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備忘録:経験・流儀・理論/誰も褒めてくれないので自分で褒める

先週の金曜日に研修医+他の職員さんに外来の心得、コツというようなお話をしました。その冒頭で、医師によって色んな流儀があるという話をしました。で、外来は科学と言うよりアートと。しかし、それぞれ経験的にやっている外来を、なんとか理論化して、最低限これだけはおさえようという法則のようなものができればよいなと考えています。

・そんなことを考えていると、↓のような論文が目についたので、読んでみました。


論点
経験・流儀・理論
日本看護管理学会誌 23巻(2019)1号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/janap/23/1/23_186/_article/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/janap/23/1/23_186/_pdf/-char/ja
↑の中で、↓のようなことがかかれていました。なるほどなあと思いました。
だ,注意したいのは,経験知の中でどうしても言語化できない知識,すなわち暗黙知が存在するということである.これは言語化できないので意味がないのかというとそんなことはない.何が暗黙知で何が暗黙知でないかを明らかにするだけでも,経験を経なければ獲得できない知なのか,集合教育でも伝達可能な知なのかが判別でき,将来の教育計画の策定に役立つからである
・色んなコツを、言語化努力する必要がありますね。
・全く余談ですが「暗黙知」と聞くとすぐダースベーダーを思い出してしまいます。←そりゃー、「暗黒面」じゃっ!
以下日記
・本日8/19(水)は、5時56分起床。朝食に昨日打った蕎麦を食べようとしました。まあ、事前に分かっていたことですが、蕎麦切りではなく、蕎麦掻きもどきとなっておりましあ。まあ、繊維状の部分もありちょっとだけ食しました。しかし、味は悪くない。我が家のお犬様も食べてくださいました。出勤し、早朝回診後午前外来。数日前から熱中症で点滴に来られている一人暮らしの高齢女性きちんと定期的に食事をしていないということをきいて、MSWと面談してもらってお弁当の宅配につながったのは、ちょっとヒットだったかな。プチ社会的処方。(だれも褒めてくれないので、ここに書いて世界にアピールします)
・午後から回診、カンファレンス、夜間診療。病棟に寄って帰宅は18時40分頃。お風呂入って現在一服中。もうちょっとしたら夕食摂って、そのあと研修医への講義(臨床医学論文の読み方)の準備をして寝ます。
・しかし、昨日バッサバッサだった髪を切ってスポーツ刈りにしたのに、ほとんど誰も気づかない/きづいても声をかけてくれないという寂しさを味わいました。まっすぐな道でさみしい、ならぬ、まったくの無視でさみしい。

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薬剤性冠攣縮性狭心症/念願の散髪と二度目の自宅蕎麦打ち

・標題の冠攣縮性狭心症については、「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン(2013年改訂版)」トイのがあるので、そちらを見てください↓


・ちょっとネットでみてみても、あまり薬剤によるもののことが書かれていません。で、↓のようなレポートがありました。
薬剤性冠攣縮性狭心症の1例
心臓 51巻(2019)5号
松岡勇樹、他。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shinzo/51/5/51_519/_article/-char/ja
【抄録】

 症例は30代女性.当院婦人科にて卵巣嚢腫摘出術を施行され,術後2日目より経口抗菌薬の投与が開始された.術後5日目(抗菌薬内服開始3日後)より便秘に対して漢方薬が追加処方された.漢方薬の開始日より連日3日間,夜間に断続的に数分間持続する胸背部痛を自覚したため,不安になり当科を受診した.受診時には無症状であり,諸検査では特記すべき異常を認めなかったため,同日ホルター心電図を施行した.ホルター心電図上,夜間の胸痛時にST上昇および非持続性心室頻拍を認めたため,ホルター心電図抜去時に精査加療目的に緊急入院となった.入院時にすべての内服を中止し,硝酸イソソルビドテープを開始したところ,症状および心電図変化は消失した.器質的な冠動脈疾患の除外目的に冠動脈造影検査を施行したところ,有意狭窄病変を認めず,アセチルコリン負荷試験にて右冠動脈入口部に高度の攣縮が誘発された.これまでにはKounis症候群などアレルギー反応に伴う冠攣縮性狭心症は報告されているが,漢方薬投与を契機に発症した冠攣縮性狭心症は我々の検索し得た範囲では報告がない.著明な心電図変化を示し,薬剤性が強く疑われた冠攣縮性狭心症の1例を経験したので文献的考察を加え報告する.

・基本的なメッセージは、薬物の副作用で冠攣縮性狭心症がおこりえるので注意しましょうということですね。上の報告では、漢方薬、具体的には桃核承気湯でした。もう一つ薬剤性のレポート↓


Tacrolimusによる冠攣縮性狭心症を発症したと考えられる肺移植後の1例
東郷威男、他
移植 52巻(2017)1号
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jst/52/1/52_067/_article/-char/ja
【抄録】(本文は日本語です)

 

Although tacrolimus is widely used as an immunosuppressive drug after lung transplantations, there have been few reports on adverse cardiovascular events after lung transplantation. A 36-year-old female underwent a right single-lung transplantation for idiopathic interstitial pneumonia. Intravenous administration of cyclosporine was started just after the transplantation, and it was switched to oral tacrolimus on day 4. On day 10, she suffered from acute rejection and was treated with a dose of tacrolimus and an administration of methylprednisolone for 2 days. On day 12, after the ingestion of tacrolimus, she had chest pain, dyspnea and syncope. Electrocardiography showed ST elevation in the chest leads from V3 to V5 and troponin T rose to 0.114 ng/ml. Coronary angiography showed no stenosis, but it demonstrated a spastic change of coronary arteries after coronary injection of acetylcholine. The tacrolimus concentration on the day of the attack was 11.9 ng/ml, and 15.4 ng/ml and 19.6 ng/ml on the following 2 days, respectively, despite dose reduction: therefore it was suggested that tacrolimus was the factor of the angina attack. Since the next day, she has undergone mechanical ventilation to treat pulmonary edema caused by heart failure for 4 days. She has experienced no angina attacks thereafter and has been quite well for 2 years since the lung transplantation. In summary, we report a patient who suffered from vasospastic angina possibly caused by tacrolimus 10 days after lung transplantation. We should fully consider vasospastic angina a tacrolimus the side effect.

 

・余談ですが、上の二つの論文とも患者さんのプレゼンテーションに職業歴が書かれていませんね。職業歴を訊かないと絶対とは言わないまでも、職業性疾患はまず診断できないですね。この患者さん達が職業性とは言いませんが、職業性疾患を見落とす可能性があります。どのような症例報告も職業歴を書いてほしいものです。(二人目の患者さんは、ご家族の職業、居住環境も書いて欲しかったですね。「特発性間質性肺炎」と診断されていた人が実は石綿肺だったということは、クボタショック(もう、皆さん忘れた?)のあたりで、結構経験されましたから。

 

以下日記

・昨日8/17(月)は、6時50分と遅起き。午前中はお勉強。午後から出勤して、回診、夜間診療。そして宿直でした。前回の宿直が最悪でしたので、あれ以上のことはまず起こらないだろうと安心(?)、自信(?)をもって宿直。ちょこちょこあったものの、無事でした。

・本日8/18(火)は自然に5時34分に目が覚めました。シャワー浴びて、朝食後病棟回診。午前外来でした。14時前に病院を出て、念願の散髪、郵便局、コンビニよって16時帰宅。1時間くらい論文書いて、その後自宅2回目の蕎麦打ち。1回目よりは美味くできましたが、蕎麦の太さが冷や麦のよう。明日の朝はそれを食べようと思っていますが、はたして食べれるようなものでしょうか?その後シャワー浴びて、夕食。ビールを2本飲んでこのブログを書いております。疲労とアルコールでヨレヨレになっていますので、とっとと寝ます。明日は5時台におきられればよいですが...


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乾癬・掌蹠膿疱症と 口蓋扁桃摘出術、おまけに胸痛/初めての自宅での蕎麦打ち

私は呼吸器系の疾患を持った患者さんをよくみているので、咳、痰、喘鳴、息切れといった症状の方がよく来られます。まず、咳が一番多いような気がしますが、最近息切れの人も多い。そういった中で胸痛の方がこられます。胸痛は先日書きました大動脈解離や心筋梗塞なんかあってとてもいやですが、そう重篤感がない人も来られます。どうも、胸壁の痛みではないかという人も結構います。そういう胸壁の痛みを訴える人には、手足の発疹がないか訊きます。(まあ、手はみりゃーわかりますが、多分胸痛で受診して掌みせてと言われたら、何で?とおもうでしょうね)その心は↓


乾癬・掌蹠膿疱症の病態と治療, 口蓋扁桃摘出術の効果


梅澤慶紀


耳鼻咽喉科展望 6巻(2019)4号




・非医療者の方は扁桃腺と皮膚の症状が関係あるのかと思われるでしょうね。内科疾患で言えば扁桃と腎炎も関係します。(私のごく近しい人もそれで扁桃腺手術しました)

・何で、胸痛やねんというひとは本文をしっかり読んでくださいね。掌蹠膿疱症には、掌蹠膿疱症性骨関節炎というのが合併して、主に胸肋鎖関節炎ということで、これが胸痛の原因となります。


以下日記

・本日8/16(日)は、6時半起床。30分くらい布団の中でダラダラしておりました。朝食は昨日の残りのカレー。その後昼間でお勉強です。昼食もカレー。午後もお勉強です。夕方初めて自宅で蕎麦を打ちました。私は、蕎麦打ちクラブに入っていますが、蕎麦を打つのは月に2回(欠席することもあるので1回)浅口市健康福祉センターであるクラブの時のみ。最初はそもそも蕎麦を打つ道具を持っていませんでした。ちょっとずつ買っていったりもらったりして道具はそろえましたが自宅のスペースがなし。最近なんとかスペースを作って本日超久々にうちました。何故、超久々かというと昨年は突然の嗄声、今年1月突然の右下肢静脈血栓症となりそばうちクラブ休んでいたら、今度はコロナで蕎麦打ちクラブがお休み。もう、ずーと打っていませんでした。で、今日なんで蕎麦を打ったかというと、今度8/23に久々の蕎麦打ちクラブが開かれるから。何もせずにクラブに参加したら散々なことになるだろうと予習。思った以上に散々でした。そもそも腕はなかったのですが、その腕が落ちまくり。失敗ばっかり。でも、まあ良かったまだあと1,2回練習する機会はある。

・汗だくで蕎麦打ってお風呂入りました。現在風呂上がりの麦酒のんで、このブログ書いております。もう1本麦酒を飲んで、もうちょっとしたら夕食。ちょっとお勉強して早めに寝ます。

・それにしても今日は玄関からでたのは、ものを干しに行っただけ。多分数m歩いたのみでした。もう、フレイルになるわ。


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急性心膜炎の原因としての大動脈解離/引きこもってほぼ論文完成

今度の月曜日宿直ですが、8/10の宿直が最悪だったので、それより悪いことはないだろうと、変な意味で気が楽です。それはさておき、宿直中に来て欲しくない病気(まあ、通常診療でもいやですが)は何かというと、まず急性喉頭蓋炎ですね。あとは、くも膜下出血や大動脈解離でしょうか。で、その大動脈解離で急性心膜炎の心電図変化がでていて、ちょっと診断がおくれたというレポートが↓


Acute Aortic Dissection Masquerading as Acute Pericarditis


Kazuhito Hirata, et al.


Intern Med 59: 2009-2013, 2020



抄録

 

We herein report 3 cases of acute aortic dissection (AAD) in which the initial 12-lead electrocardiogram showed typical ST elevation consistent with acute pericarditis. All patients exhibited small pericardial effusion but did not suffer from rupture into the pericardium or clinical tamponade. Slow leakage or exudate stemming from the dissecting hematoma appeared to have caused inflammation, resulting in pericarditis. Therefore, we highlight the fact that AAD may masquerade as acute pericarditis. Physicians should be aware of the possibility of type A AAD as an important underlying condition, since the early diagnosis and subsequent surgical treatment may save patients' lives.

・著者らが抄録にもかいているように急性心膜炎の基礎疾患として大動脈解離があるので気をつけてというお話です。ただ、標題だけみるとちょっとニュアンスが違うのではないでしょうか?私の英語能力がつたないので、Google先生にこの論文の表題を訳していただくと「急性心膜炎を装った急性大動脈解離」となっています。すなおに日本語を解すると「急性心膜炎と思ったが、大動脈解離やった」ということになると思います。でも、この報告をみると急性心膜炎の原因として大動脈解離だったと言うことだと思います。なので、ちょっとニュアンスがちがうと思うんですが...(まあ、標題としたら面白いんですが)それはさておき、教科書を見てみました。新臨床内科学第7版では、急性心膜炎という項目の中に心膜疾患の原因という表があります。その一番最後に大動脈解離というのがありました。朝倉書店の内科学の急性心膜炎という項では、心膜炎の原因疾患という表はありますが、大動脈解離は載っておりません。その代わり(?????)に鑑別診断として、急性大動脈解離とうのがありました。ちょっと、ミスリードと思いますが、ちっちゃいことは気にしない、ワカチワカチコ?UpToDateでは、Etiology of pericardial diseaseという項目があって、その中の表に大動脈解離がありました。別にAcute pericarditis: Clinical presentation, diagnostic evaluation, and diagnosisという項目があって、その中でEstablishing a definite etiologyというところがありましたが、大動脈解離は載っていませんでした。

・話変わってこの論文の最初の患者さんですが、30代後半とお若い。二人目の患者さんもお若いですが、マルファン症候群と診断されていました。最初の患者さんの症例提示でせめて、家族歴があるのか無いのか述べておいて欲しかったです。(細かすぎる?自分には甘いのに人には厳しい私?)

 

以下日記

・本日8/15(土)は、6時起床。昼前基本的に論文作成と講義の準備。途中資源ゴミの整理。13時半まえに家を出てまず市役所へ資源ゴミを出してから里庄町のラーメン屋さんで昼食。帰宅後食器洗いと米を洗って、真っ昼間からビール。(1本だけよ)その後、書類の整理をしておりました。18時半頃お風呂入って、論文を仕上げて夕食。今度はテキーラ、ジンをいただいております。で、現在酔っ払ってこのブログを書いております。論文は、99%しあがり、明日の朝チェックを入れて終了になるはず。もう、これからお布団に入ります。


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SSP: WHO患者安全カリキュラムガイド/クルクルでよかった

今日は、夕方に研修医+他の職員の方々に外来診療の心得、コツといったお話をしました。私の勤める病院には、地域研修ということで研修医が時々来られるのですが、その時私は1時間の講義を4.5コマしています。そのうちの一つが本日の外来診療について。ちょっと前までは家庭教師のように研修医とマンツーマンで講義していたのですが、ちょっともったいないということで他の職種の参加も募っています。今日は10名くらいお話を聴いてくれたと思います。

外来の心得の中で、誠実、謙虚、他職種への感謝というようなことも言いました。SBARをとりあげて、Rに対して感謝しましょうとい話をいたしました。Rというのは統計ソフトではありません。看護師さんからのrecommendationのことです。医師という職種は、病院内の全ての職種の頂点に立ちたい・頂点であると勘違いしているお医者さんを見かけます。謙虚で無いといけません。謙虚とは、人に言うことを聴くということです。というような話をいたしました。で、看護師さんからRをうけた医師は、ありがとうと言わなければいけませんよ、というよなことを言いました。

・大体私は講義をするときは協力同じ話はしない、なんらかのupdateをするのと、間違いをチェックするように努力しています。今回SBARのはなしをするにあたってその内容をチェックしました。で、ネットで下の様なページをみつけました。(看護roo!は結構参考にさせていただいております)




上のページの中で、なんとSBARがISBAR, ISBARCと「進化」しているでは無いですか。で、PubMedでSABARといれてみると37件ヒット、ところが145件ヒットですが、その内容がこの文脈で言うISBARCではないのが多くありました。で、今のところISBARが一般的ではないかと思います。

・で、そのISBARを検索していると本日の標題の『WHO患者安全カリキュラムガイド』というのに突き当たりました。WHOの文献ですがありがたいことに日本語訳がありました↓




この中の136ページにISBARの説明があります。この中ではIはIntroductionとなっていて、最初にご紹介した看護roo!のページのIの説明、すなわちIdentifyトは異なります。まあ、細かいことは気にしない、ワカチコ、ワカチコですが、看護roo!が引用している文献では、identifyではなく、identityとなっております↓まあ、意味は(多分)同じでしょう。




・WHOの文献は、ザーっとスクロールしてみただけですが、いろいろ面白そうでした。何が面白いかというと組織運営や教育について書かれているから。何かの機会に勉強会でもできたらいいなとおもいました。


・で、teaching is learningで、本日も勉強になりました。来週は、論文の読み方の講義をいたしますので、↓の本を読んでおこうと思っております。(以前研修にこられていたDr.が持っていた本)


ゼロから始めて一冊でわかる!みんなのEBMと臨床研究

ゼロから始めて一冊でわかる!みんなのEBMと臨床研究

  • 作者: 神田 善伸
  • 出版社/メーカー: 南江堂
  • 発売日: 2016/10/17
ちなみに、そもそもISBARって何やというひとのために↓
ISBAR.PNG
以下日記
・本日8/14(金)は、5時59分起床。朝勉せず出勤。病棟よってから外来。順調に進んでいて良かったと思っていたら、もともと間質性肺炎ある患者さんが呼吸困難・胸痛で受診、気胸でした。で、兄貴分の病院へ紹介。午後からは回診、夕方前述のように講義。ちょっと予定時間をオーバーして反省。帰宅は18時過ぎ。帰ったら配偶者が「クルクル行かん?」とおねだりするので、笠岡の回転寿司店まで夕食に。タコが結構美味かった。また、近日中に行きたいです。(ひょっとしたら明日の昼食)その後19時過ぎに帰宅し、一服。お風呂入って、ちょっと博士論文用の文献を検索、読んでからアルコール飲んでこのブログを書いております。あと、ちょっとだけ教科書読んで寝ます。
・ちなみに、配偶者が「回らない寿司」をねだらないのは幸いです。子供達の寿司屋と言えば回転寿司のことと認識しています。この点のみ「教育」に成功したと思っております。

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日記の追加:文献整理しながら思い出にひたる

さっきブログ書いてちょっと片付けしたらサッサと寝ようと思っていましたが、文献を整理していたらつい懐かしくて書きたくなりました。

・そもそもの始まりは、私が本を買いすぎて置くところが無く、2階に上がる階段の半分に本を「積ん読」していたから。昨日プチプチ夫婦げんかをして階段の本を整理しろと怒られました。ほんじゃーシテヤラーと声には出さず心の中で叫んで本日から階段の本の整理。と言っても本を収納するところが無い。なので、ずーーと手つかずの文献を置いている棚を整理することにしました。で、現在その文献を整理=必要なものは残し不要なものはすてる作業をしております。現時点で文献を見てみると30年以上まえの文献があって、ああこういうこと勉強していたとか、オレって結構多くの文献読んでいたんだと自己満足的に感心。今のところ見つけたジャンルは、非神経原性肺水腫、TDIによる喘息、過敏性肺炎、あの「もやしもん」で有名になたアスペルギルス・オリゼによる気管支喘息、過敏性肺炎。(それに関連したお味噌の文献)そして、当時まだ珍しかったというか、存在していたが医学的に注目されていなかった手話通訳者さんの頸肩腕障害の入院例のまとめ。いやー、なつかしい。今後、どんな文献や文書がでてくるかな?

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心肺蘇生により胃破裂/SBARは「進化」していた

先日宿直中心肺蘇生術を久々に行ったということを書きました。心臓マッサージ中は、合併症、主に肋骨骨折が起こったらいやだなと思いながらするのですが、胃破裂もすることがあるんですね。と言うかそういうこともあると昔文献で読んだことがありますが↓の文献を読んで思い出しました。


心肺蘇生に起因した胃破裂の1

益子 太郎, 矢澤 直樹, 増岡 義人, 中郡 聡夫

日本腹部救急医学会雑誌39 (2019) 6

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/39/6/39_1131/_article/-char/ja

【抄録】

 

症例は73歳女性。局所進行膵頭部癌で術前治療を予定されていた。突然の吐下血を認め,外来受診となった。来院時ショック状態を呈しており,血液検査所見で高度貧血を認めた。腹部造影CT検査で胃十二指腸動脈からの造影剤の漏出を認め,緊急塞栓術を行った。経過中無脈性心室頻拍を呈したため,1サイクルの心肺蘇生を行った。翌日抜管後の胸部X線検査で右横隔膜下に遊離ガス像を認め,腹部造影CT検査で多量の腹腔内遊離ガス像と腹腔内液体貯留を認め,胃壁途絶所見も認めたため,胃穿孔と診断,同日緊急開腹術を施行した。胃小弯に約7cmの裂創を認めたが,粘膜面に虚血性変化や潰瘍の所見はなく心肺蘇生に起因する胃破裂と診断し,破裂部を縫合閉鎖した。心肺蘇生後の胃破裂は0.1%とまれで不適切な人工呼吸による胃拡張が強く関与しているとされる。自験例のように消化管出血により著明な胃内容貯留がある場合もリスクになることを念頭に置き,迅速なスクリーニング検査を行うことが重要である。

・↑にも書かれていますが心肺蘇生していたら胃破裂も念頭においておかないといけませんね。しかし、この報告に書かれている患者さん、よう助かりましたね。著者達、素晴らしい。

以下日記

・本日8/13(木)は、6時13分起床。朝勉はせず、朝食後水島へ。午前中産業医学科外来。メッチャ予約が少なかったのですが、お一人ちょっと診療に時間がかかった患者さんがおられました。水島をでて玉島へ戻る途中8番ラーメンか玉島の地元のうどん屋さんによろうとおもっていたのですが、駐車場をみると結構「密」そうなのでやめて病院へ着いてからカップ麺の昼食。それから病棟の患者さんを診てから14時過ぎに有給休暇で帰宅。帰宅して30分dけ片付けしてあとはひたすら明日の研修医+α向けの講義の準備。講義は自分の勉強になるのですが、時間を結構とりますね。今日知識がアップデートできたことは、SBARが「進化」して、ISBAR、そしてISBARCに「進化」していたということ↓しかし、最後のやつなんて発音するんやろ。

看護roo!

https://www.kango-roo.com/learning/3561/

・18時に一応講義用のパワポが仕上がり、入浴、夕食。昨日届いた京都のウッドミルブルワリーというところのPale AleとLEMON ALEをいただきました。どちらも変な癖が無く飲みやすかったですね。その後は、テキーラとオレンジジュースでテキーラサンライズもどきを作って飲んでおります。このカクテルはのみやすいですね、つい3杯も飲んでしまいました。明日起きれるやろか?

・ちょっと部屋の片付けをして22時頃には寝たいと思います。明日は何時に起きられるかな?


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COVID-19の凝固線溶系異常/ああ、バッド・タイミング

SARS-CoVs-2感染症が、止血凝固系への異常をもたらすという簡単な記事はみましたが、きちんとした論文は読んでいませんでした。英語の論文が多いのですが、まずは日本語の論文を読んでみました↓




重症新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の凝固線溶系異常の特徴―Case series―

石倉 宏恭, 丸山 隼一, 入江 悠平, 泉谷 義人, 内藤 麻巳子, 鯉江 めぐみ, 星野 耕大, 仲村 佳彦

日本血栓止血学会誌31 (2020) 4

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsth/31/4/31_2020_JJTH_31_4_398-408/_html/-char/ja

 

Abstract

今回,重症新型コロナウィルス2019(Coronavirus disease 2019: COVID-19)患者の凝固線溶異常について,若干の知見を得たので報告する.症例は6症例で,ICU入室から8日間の経過で血小板数が10×104/mm3未満に低下したのは1例のみであった.prothrombin time-international normalized ratio(PT-INR)は経過を通じて概ね正常で,activated partial thromboplastin time(APTT)は経過中5例で正常上限を上回ったが,1例を除き大きく延長する事は無かった.一方,FDPとD-dimerは経過中,正常上限を超えて推移し,2例は第7病日以降に著明な再上昇を来した.以上より,重症COVID-19患者は感染症にも関わらず,凝固線溶異常は「線溶抑制型」でなく,あたかも「線溶亢進型」の様相を呈していた.6例中4例がJapanese Association for Acute Medicine criteria(JAAM)disseminated intravascular coagulation(DIC)診断基準でDICと診断され,遺伝子組換え型ヒト可溶性トロンモジュリン(rhsTM)が投与され,3例が投与終了時点でDICから離脱した.

・トロンボモジュリンが治療に貢献しそうな内容ですね。この論文では、抄録、本文とも遺伝子組換え型ヒト可溶性「トロンモジュリン」(recombinant human soluble thrombomodulin: rhsTM)と標記されています。普通、トロンボモジュリンだと思うのですがトロンモジュリンという言い方もするんでしょうか?Yahooでそういれても、少なくとも上位にはヒットせず、かわりにトロンボモジュリンがでてきましたが...ちなみに、トロンボモジュリンとは、日本血栓止血学会のwebsiteの説明では↓

トロンボモジュリン

https://www.jsth.org/glossary_detail/?id=391

リコモジュリンの説明(PDFですが皆さん、みれるでしょうか?)

https://www.jsth.org/publications/pdf/tokusyu/20_1.009.2009.pdf

・最初の論文に書かれていた重症の患者さんを私が診ることはまずは無いでしょう。でも、一応知識としてはもっていないと新しい論文が読みづらいし、何かあったとき患者さんやご家族への説明もできないですね。

 

以下日記

・本日8/12(水)は、6時29分起床。朝勉せず朝食摂って出勤。ちょっと病棟へよって、午前外来。大きな事無く無事終了。お昼頃なんか両上腕がだるいなと思っていたら、そういえば心臓マッサージをしたからだと思い当たりました。案外筋肉へのダメージはそう大きくなかったみたいですが、明日以降に症状ひどくなる???

・午後回診、カンファレンス、夜間診療でした。なんとビックリ、夜間診療が17時で終わりました。多分こんなことは初めて。で、帰宅は18時前。家の前も道を通っていたら、義父の桃畑の木の枝が道にはみ出していたので、帰宅が鋸を持っていって何本か切断。たったそれだけで汗が出ました。で、入浴、録画「激レアさんをつれてきた」を観ながら夕食。この時点でウッドミルブルワリーという処に注文していた麦酒のセットが届けば良かったのですが、残念ながら夕食後に届きました。宅配は18時から20時の間で頼んでいたので、仕方ありません。夕食時早くこないかなと頸を丹頂鶴のように長くして待っていましたが、満腹状態になってから到着。もうビールをのむ余地がありません。甘いものは別腹でも、少なくとも私はビールは別腹にはなりません。なので、楽しみは明日にとっておきます。で、今はシラフでこのブログを書いています。(寝袋の中でかいていたら、「シェラフで書いています」ナンチャッテ。

・さて、これから金曜日に行う講義の準備してから寝ることにします。

 

 


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SSP: コロナウイルスのポータルサイト/超久々の心肺蘇生→人工呼吸

ちょっとコロナウイルスのことで検索していたら、国立感染症研究所の↓のようなページを見つけました。曰く「SARS、MERS、COVID-19を含むコロナウイルス感染症に関する記事がWebサイト全体から集められて表示されます。」




・本日は疲労困憊なので医学関連記事はこれだけ。


以下涙無しには読めない日記(ウソ)

・本日8/11(火)は、散々な日でした。昨日15時から変則的な日当直でした。日直の時間帯は良かったのですが、宿直の時間帯になって大変でした。数日前から調子が悪くなっていた患者さんの対応。結経本日夜中の2時半前にお亡くなりになりました。で、その後2時間弱寝たとおもったら、4時半前に病棟からのコール。患者さんの呼吸停止。挿管、心臓マッサージ、人工呼吸器装着。6時前に夏休みだった主治医が来てくださりバトンタッチでちょっと落ち着きました。多分常勤を辞めた2012年以来の挿管だったと思いますが、比較的上手くいきました。心臓マッサージも40,50分したと思います。こんなに長くしたのは本当に久しぶり。家に帰って配偶者にそのこといったら「お父さんの心臓がとまってしまうかも」と。冗談でなく、そうかも。実際そういう事例を探せば見つかるかも。主治医とバトンタッチして、汗をかなりかいていたのでシャワー浴びて、朝食。病棟の自分の担当の患者さんを診て、午前中外来。睡眠不足は酩酊状態と同棟というようななんかの記事をみましたが、まさにそれを実感。ついてくれている看護師さんには、しっかりチェックしてくださいと頼みました。外来の終わり頃、またアドレナリンが上がるような患者さんがこられ酩酊から目が覚めました。外来は13時半終了。今日の昼食は特別で地元の割烹を応援するため医局のみんなでそこにウナギのお弁当を注文していたので、それをいただきました。その後帰宅です。帰り道COOPによってアルコール、ソフトドリンク買って15時前に帰宅。で、今日絶対読もうと思っていた20ページの英語文献を読もうとしたのですが、眠くて眠くて読めません。仕方なく1時間くらい遅い昼寝。その後なんとか読み上げました。あとは、シャワー浴びて夕食。缶麦酒1本のんで、あとはジン、テキーラを少量ずついただいて、かいてこのブログを書いています。実は、今日はギムレットを飲みたい気分。自分でシャカシャカしても良かったのですが、ライムがなかったので作れず。まあ、そもそも自分が作ったカクテルって全然美味くないのよね。ところで、最近テキーラがおいしいとおもいだしました。本日はテキーラのジンジャエール割り(ショットガンとかテキーラボンバーというんですね)を飲んでおります。岡山市田町(だったかな)にテキーラの専門店があるので、また行ってみたいです。

・さて、今日は22時までには布団に入ります。寝ながらイグ・ノーベル賞の本を読みます。それにしても寝かしてもらえないのは宿直でなく、違う状況でそうしてもらいたいものです。(こっちが、寝かさない方にならないといけないのか?)




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魚骨怖い・・・甲状腺まで到達することあり/脳が疲れた

時々内科外来に喉に魚の骨がひっかかったという患者さんが来られます。今までは、何事もなかったのですが↓のようなこともあるんですね。

口腔・咽頭科 32巻(2019)1号
甲状腺に達した下咽頭魚骨異物の1例
【抄録】咽頭異物は耳鼻咽喉科外来において高頻度に遭遇する疾患である.中でも魚骨は高い割合を占める.今回我々は下咽頭輪状後部から甲状腺まで到達した魚骨異物の1例を経験したので報告する.症例は87歳の女性で魚を食べたあとからの咽頭痛があり,近医歯科受診後に当科紹介受診した.咽喉頭内視鏡で下咽頭輪状後部に魚骨の一部を認め摘出を試みたが,嚥下運動により確認できなくなってしまった.CT検査を行ったところ,下咽頭輪状後部から気管左外側を通り甲状腺に達する線状の異物を認めた.同日全身麻酔下でのラリンゴマイクロサージェリーで摘出した.CT検査で異物の有無を確認し,早急に手術を行ったことで頸部膿瘍への進展や気管切開術に至らなかったと考えられた.
・上記論文の最後の方に↓のような記述がありました。皆様もご飯の丸呑みで魚骨をとろうとはは思わないでくださいね。
「魚骨異物の際に本邦では民間療法で米飯の丸呑みが行われている実情がある。同手法は魚骨を深く刺入させるリスクが報告されている。本症例では当初魚骨の先端が見えていたが、手術時には粘膜下に迷入していた。本症例は同手技の危険性を示唆する1例と思われる。
・それにしても3cmの魚骨って結構長いですね。
・もう一つ、関連して↓

口腔・咽頭科 32巻(2019)2号
当科における咽頭腔外魚骨異物症例の検討
【抄録】
下咽頭・食道の魚骨異物は代表的な救急疾患の一つである.一方,粘膜に埋没し深層に迷入した咽頭腔外魚骨異物は比較的稀な疾患であるが,摘出に難渋することも少なくない.我々は,過去20年間に咽頭腔外魚骨異物の症例を4例経験した.その内2例は輪状後部および下咽頭後壁に魚骨が埋没しており,粘膜切開などの咽頭腔内操作により異物を摘出した.その他の2例はそれぞれ甲状腺裏面に深く刺入していたり,咽頭後壁に長期間埋没していたため,頸部外切開により摘出した.手術術式の決定には術前のCTおよび3D-CTが有用であった.
・↑の論文読んでいると、結構手術時間長いし、気管切開もしている患者さんもいて非常に怖く感じました。この論文で足りないのは、20年間の非常に幅の広い間に診た患者さんの報告なので、検査の仕方や手術の方法も変わっていると思います。せめて、いつ手術したかの日時がほしいですね。(論文読んでいる途中で、なんで術前にCTの3Dをみないのと思ってしまいましたから。昔はそういうことも簡単にはできなかったはずですから仕方ないですね)
以下日記
・本日8/10(月)は、4時44分起床。6時くらいまで論文書いておりました。それから朝食、燃えるゴミ出して一服後、再び論文作成。12時過ぎにお昼ご飯食べて、ちょっとお昼寝。14時半まえに家を出て病院へ。15時から変則的ですが日直→宿直です。病棟にお一人重症の方がおられて真夜中に起こされるかも。それ以外は落ち着いていて、結構書類の処理ができました。これから夜中に備えて早めに寝ることとします。
・しかし、今日は本当に頭が疲れました。ここ数日頭結構使っています。その甲斐あって論文も遅くてもお盆にはできそう。明日は早めの祝杯をあげようか...

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