公衆衛生の黎明期からこれまでの歩み/ねすごした
公衆衛生の誕生 フランクは,メディカルポリースの体系構築を提言した。チャドウィックは,「全数対応」の体制を公衆衛生法によって発足させた。ラムゼイは,公衆衛生を担う保健医官は,救貧法体制から独立した身分とする必要があると言った。シモンは,「公」の制度を担う「私」の知恵の重要性を強調した。
日本の公衆衛生 1871年から1873年まで欧米を訪問し,各地の経験から学んだ長与専斎の起草による「医制」が1874年に発布された。
『医制八十年史』の「公衆衛生」の章の「第一節保健衛生」の「第一項栄養」は,高木兼寛に関する,次の文章で始まっている。
「わが国の栄養改善は脚気対策に始まった。‥高木兼寛は当時海軍の糧食が白米のみを主としていることに注目し,麦と米を等分に混入するという方法で兵食改良の必要性を訴えるに至った。‥これらはいずれも脚気の原因が食事の不完全にあるとして栄養問題の解決を一歩前進させたものである。」
わが国の公衆衛生の扉は,薩摩の医師高木兼寛によって開かれたと理解できる。
農商務省の嘱託医石原修が,1910年に工場衛生調査の結果を報告し,工場法が1911年に制定された。
1937年に,都道府県,大都市による保健所の設立を規定した保健所法が制定された。
1947年,東京大学,新潟大学,大阪大学に公衆衛生学教室が設置され,日本公衆衛生学会が発足した。
1978年,アルマ・アタ宣言が発表され,厚生省は国民健康づくり計画を発表した。1982年,老人保健法が制定され,1994年,保健所法が改正され地域保健法となり,1997年に全面施行された。
アメリカで1990年,Healthy People 2000の発表があり,厚生労働省は2000年,「健康日本21」を発表,2002年健康増進法を制定した。
集団医学への道 大阪大学の松澤佑次教授が,1994年に「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」が,冠動脈疾患などの上流にある病態であることを報告した。2005年,メタボリックシンドローム診断基準検討委員会が,メタボリックシンドローム評価基準を発表した。厚生労働省は,特定健診・保健指導を2008年から実施した。特定健診の対象集団を「集団医学」の対象とし,集団の構成員の疾病の制圧につながる基本の因子を明らかにすることで,その結果をもとに保健指導を行うことが,公衆衛生には求められている。
・私は、集団医学への道をザーとめを通しただけですが、何かチガウナーと思いました。特に「上流」という言葉の使い方。あと、「生活習慣病」という言葉を無批判に使っていることに、どうかなぁと思ってしまいました。
以下短小日記
本日2/27(水)は、寝過ごしてしまい7時前起床。慌てて身支度して出勤。途中セブンイレブンで朝食・昼食購入。病院について、PCをいじりながら朝食。そして午前外来。お昼ちょっと昼寝してから仕事。健診の所見付け、回診、カンファレンス。そして、夜間診療。そう大きなことなく終了し、19時20分帰宅。お風呂入って夕食。その後、配偶者がつけていた韓流ドラマを思わず見てしまい、あっという間に21時。そして、このブログを書いております。これから、寝ます。明日こそは早く起きてきちんと勉強しよう。あすなろの木でななく、朝勉の気。
日本のEBMは死んだのか?/夜は炭水化物祭り
1990年代後半から2000年代にかけてEBM(根拠に基づく医療)がわが国の医学界を席巻した。これは「多数の患者に対する客観的な臨床的医学データ(エビデンス)を集積し、個別の患者の治療のために用いよう」という医療改革運動・思潮・医学的方法論であり、従来の人体機械論的医学に一石を投じるものとして、「医学的なパラダイムシフト」であると盛んに喧伝された。しかし、EBMは現代科学論的にはパラダイムシフトではなく、科学的医学の範疇のものである。初期のEBMには原理的な弱点があり、わが国の医学界でEBMへの関心が高まり、さまざまな思惑が噴出するにつれ、EBMはその気高い理念とは逆の混乱した状況に陥っていき、ついにはごく短期間でEBMは終焉を迎えた。本稿では、わが国のEBMの歴史を概観し、EBMの輸入にまつわる諸問題を検討した。
最初、この著者どんな人かな?知らんわーと思って読んでいましたが、実は私がとても興味深く読んだ↓の2冊の本の訳者だったんですね。びっくり。
・上の論文の中で、いろいろ医療界の裏話(と、言ってもそんなに具体的ではないと思うのですが)がかかれていて興味深いです。EBMにたいしてOBMという言葉も出てきますが、私は大学院に入って、初めてOBMという言葉を聞いたのですが、その時の説明がオレサマ・ベイスド・メディスンと聞きましたが、実際はOpinion basede medicineだったのですね。OBMについて↓のようなご意見もありました
https://www.facebook.com/hospitalmanegiment/posts/423011651221179
・EBMもOBMも人間の営みだと言うことを認識してないといけませんね。
以下日記
・本日2/26(火)は、5時半起床。朝勉して出勤。午前外来。午後から大学でした。本日は、↓の論文のcritical appraisal。結論に、なるほどと思いました。プロペンシティ・スコアも勉強になりました。
Stroke. 2016 Feb;47(2):471-6. doi: 10.1161/STROKEAHA.115.011250. Epub 2015 Dec 15.
Outcomes of Argatroban Treatment in Patients With Atherothrombotic Stroke: Observational Nationwide Study in Japan.
SSP:肝癌治療効果判定基準(第5版) (2019年改訂版)/納豆に胡椒
梅、文具、夜間中学、社会正義
- 作者: 阿川 佐和子
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/03/23
- メディア: 文庫