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魚骨怖い・・・甲状腺まで到達することあり/脳が疲れた

時々内科外来に喉に魚の骨がひっかかったという患者さんが来られます。今までは、何事もなかったのですが↓のようなこともあるんですね。

口腔・咽頭科 32巻(2019)1号
甲状腺に達した下咽頭魚骨異物の1例
【抄録】咽頭異物は耳鼻咽喉科外来において高頻度に遭遇する疾患である.中でも魚骨は高い割合を占める.今回我々は下咽頭輪状後部から甲状腺まで到達した魚骨異物の1例を経験したので報告する.症例は87歳の女性で魚を食べたあとからの咽頭痛があり,近医歯科受診後に当科紹介受診した.咽喉頭内視鏡で下咽頭輪状後部に魚骨の一部を認め摘出を試みたが,嚥下運動により確認できなくなってしまった.CT検査を行ったところ,下咽頭輪状後部から気管左外側を通り甲状腺に達する線状の異物を認めた.同日全身麻酔下でのラリンゴマイクロサージェリーで摘出した.CT検査で異物の有無を確認し,早急に手術を行ったことで頸部膿瘍への進展や気管切開術に至らなかったと考えられた.
・上記論文の最後の方に↓のような記述がありました。皆様もご飯の丸呑みで魚骨をとろうとはは思わないでくださいね。
「魚骨異物の際に本邦では民間療法で米飯の丸呑みが行われている実情がある。同手法は魚骨を深く刺入させるリスクが報告されている。本症例では当初魚骨の先端が見えていたが、手術時には粘膜下に迷入していた。本症例は同手技の危険性を示唆する1例と思われる。
・それにしても3cmの魚骨って結構長いですね。
・もう一つ、関連して↓

口腔・咽頭科 32巻(2019)2号
当科における咽頭腔外魚骨異物症例の検討
【抄録】
下咽頭・食道の魚骨異物は代表的な救急疾患の一つである.一方,粘膜に埋没し深層に迷入した咽頭腔外魚骨異物は比較的稀な疾患であるが,摘出に難渋することも少なくない.我々は,過去20年間に咽頭腔外魚骨異物の症例を4例経験した.その内2例は輪状後部および下咽頭後壁に魚骨が埋没しており,粘膜切開などの咽頭腔内操作により異物を摘出した.その他の2例はそれぞれ甲状腺裏面に深く刺入していたり,咽頭後壁に長期間埋没していたため,頸部外切開により摘出した.手術術式の決定には術前のCTおよび3D-CTが有用であった.
・↑の論文読んでいると、結構手術時間長いし、気管切開もしている患者さんもいて非常に怖く感じました。この論文で足りないのは、20年間の非常に幅の広い間に診た患者さんの報告なので、検査の仕方や手術の方法も変わっていると思います。せめて、いつ手術したかの日時がほしいですね。(論文読んでいる途中で、なんで術前にCTの3Dをみないのと思ってしまいましたから。昔はそういうことも簡単にはできなかったはずですから仕方ないですね)
以下日記
・本日8/10(月)は、4時44分起床。6時くらいまで論文書いておりました。それから朝食、燃えるゴミ出して一服後、再び論文作成。12時過ぎにお昼ご飯食べて、ちょっとお昼寝。14時半まえに家を出て病院へ。15時から変則的ですが日直→宿直です。病棟にお一人重症の方がおられて真夜中に起こされるかも。それ以外は落ち着いていて、結構書類の処理ができました。これから夜中に備えて早めに寝ることとします。
・しかし、今日は本当に頭が疲れました。ここ数日頭結構使っています。その甲斐あって論文も遅くてもお盆にはできそう。明日は早めの祝杯をあげようか...

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