどり3kmくらいウォーキングして帰宅。汗をかいたので早めにお風呂に入って夕食:カレーです。いつものように①そのまま②生卵③ウスターソースをかけていいただき、いつものように苦しんでおります。

・そろそろ寝にいきます。明日は早起きしてきちんと勉強したいと思っております。

 


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