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肝・胆道系酵素があがらない胆嚢腫大は胆嚢捻転を思い浮かべるべきか?/今日はほぼ平穏でした

胆嚢捻転とは、『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


胆嚢捻転
gallbladder volvulus
胆嚢は通常肝床に一部固定されているが,この固定が不十分な時に,胆嚢が動いて捻転を起こし急性腹症の原因となる。捻転が解消しない場合は手術が必要である。
・これは、まれな病気みたいで私の手元にある『南山堂医学大辞典第20版』や『ステッドマン医学大辞典改定第6版』には載っておりませんでしたしたし、UpToDateにも載っていませんでした。なので、多分かなり希な疾患なのでしょう。で、NEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICNEに↓のようなレポートがありました。
Gallbladder Volvulus
Tina Tian, Horacio Hojman
N Engl J Med 2022; 387:640
DOI: 10.1056/NEJMicm2118625
・本文読んでいて気になったのは、血液検査は正常だったということ。胆石、胆嚢炎なら肝・胆道系の酵素があがるので、ひょっとしてこれば鑑別診断に役に立つのでしょうか?で、↓のような日本語論文もみてみました。
胆嚢捻転の5例
水戸 正人, 田中 亮, 小柳 英人, 畠山 悟, 田中 典生
日本臨床外科学会雑誌 77 巻 (2016) 8 号
【抄録】

胆嚢捻転の臨床的特徴を明らかにするため,2006年1月より2015年5月までに当院で手術を施行した胆嚢捻転5例を後ろ向きに検討した.男性1例・女性4例で,年齢中央値は85歳(83~92歳)だった.2例はCTで術前診断が可能で,3例は経皮的胆嚢ドレナージが行われたのちに血性胆汁排液を認めたため手術の方針となった.経皮経肝的胆嚢ドレナージは遊離腹腔を介して挿入された2例を含んでいたが,術中所見で腹腔内への胆汁漏出は認めなかった.CT所見では,全例で結石嵌頓を伴わない胆嚢腫大と単純CTにおける胆嚢粘膜の高濃度化を認めた.胆嚢管の偏位を3例で認め,胆嚢管の捻じれによる頸部の高吸収腫瘤像は1例で認めた.4例に開腹胆摘を,1例に腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行された.胆嚢捻転の診断にはCT画像診断が有用である.また,胆嚢ドレナージによる胆汁性状も有力な所見であり,診断の一助となる.

・↑の論文では、血液検査に関してCRPしか言及していません。肝・胆道系酵素が上昇しているのかどうか分かりません。

・↓の論文は、肝胆道系酵素が上昇していなかった例。

胆道/23 巻 (2009) 2 号

胆嚢捻転症の1例

北島 知夫, 赤司 有史, 山口 泉, 北島 正親, 大久保 仁, 井上 啓爾, 小原 則博, 前田 潤平

【抄録】胆嚢捻転症の1例を経験した.胆嚢捻転症は,特異的な症状に乏しく比較的希な疾患であるが,画像診断の進歩により術前診断例も増えてきている.一方で,捻転により血行障害を来し,壊死性変化が急速に進むこともあり治療は緊急を要する.症例は高齢の女性で,急性胆嚢炎症状で発症し,手術時の所見で胆嚢捻転症と診断した.360°の捻転を呈する完全型の胆嚢捻転症で壊疽性胆嚢炎に陥っていた.胆嚢捻転症においては,高齢の痩せた女性に多いなどの特徴的な疾患背景や画像所見上,著明な胆嚢腫大に胆嚢管の先細り様の途絶や渦巻き像の描出などがないかを念頭におき診療にあたることが重要であると考えられた.また,胆嚢捻転症の根本は遊走胆嚢であることから,治療に際しては胆嚢穿刺は控え,緊急での手術,特に腹腔鏡下胆嚢摘出術の良い適応になると考えられた.

・↑の本文中に「急激な右季肋部痛, 腹部腫瘤の触知に対し,黄疸・肝機能障害の欠如した炎症反応陽性,保存的治療で改善しないなどの特徴がある」とかかれています。こういった場合胆嚢捻転を頭に思い浮かべないといけませんね。一応、『急性胆管炎・胆嚢炎診療ガイドライン 2018』の中の「表9 急性胆嚢炎の鑑別診断」に、この病名は入っていますが...

 

 

以下日記

・本日8/19(金)は、6時起床。朝勉というか、ブルーバックスの筋肉トレーニングの本を読みました。で、出勤。午前外来、午後回診の合間に産業医面談。17時になったら即病院をでようと思っていましたが、夕方私の患者さんが入院希望で臨時に来院され対応。でも、18時9分と早めに帰宅できました。例によってネコたちに餌やって入浴、夕食。アルコールを飲みました。で、ちょっと勉強してこのブログを書いております。もう、(と言っても22時近い)寝ます。明日は、久々に岡大(鹿田)へ行きます。


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