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FYMI: コロナワクチンによる血小板減少を伴う脳静脈洞血栓症の診断とマネジメント/絶対、絶対という言葉は使わないということは絶対ではなかった

標題が長くてすみません↓の論文を(不十分ですが)日本語訳した者です。ちなみにFYMIとは私の造語でFor Your and My Informationです。それはさておき、アデノウイルスを利用して作成したコロナワクチン(ヤンセンとアストラゼネカ)の副反応として血栓症が報告されています。それについての短い論文をご紹介いたしますが、その前に脳静脈洞血栓症(いろいろ呼び方があるようですが・・・今後CVSTと略します)について↓(『医学書院医学大辞典第2版』より)


静脈洞血栓症  venous sinus thrombosis
[同義語]硬膜静脈洞血栓症 dural venous sinus thrombosis,脳静脈洞血栓症 cerebral venous sinus thrombosis,血栓性静脈洞炎 thrombosinusitis

静脈洞に血栓が生じ,血液や髄液の循環障害を来したもの。原因は感染性と腫瘍や外傷による圧排,脱水,血液疾患,妊娠,出産,経口避妊薬,種々の酵素欠損などの非感染性が知られている。上矢状静脈洞に好発するが,海綿静脈洞血栓症は副鼻腔炎に,横静脈洞血栓症は中耳炎によることが多い。皮質静脈血栓症の単独発症はきわめて稀。還流障害部位により頭蓋内圧亢進や意識障害,種々の局所症状を呈する。単純CTでは脳表静脈内凝固を示す索状徴候(cord sign),さらに増強CTで空洞デルタ徴候(empty delta sign)が特徴的所見である。血管撮影により確定診断がなされ,静脈洞の閉塞や描出不良を認める。治療は原疾患の治療のほか,脳圧管理,血栓の進展防止,抗痙攣剤投与,抗生剤投与が重要。劇症型の予後は不良だが,急性期を脱しうれば機能予後は比較的良好。⇒上矢状静脈洞血栓症 ⇒ ,海綿静脈洞血栓症 ⇒ ,海綿静脈洞血栓性静脈炎 ⇒


・本日ご紹介の論文が↓


Diagnosis and management of cerebral venous sinus thrombosis with vaccine-induced immune thrombotic thrombocytopenia


On Behalf of the American Heart Association/American Stroke Association Stroke Council Leadership
Originally published29 Apr 2021https://doi.org/10.1161/STROKEAHA.121.035564Stroke. ;0




・CVSTは希な疾患であり、私みたことないし、鑑別診断としても思いつきません。上の論文読んでいて特徴的だなと思ったのは、仰向けになるとか力んだりすると頭痛がひどくなるというものですね。(これは頭蓋内圧亢進とが...)この疾患に限りませんが、頭痛の患者さん診たときは目の動き、目の充血、頭部の皮膚もみないといけませんね。


cf. 国際頭痛分類 第3版(日本頭痛学会のwebsite)




以下日記

・本日5/16(日)は6時33分起床。まずfacebookとe-mailのチェックをしておりました。おかげで本日の論文に巡り会いました。その後昨日の残りのカレーの朝食。今日1日ずっと家にいて勉強と片付けをしておりました。

・今日は日記というよりエッセイ風に。長い医師生活と院長や医療生協の理事という管理職をしてきて学んだことがありますが、その一つに「言葉遣い」があります。自分に課せたのは、極力(絶対ではなく)「がんばれ」ということと「絶対」という言葉は使わないこと。前者に関しては「がんばってるね」「がんばったね」ということ。また、態度として何かミスをしたひと、問題を起こした人に対しては、その人(人格)を責めるのではなく、その行った行為にたいして注意することです。今日ビジネス英会話をきいていたらちょうどattack the problem not the peresonと言う言葉がいわれていました。(と、思う)で、それに関連して本日読んだのが↓の絵本。


焼けあとのちかい

焼けあとのちかい

  • 出版社/メーカー: 大月書店
  • 発売日: 2019/07/15
半藤さんは、戦時中政治家や周囲の人間に「絶対に正義が勝つ」「絶対に神風が吹く」「絶対に日本は負けない」ということを言われてそれを信じてきたが、それがどんなにむなしく自分勝手な信念だったか、焼け跡から教わったと書かれています。そして、二度と絶対という言葉は使わないとちかったとのことです。しかし、いまは「戦争だけは絶対にはじめてはいけない」と言いたいと。で、本日の標題の後半です。ちょっとパラドックスとジョークを交えています。「絶対、絶対という言葉は使わない」というのがパラドックスですね。しかし、やはり絶対という言葉を使わなければいけないときがあると言うことです。
・さて、これから寝ます。寝ながら本を読みたいと思います。
・そういえば金曜日にコロナワクチン1回目の接種をして、昨日は腕に痛みを感じていましたが、本日はほとんど意識することがなくなりました。幸い熱も出なかったみたいです。さて、3週間後はどうなることやら。





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