咳の合併症はいろいろあるが、神経根症も/若い看護師さんに大丈夫かと言われる
Cough Radiculopathy: Postinfectious Cough-Related Acute Lumbar Radiculopathy
Case Report | Open Access
Volume 2020 |Article ID 2360854 |Abstract
Cough is a protective reflex of airways and lungs. Cough may result in several complications. Postinfectious cough is a cough that begins during an acute respiratory tract infection, usually is self-limited, and is due to airway hyperresponsiveness as a result of airway inflammation. Cough radiculopathy has been once reported by Torrington and Adornato in the form of acute cervical radiculopathy. This is a case of acute lumbar radiculopathy as a result of postinfectious cough. Literature review did not show a similar case.
・↑の文献によると過去頸部の神経根症のレポートはあるが、腰部はこれが初めてとのことです。ちなみに↑の論文で引用されている咳の合併症の表はお役に立つと思います。
↑の表はR. S. Irwin, “Complications of cough,” Chest, vol. 129, no. 1, pp. 54S–58S, 2006.からの引用です。上の表をみると咳で色んなことがおこるんだなあと思います。脳の空気塞栓はそういえば、そういうレポートもあったなあと思い出させていただきました。
以下日記
・昨日2/15(月)は、ゆっくりと7時起床。午前中はZOOMで因果推論の勉強会。午後から出勤して、回診、夜間診療、宿直でした。幸い救急搬入はなかったし真夜中に起こされることもありませんでした。でも、なかなか寝付けない。オマケにナイトメア、熟睡感皆無。
・本日2/16(火)は、直室で6時46分起床。シャワー浴びて朝食摂って、病棟よって午前外来。外来は落ち着いておりました。午後は、病棟業務や書類の処理がいっぱい。しかし、宿直明けでつかれていて効率悪し。病棟ではPCの前でウトウトというかボーとしていたので、若い看護師さんから先生大丈夫ですからと言われてしまいました。(チコちゃんでなくてよかった)で、本来早く帰るはずが15時50分くらいに病院出て、16時からの大学院のcritical appraisal(ZOOM)には見事遅刻。帰らずに病院で参加すれば良かった。(ZOOM参加の道具・・・ツールというのか・・・がなかったけど)17時過ぎにcritical appraisal終わってちょっと勉強して、入浴。そして夕食。アルコールをいただきました。で、いまグデングデン。ショスタコーヴィチきいてますが、そろそろ持っているCDは全部きいているので今度はショパンの100曲聞きましょうかね。
・これから寝にいって、もし可能なら「吾輩も猫である」をよみましょうかね↓(新潮社とは全くCOIはありません)
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COVID-19ワクチン関連資料/勉強、饂飩、草刈り、アルコールの1日
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Understanding and Explaining mRNA COVID-19 Vaccines・・・CDCのサイトです
Length and weight of very low birth weight infants in Germany at 2 years of age: does it matter at what age they start complementary food?
嚥下障害の原因に血管病変も忘れずに。 Kommerell's Diverticulumのはなし/老老介護大変
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胸部大動脈瘤で前胸壁の静脈の怒張/治療は医者のためではありません
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間欠性跛行の原因として膝下動脈捕捉症候群も/本当にバカだと思った自分に驚く
[ラ]dysbasia intermittens
ある一定の距離を歩くと歩行困難となり,休息により回復するが,再び歩き続けると同様の現象が生じ歩行持続困難となるというエピソードを繰り返すもの。原因病態として動脈性・馬尾性・脊髄性がある。動脈性間欠性跛行は,閉塞性動脈硬化症やバージャー病などで生じ,下肢の虚血性筋痛と筋力低下により歩行困難となる。馬尾性間欠性跛行は腰部脊柱管狭窄症による馬尾神経圧迫による場合が多く,下肢の異常感覚や疼痛の拡大・増悪と筋力低下により歩行持続困難となる。この場合馬尾神経の圧迫が増強する立位や腰椎伸展位の持続のみでも症状が生じ,坐位や腰椎屈曲位で症状が軽減する。脊髄性間欠性跛行は脊髄虚血によるもので,脊髄動静脈奇形などでみられる。
[英]popliteal artery entrapment syndrome
腓腹筋内側頭に対する膝窩動脈の走行異常により,膝窩動脈が機能的に閉塞され下肢の血行障害を生じる稀な先天性疾患である。膝窩動脈の走行異常以外,腓腹筋内側頭の付着部異常,膝窩筋による圧迫,膝窩を横断する線維束や筋膜による圧迫などが原因となる。スポーツ歴を有する男性に多い。虚血状態を中心とした症状を起こす。初期には膝伸展・足関節背屈位にて末梢動脈の拍動消失がみられ,下腿の疼痛を伴った間欠性跛行が主な症状である。CT,MRI,動脈造影などで膝窩動静脈の異常分離,動脈の内方偏位や閉塞所見をみる。治療は,圧迫している線維束や筋膜の切離,筋肉走行の再建でよいが,動脈が閉塞しているときは血管の再建を行う。
症例1:53歳男性.右下肢間歇性跛行を主訴に近医を受診した.ABIの低下はなく,下肢超音波で右足関節底屈時に下腿動脈血流の低下を認めた.造影CTで右膝窩動脈に限局性の狭窄を認め,腓腹筋内側頭が膝窩動静脈間を走行しており,膝窩動脈捕捉症候群と診断した.手術は,腹臥位で膝窩後方からアプローチした.手術所見上,腓腹筋内側頭と外側頭,膝窩動静脈の位置関係から,Delaney分類II型と診断した.腓腹筋内側頭は大腿骨付着部で切離した.膝窩動脈の狭窄部は,内膜肥厚が軽度で,白色血栓の付着を認めたため,血栓除去のみ行った.症例2:37歳男性.左下肢間歇性跛行を主訴に近医を受診した.ABIは左下肢で0.76と低下し,造影CTで左膝窩動脈に限局性の造影欠損を認めた.左膝窩部では細い腱が膝窩動静脈間を走行しており,下肢MRIでも同様の所見を認め,膝窩動脈捕捉症候群と診断した.手術は,腹臥位で膝窩後方からアプローチした.腓腹筋内側頭の走行異常は認めなかったが,膝窩動脈背側を覆う硬く薄い線維性結合組織を認め,造影所見からDelaney分類IV型と診断した.膝窩動脈の閉塞部は内膜肥厚が著明であったため,同側の大伏在静脈を用いて置換した.今回われわれは,異なる病型と動脈の閉塞様式をもつ2例の膝窩動脈捕捉症候群に対して,それぞれに適した術式を選択し,治療する経験をしたので,文献的考察を加えて報告した。
顔面の接触性皮膚炎を疑った場合上大静脈症候群も鑑別診断に/2.5人称とエンパシー
上大静脈の閉塞や有意狭窄によって生じる上半身の静脈圧の上昇で,頭部,顔面,上肢,頸部および上半身のうっ血を来す症候群。1757年ハンター(Hunter W)によって初めて報告されたが,近年肺癌発生頻度の増加とともに本症候群の罹患頻度も増加している。原因として肺癌(特に右上葉に発生したもの),縦隔腫瘍,縦隔炎,胸部大動脈瘤,血栓性静脈炎,ベーチェット病などが挙げられる。最も頻度の高い右肺癌では,右傍気管支リンパ節や前縦隔リンパ節への転移で生じ,肺癌の約15%に認められる。本症候群では,脳静脈圧上昇により抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌が促進され,水分,Naの排泄障害がみられ,脳脊髄循環にも悪影響を与える。
機械に挟まれたり重いものの下敷きになったりして胸部を強く圧迫され,上大静脈の閉塞や狭窄により上半身の静脈圧の上昇を生じ,そのために頭部,顔面,上肢,頸部および上半身のうっ血を来す症候群。眼球結膜,眼瞼結膜,顔面の溢血点が特徴的である。胸部圧迫が短時間であれば予後は良いが,長時間に及ぶと心停止を発症し重篤となる
68歳,女性.初診約1ヶ月前から両眼瞼の腫脹を認め,顔面の発赤腫脹も生じ始めたため,当科へ紹介受診した.顔面は全体に腫脹しびまん性の紅斑を呈し,両手には鱗屑を付着する紅斑を認めた.草むしりなどの雑用という職歴から接触皮膚炎を疑い,ステロイド外用剤と抗ヒスタミン薬を処方した.1週間後の再診時,顔面の腫脹は著明に増悪し,両側頚静脈が怒張していた.上大静脈症候群を疑って,造影CTを施行したところ,縦隔に5cm大の腫瘤を認め,腫瘤は上大静脈に浸潤し,上大静脈内腔は高度に狭窄していた.また多発肺転移を疑う結節が散見された.縦隔腫瘍に伴う上大静脈症候群と診断した.直ちに放射線治療を行い,顔面の腫脹は改善した.解剖学的に生検が困難だったためカルボプラチンとパクリタキセルの化学療法を行い,腫瘍縮小後,縦隔腫瘍切除術を施行した.組織検査より乳癌の縦隔転移と診断した.その後,縦隔で再発し,初診から7ヶ月後に永眠した.顔面の腫脹に頚部,上肢などの表在静脈の怒張を伴った場合は,上大静脈症候群を考え,確定診断のために造影CTを行う必要がある.上大静脈症候群の原因が縦隔腫瘍の場合,オンコロジック・エマージェンシーとして急死の可能性もあり,放射線治療を始めとした早急な対応が必要である.上大静脈症候群は,皮膚科を受診する可能性も稀ながらあり,念頭になければほとんど診断は不可能であるため,皮膚科領域でも忘れてはならない病態であると考え報告する.
本文より、皮膚科が当初上大静脈症候群をどのような疾患と診断していたか↓
調べ得た限りでは本邦皮膚科からの上大静脈症候群の報告例は自験例を含め41例と決して多くない.このうち初診から明らかに上大静脈症候群疑われたのは 8 例のみで,多くは皮膚筋炎,血管性浮腫,アレルギー反応,薬疹などと診断されていた。
そして↓ということです
顔面,頚部,上肢の持続性の腫脹,紅斑をみた場合,本症を念頭におき,頚静脈や前胸部の表在静脈の怒張を確認することは本症の診断に至る上で重要
・私も瞼や顔が腫れぼったいと訴えられたら頸静脈や前胸部を見るようにしましょう。
以下日記
・本日2/6(土)は、6時20分起床。朝食後8時過ぎから10時半くらいまでアスベストについてお勉強。その後庭の草抜きして昼食。その後ちょっとたまっていたしんぶん赤旗日曜版を読んでおりましたが、やっぱりいろいろ面白い。私が好きなのは色んな人のインタビューやエッセイ。その中でいろいろ参考になる名言がでております。柳田邦男氏の「いのちに2.5人称の視点」、千住博氏(松本幸四郎さんからの孫引きですが)「好きだから悩む。目標もできるんだね。」、ブレイディみかこ氏の「エンパシーとは、自分と違う立場の人や、まったく賛成できない人のことでも、どんな心情なのか、想像してみること」。ホンマ、自分はエンパシーたりんわ。
・夕方配偶者と倉敷市にある香洛園に焼き肉食べに行きました。久々に(かな)カルビ食べて旨かった。しかし、夜中に腹具合がわるくなるかも。で、お風呂に入りたいのですが、お腹がいっぱいで動けないので、このブログ書いています。もうちょっとお腹がおさまるまで、「アカニチ」(赤旗日曜版)読みます。
手術と金属アレルギー/口からやってもうた
心臓血管外科手術において体内への人工物留置は頻繁に行われる.人工物には金属成分を含有するものが多く,金属アレルギー患者に対する使用は注意を要する.症例は58歳男性でニッケル,クロム等複数の金属アレルギーを有していた.この患者に僧帽弁置換術と冠動脈バイパス術を予定し,術前に皮膚科と連携し人工物の含有金属の確認と使用予定機材を用いたパッチテストを行い綿密な治療計画を練ることで周術期に問題なく経過することができた1例を経験した.金属アレルギー患者に対しては術前にアレルゲンの同定,また使用可能なデバイスの選択が重要である.
・本文中にありますが、待機手術ならまだよいですが、緊急手術の時は困りますね。これは現在の医学の限界ですよね。
以下日記
・本日2/5(金)は、6時半起床。朝勉して水島へ。仕事ではなくて自分の健康診断のため。以前は肺機能検査、腹部エコーもありましたが保険者がかわって一般的な検査(採血、採尿、便、胸写、心電図)に加わっているのは胃カメラのみ。で、本日の最大のイベント胃カメラを飲んだわけですが、思いっきり失敗しました。本来鼻からいれてもらえばよいものを、問診された看護師さんに「前回口からしていますけど、口からでイイですか?」と訊かれて、ぼーとしていたのかつい「ハイ」といってしまいました。そこは鼻からだろーと一人ツッコミ。「男に二言は無い」ので苦しいのに口から胃カメラいれてもらって、鼻水と涙と唾液をしっかり流しました。患者の立場に立つとはまさにこのこと。(ではない)まあ、失禁はせずに無事終わり何と10時頃には健診全て終了。それから玉島へ戻って18時前までずっと仕事でした。(17時になったらサッサと帰ろうと思っていたのに)
・帰宅して入浴、夕食。チャンポン鍋。2月は祝杯月間ということにして本日もアルコール摂取。ベルギービール1本飲んだら、ヘロヘロ。しかしめげずに響を次に飲みながらこのブログを書いております。21時になったらGoToBedです。