胸腔内結石/ケツに火がつかないと本を読まない私
・呼吸器の疾患って本当に山ほどあります。その画像を覚えるだけでも大変。まあ、よくある疾患は良いのですが、希な疾患は困ります。幸いインターネットが普及して、結構希な疾患の画像も見ることができるようになってきました。で、今回たまたまネットで何か調べていたら胸腔内結石の画像を載せていた文献がありましたのでログ・アンド・シェア。普通石ができたと言えば、尿路結石か胆石。胃石というのもありますが、胸腔内に石ができることもあるんですね。結構希な疾患だと思います。私が持っている『医学書院医学大辞典第2版』『南山堂医学大辞典第19版』には載っていませんでした。医中誌で胸腔内結石といれたら57件でてきました。(ひとつずづの論文見てないので本当にこの疾患の論文かどうかはわかりませんが)
Thoracolithiasis: A Rare Cause of Multiple Nodules
American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Volume 197 Number 9 | May 1 2018
・何かCTみていると胸腔内とは思えず肺内病変にみえますね。
・この報告では14個の結石があったということ。普通は単発であり、複数個の石があったというのが珍しい。で、鑑別診断が本文にかかれていて↓
The imaging-based differential diagnosis includes granuloma,
hamartoma, calcified metastasis, and gallstones in the pleural cavity. Noncalcified nodules may mimic neoplasms, particularly pleuraltumors and metastasis
・次の論文は、単発例↓
Single massive thoracolithiasis
Peter Bill Juul Ladegaard,1 Lars Ladegaard,2 Rasmus Carter-Storch,3 Nicolaj Lyhne Christensen
・このレポートは石の大きさが、4×3×2cmで、過去最高と言うことでした。
・ところで、この患者さん、咳、呼吸困難、胸痛で受診したとのこと。手術後この症状は改善したのでしょうか?このレポートには書かれておりません。本文中にこの疾患は一般的に無症状と書かれています。この患者さんの症状が石によるものなら、珍しいので手術で症状がとれたのなら、そのことも書くべきでしょう。
・もう一つ、日本人のレポート↓
thoracolithiasis
Akihiko Ogushi MD1 |Takashi Sugioka MD, PhD1 |Masanori Nishiyama MD
J Gen Fam Med. 2019;20:122?123
・本文中にThe first case report of thoracolithiasis was reported by Dias et al in 1968.1 Since then about 70 additional cases have been re-ported, the incidence reportedly being 0.086%.と書かれています。かなり希な病気のようですが、この0.086%って、何が分母かしら?
以下日記
・本日8/20(木)は5時半起床。朝勉して出勤です。午前外来で、予約の患者さんが少なかったです。その間事務的な作業ができました。午後は、診療科会議、回診、労働安全衛生i委員会、回診、胸部レントゲンの読影でした。18時39分帰宅。お風呂入って、録画の『マツコの知らない世界』を観ながら夕食。そして、ちょっと勉強して、このブログを書いております。
・本日↓の本を読み終えました。私の感想といたしましては、この本を読むのが「けっこう難しい」でした。でも、とっても興味深いことがいっぱい書かれていて話のネタにしたいと思います。
・では、これから↓の本を読みたいと思います。
・いずれも明日研修医に論文の読み方のミニレクチャーをするために読んでおります。ただ、本来きちんと読もうとおもって、本棚に立てているだけだったのを教えるからと言うことで慌てて読んでいるというものです。日々Teaching is learningというのを実感しております。