ダメージジーンズの犠牲者/苦しくもあり,楽しくもあり、でも苦しい
・熱心な読者なら覚えておいででしょうが、以前fashon victimsという言葉をご紹介しました。直訳したらファッションの犠牲者ですが、ウィズダム英和辞典の訳は「(くだけて)(似合わなくても)流行を追う人」、リーダーズ英和辞典も似たような訳で「似合わないのに流行ものを身につけている者、ファッションの犠牲者[被害者]とあります。しかし、以前とりあげたように、アパレル業界で働く労働者(とくに、発展途上国)が衣服製造の過程で健康を害するという意味です。
・ネットを見ると簡単にできるダメージジーンズの作り方なんていうサイトがいっぱい出てきますが、有名ジーンズの企業は、サンドブラストをつかってダメージジーンズを作っていたのです。(過去形でかいていますが、ひょっとしたら今でもそうしているかも)その、サンドブラストの粉塵のため塵肺を起こして若くして亡くなる労働者が多発しました。(これも過去形でかいていますが、今も発症している?)で、私はそのような知識は知っていましたが、ほとんどその現場の写真を見たことがありませんでした。今回、Mother Jonesという「雑誌」のサイトでその作業現場の写真をみつけたのでシェア↓
Fashion Victims
You might think sandblasted jeans are trendy. Too bad they’re also making workers sick.
・この問題をあつかった医学論文はいくつかありますが、代表的なもの(と、私が勝手に考えている)のが↓
Silicosis in Turkish denim sandblasters
Metin Akgun, Arzu Mirici, Elif Yilmazel Ucar, Mecit Kantarci, Omer Araz, Metin Gorguner
Occupational Medicine, Volume 56, Issue 8, December 2006, Pages 554–558, https://doi.org/10.1093/occmed/kql094
【Abstract】
•Background Sandblasting of jeans in small Turkish workshops has recently been recognized as a cause of silicosis.
•Case series Between August 2004 and March 2006, we admitted 16 young men with a history of working in small workplaces producing sandblasted jeans. Of these, 14 presented with respiratory symptoms and the remaining two through awareness of their work colleagues. In the first two cases, open-lung biopsy was required to confirm the diagnosis of silicosis. Later cases were diagnosed through a combination of their work history and the clinical and radiological findings. The mean age at presentation was 23 years with mean duration of employment as a sandblaster being 3 years. The first two cases died and the remainder, except two, are still receiving treatment.
•Conclusion The production of sandblasted jeans in small uncontrolled workplaces may entail significant exposure to silica and the development of rapidly fatal silicosis. Urgent action is required to prevent further cases and mortality.
以下日記
・本日8/9(火)は5時50分起床。朝勉(『総合内科マニュアル第二版』を読む)して、出勤。午前外来でしたが、早く追われました。昼食とって病棟回診して、15時11分帰宅です。(火曜日の午後は働く契約はしておりません)あとは、ひたすら学位審査の準備。やってもやってもおいつきません。なかなか苦しいのですが、あらたな学びもあります。本日最初にかいたお話も今回の準備のための勉強、調べ物で得たものです。苦しいけど、楽しいですね。しかし、仕事もしながらなので、やはり苦しい。学生のみの「身分」なら、どんだけ楽か。しかし、それならあまり身をいれないかも。私は、なんせケツに火がつかないと何事もできないタイプなので。
・今日はかなりおそくなりましたので、これから寝ます。