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足だけのバチ状指/疲労困憊

バチ状指(ばち指)とは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓



ばち指
clubbed finger
指先がばち状に膨れ爪が手掌側へ丸くなる所見。右左シャントを伴う先天性心疾患,低酸素血症を生じた肺疾患など中枢性のチアノーゼ例にみる。感染性心内膜炎発症から数週後にみることもあるが,一般的には中枢性チアノーゼ例で数年後に出現する。
医学書院の『内科診断学』では↓
 示指で,末節骨部分の厚みが遠位指節間関節部の厚さよりも大きい場合と定義される.健常者では爪と爪甲基部がつくる爪郭角が160゜以内であるが,ばち状指(clubbed finger)では爪甲基部が盛り上がるために爪郭角が拡大し,あたかも指趾が太鼓ばちのような状態になっている
『南山堂医学大辞典第20版』では↓
ばち状指[ばちじょうゆび]
[同]ヤモリ指、鼓桴(「こふ」とよみます。太鼓のバチのこと)状指、時計皿指
中枢性チアノーゼ(右-左短絡(逆短絡)を有する先天性心疾患や低酸素症を伴う肺疾患)や感染性心内膜炎における特徴的所見である。感染性心内膜炎発症後2~3週間で形成される場合もあるが、多くは中枢性チアノーゼが2~3年続いた後で発現する。ばち状指はまた多くの化膿性疾患、肺腫瘍や胆汁性肝硬変、局所性腸炎などの消化器系疾患においてもみられることがある。さらに意味のない家族性の発現もある。動脈中の酸素減少に伴って、毛細血管の数が増加し、広範な動静脈瘤を通る血流が増加する結果、指趾の末節端に結合組織の増殖がおこり、太鼓のばち状に腫大する。重症例になると骨の変化(肺性肥厚性骨関節症hypertrophic pulmonary osteoarthropathy)をきたす。これらの変化は末端指節にみられるのが普通であるが、まれに手根、肘、膝に及ぶこともある。一側の指のみの変化は、大動脈瘤が一側の腕の血流を障害するとき、まれではあるが起こり得る。
前置きが長くなりましたが、Lancetのそのばち状指が手にはなくて足にだけある症例の報告↓
No clubbing in the fingers, only in the toes: patent ductus arteriosus and reversed shunting
Vijayan Ganesan, Viswanantha Kartik, Ajay Alex
THE LANCET   VOLUME 400, ISSUE 10351, P522, AUGUST 13, 2022
  ・この報告のポイントは、Clubbing usually involves both the upper and lower limbs in congenital heart diseases. Differential clubbing, characterised by the involvement of the toes with sparing of the fingers, is a distinctive feature of PDA with reversed shunt from right to left: Eisenmenger syndrome. ということですね。
・しかし、私は通常の診察では手はみても足のばち状指を確認したことがありません。今度から確認いたしましょう。(覚えていたら)
以下日記
・本日8/12(金)は、5時30分起床。朝勉はアルコールと胃がんの論文を確認していました。早めに病院へ行って病棟よって朝礼出て午前外来でした。午後からは回診の間に講義2つ、Lewy小体型認知症とCOPDについて。その後入院患者さんの退院処理。もう何か頭が働かなくなり、集中力無し、何をしているか分からず、眼も疲れてきました。帰宅は169時5分でした。ネコたちに餌をやりに行って、入浴、夕食。アルコールを飲んでいます。今日はもう勉強はせず21時台に寝たいと思います。その分明日は早起きしたいと思います。

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