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気管支漏/筋肉にプチプチ70人以上針を刺す

標題は気管支「漏」であって、「瘻」の間違いではございません。英語(?)ではbronchorrheaです。『医学書院医学大辞典第2版』と『南山堂医学大辞典第20版』には、この言葉はなくて『ステッドマン医学大辞典改定第6版』で、「気管支粘膜からの粘液の過剰分泌。薄い痰の大量の産出を伴う。多くの場合、気管支肺胞癌か肺胞蛋白症による」と説明されています。で、↓のようなレポートがありました。


Massive Bronchorrhea
Yu Kurahara
Internal Medicine Volume 60 (2021) Issue 13
https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/60/13/60_6602-20/_article
・↑の患者さんは、1日150~200mLくらい痰が出ていたとのことです。原因は、非小細胞肺癌に結核が合併したもの。
・bronchorrheaを「定義」した最初の論文が↓

  Postgraduate Medical Journal(March1971)47,171-177.


Biochemistry and rheology of sputum in asthma


E.E.KEAL




この中で、↓のように述べています。


  In chronic bronchitis or in asthma it is unusua  lfor patient s to produce more than 25ml of sputum in 24hr(Miller,Tinker&Fletcher,1965;Ashcroft,1965)but occasionally either condition may be associated with a profuse bronchorrhoea-defined in this stud y as more than 100ml of sputum daily.


一応この研究では1日100mLと「定義」したということです。なので、病態として考えるのに100mlにこだわる必要は無いと思います。『ステッドマン医学大辞典改定第6版』の説明にも痰量は入っておりませんね。

・bronchorrheaといえば、わたしはまず気管支喘息を思い浮かべますが、上述のように粘液性腺癌や肺胞タンパク症も考えないといけませんが、気管支拡張症も考えないといけませんね。(ただ、bronchorrheaを痰量のみでなく「泡沫を混じえた卵白様の漿液性痰が多量に出るもの」(新呼吸器専門医テキスト改定第2版)と性状も定期に加えると気管支拡張症ではそういう痰が出る可能性は低いでしょう)あとUptoDateみていたらOrganophosphate and carbamate poisoningやキノコ中毒なんかもそういう症状が出ていると書かれていました。つまり、コリンの作用が過剰になる状態でしょうね。まあ、診断自体は状況から見て難しくないでしょうが。(1人暮らしで発見されて救急搬入されたらわからんかな?)

・なんせ、痰が1日200mLくらい出る人(病人ですね)もいるということをお見知りおきを。



以下日記

・本日7/10(土)は、6時30分起床。朝勉せず出勤。まず病棟へ寄って9時から12時まで、コロナワクチンの接種。70人強。重篤な副反応の人がいなくてホッとしました。お昼ごはんを8番ラーメンまで食べに行って、また仕事。主に事務処理。帰宅は、15時42分でした。一服後、認知症サポート医養成研修のe-leraningでビデオ視聴。それから亡義父の猫たちに餌をやりに行きました。最高13匹視認していましたが、本日は10匹でした。一匹かわいい子猫ちゃんがいたのですが、ここ数日みません。車にでもひかれたのか、だれかに拾われたのか...その後入浴、夕食。久々(6/30依頼)にビールを飲みました。で、録画していた『孤独のグルメ season9』を観ました。独白の面白さと食べっぷりを楽しんでおりますが、わたしゃあんなに大量に食べられんわ。その後ちょっと論文読んでこのブログを書いております。これからDVDで『スパイ大作戦』観てサッサと寝ます。

・明日はお休みですが、上記認知症サポート医のe-learningをしないといけません。結構長時間のビデオ視聴でしんどいのですが、認知症の病態と制度、実践の全体像がわかって研修を申し込んでよかったと思っております。



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