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薬剤性冠攣縮性狭心症/念願の散髪と二度目の自宅蕎麦打ち

・標題の冠攣縮性狭心症については、「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン(2013年改訂版)」トイのがあるので、そちらを見てください↓


・ちょっとネットでみてみても、あまり薬剤によるもののことが書かれていません。で、↓のようなレポートがありました。
薬剤性冠攣縮性狭心症の1例
心臓 51巻(2019)5号
松岡勇樹、他。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/51/5/51_519/_article/-char/ja
【抄録】

 症例は30代女性.当院婦人科にて卵巣嚢腫摘出術を施行され,術後2日目より経口抗菌薬の投与が開始された.術後5日目(抗菌薬内服開始3日後)より便秘に対して漢方薬が追加処方された.漢方薬の開始日より連日3日間,夜間に断続的に数分間持続する胸背部痛を自覚したため,不安になり当科を受診した.受診時には無症状であり,諸検査では特記すべき異常を認めなかったため,同日ホルター心電図を施行した.ホルター心電図上,夜間の胸痛時にST上昇および非持続性心室頻拍を認めたため,ホルター心電図抜去時に精査加療目的に緊急入院となった.入院時にすべての内服を中止し,硝酸イソソルビドテープを開始したところ,症状および心電図変化は消失した.器質的な冠動脈疾患の除外目的に冠動脈造影検査を施行したところ,有意狭窄病変を認めず,アセチルコリン負荷試験にて右冠動脈入口部に高度の攣縮が誘発された.これまでにはKounis症候群などアレルギー反応に伴う冠攣縮性狭心症は報告されているが,漢方薬投与を契機に発症した冠攣縮性狭心症は我々の検索し得た範囲では報告がない.著明な心電図変化を示し,薬剤性が強く疑われた冠攣縮性狭心症の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.

・基本的なメッセージは、薬物の副作用で冠攣縮性狭心症がおこりえるので注意しましょうということですね。上の報告では、漢方薬、具体的には桃核承気湯でした。もう一つ薬剤性のレポート↓


Tacrolimusによる冠攣縮性狭心症を発症したと考えられる肺移植後の1例
東郷威男、他
移植 52巻(2017)1号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jst/52/1/52_067/_article/-char/ja
【抄録】(本文は日本語です)

 

Although tacrolimus is widely used as an immunosuppressive drug after lung transplantations, there have been few reports on adverse cardiovascular events after lung transplantation. A 36-year-old female underwent a right single-lung transplantation for idiopathic interstitial pneumonia. Intravenous administration of cyclosporine was started just after the transplantation, and it was switched to oral tacrolimus on day 4. On day 10, she suffered from acute rejection and was treated with a dose of tacrolimus and an administration of methylprednisolone for 2 days. On day 12, after the ingestion of tacrolimus, she had chest pain, dyspnea and syncope. Electrocardiography showed ST elevation in the chest leads from V3 to V5 and troponin T rose to 0.114 ng/ml. Coronary angiography showed no stenosis, but it demonstrated a spastic change of coronary arteries after coronary injection of acetylcholine. The tacrolimus concentration on the day of the attack was 11.9 ng/ml, and 15.4 ng/ml and 19.6 ng/ml on the following 2 days, respectively, despite dose reduction: therefore it was suggested that tacrolimus was the factor of the angina attack. Since the next day, she has undergone mechanical ventilation to treat pulmonary edema caused by heart failure for 4 days. She has experienced no angina attacks thereafter and has been quite well for 2 years since the lung transplantation. In summary, we report a patient who suffered from vasospastic angina possibly caused by tacrolimus 10 days after lung transplantation. We should fully consider vasospastic angina a tacrolimus the side effect.

 

・余談ですが、上の二つの論文とも患者さんのプレゼンテーションに職業歴が書かれていませんね。職業歴を訊かないと絶対とは言わないまでも、職業性疾患はまず診断できないですね。この患者さん達が職業性とは言いませんが、職業性疾患を見落とす可能性があります。どのような症例報告も職業歴を書いてほしいものです。(二人目の患者さんは、ご家族の職業、居住環境も書いて欲しかったですね。「特発性間質性肺炎」と診断されていた人が実は石綿肺だったということは、クボタショック(もう、皆さん忘れた?)のあたりで、結構経験されましたから。

 

以下日記

・昨日8/17(月)は、6時50分と遅起き。午前中はお勉強。午後から出勤して、回診、夜間診療。そして宿直でした。前回の宿直が最悪でしたので、あれ以上のことはまず起こらないだろうと安心(?)、自信(?)をもって宿直。ちょこちょこあったものの、無事でした。

・本日8/18(火)は自然に5時34分に目が覚めました。シャワー浴びて、朝食後病棟回診。午前外来でした。14時前に病院を出て、念願の散髪、郵便局、コンビニよって16時帰宅。1時間くらい論文書いて、その後自宅2回目の蕎麦打ち。1回目よりは美味くできましたが、蕎麦の太さが冷や麦のよう。明日の朝はそれを食べようと思っていますが、はたして食べれるようなものでしょうか?その後シャワー浴びて、夕食。ビールを2本飲んでこのブログを書いております。疲労とアルコールでヨレヨレになっていますので、とっとと寝ます。明日は5時台におきられればよいですが...


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