ペンキで塗ったように白い白斑症/雨の中外で診察
ハクハンショウ
[英]leukoplakia
[同義語]白板症,ロイコプラキー,白板(白色)角化症 leukokeratosis
粘膜,移行上皮,皮膚粘膜移行部の白色角化性局面。口腔や口唇に最も多い。狭義には癌前駆症である。広義には,①特発性,②基礎疾患を有する場合(扁平苔癬,円板状エリテマトーデス,梅毒,カンジダ症など),③外傷による刺激(喫煙者角化症,義歯,粘膜胼胝,化学熱傷など),④癌前駆症に区分される。粘膜上皮細胞は大小不同を示し異形性を伴うが,基底膜は保たれている。治療は切除術が基本で,注意深い経過観察が大事である。
・これが口腔内にできたものが↓
コウクウハクハンショウ
[英]leukoplakia of oral cavity
[同義語]口腔白板症
口腔内の白斑,白色の病変で擦っても剥がれず,他の確定した疾患に鑑別できないものを指す臨床診断名。白板型,隆起型,びらん型,混在したものなどがあり,潰瘍を伴うこともある。癌化するものがあり(1.4~6.0%との報告),前癌病変と考えられている。病理組織学的には,錯角化,過角化,上皮異形成,棘細胞症などがみられ,上皮内癌の場合もある。治療として外科的切除,レーザー手術,凍結外科などが行われる。
・そのきれいな写真がNEJMのIMAGES IN CLINICAL MADICINEに載っておりました↓
Deep Chakrabarti, Naseem Akhtar
FYMI:めまいの総説/初めての一生のお願い
要支援医師のつぶやき:自信が無いことには自信がある/アルコール断って1週間
FYMI: コロナワクチンによる血小板減少を伴う脳静脈洞血栓症の診断とマネジメント/絶対、絶対という言葉は使わないということは絶対ではなかった
[同義語]硬膜静脈洞血栓症 dural venous sinus thrombosis,脳静脈洞血栓症 cerebral venous sinus thrombosis,血栓性静脈洞炎 thrombosinusitis
静脈洞に血栓が生じ,血液や髄液の循環障害を来したもの。原因は感染性と腫瘍や外傷による圧排,脱水,血液疾患,妊娠,出産,経口避妊薬,種々の酵素欠損などの非感染性が知られている。上矢状静脈洞に好発するが,海綿静脈洞血栓症は副鼻腔炎に,横静脈洞血栓症は中耳炎によることが多い。皮質静脈血栓症の単独発症はきわめて稀。還流障害部位により頭蓋内圧亢進や意識障害,種々の局所症状を呈する。単純CTでは脳表静脈内凝固を示す索状徴候(cord sign),さらに増強CTで空洞デルタ徴候(empty delta sign)が特徴的所見である。血管撮影により確定診断がなされ,静脈洞の閉塞や描出不良を認める。治療は原疾患の治療のほか,脳圧管理,血栓の進展防止,抗痙攣剤投与,抗生剤投与が重要。劇症型の予後は不良だが,急性期を脱しうれば機能予後は比較的良好。⇒上矢状静脈洞血栓症 ⇒ ,海綿静脈洞血栓症 ⇒ ,海綿静脈洞血栓性静脈炎 ⇒
Originally published29 Apr 2021https://doi.org/10.1161/STROKEAHA.121.035564Stroke. ;0
- 出版社/メーカー: 大月書店
- 発売日: 2019/07/15
残念な報告ですが ChAdOx1ワクチンで肺塞栓と血小板減少症/久々に超集中
鞭の一撃症候群?/初回コロナワクチン接種
甲状腺中毒性周期性四肢麻痺/今日は明日が楽しみ(ではないな)
周期性四肢麻痺を合併した甲状腺機能亢進症。東洋人に多く,白人では稀。20歳以上の男性に多い。下肢の近位筋に麻痺が起き,起立困難になる。時に上肢に及び四肢麻痺を呈する。脳神経麻痺や呼吸麻痺は通常起きない。脱力発作は12時間以内に回復する。1週間に1回以上起きることが多い。発作時血清カリウムは低下している。甲状腺機能亢進症を治療することにより脱力発作は消失する
・今週のNEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEに↓のようなレポートがありました
1.麻痺発作時の治療
[Px]処方例
グルコンサンK ⇒ 細粒 1回2.5g(製剤量として) 症状およびK値をみながら追加投与を検討
[!]不適切処方:カリウム製剤の静脈内投与 心停止の危険性があるため,壊死性ミオパチーの進行をすみやかに阻止する必要がある場合などを除いては,原則としてカリウム製剤の静脈内投与は行わない.
[!]不適切処方:ブドウ糖液の点滴静注 発作を誘発するため避ける.
FMYI or LAS: 軽傷頭部外傷の診療/エコーしながら職員に新型コロナワクチン接種
軽症頭部外傷は救急診療において日常的に遭遇する機会の多い傷病である. 軽症頭部外傷のほとんどのケースは短期間に軽快し回復するが, 一部に重症化してしまう症例があり注意を要する. また約半数はのちに脳震盪後症候群をきたし, 昨今注目される外傷後の高次脳機能障害など, 多くの社会問題の要因にもなっている. 本稿では, 日常診療で遭遇する機会の多い軽症頭部外傷にスポットを当て, 2019年に改訂された「頭部外傷治療・管理のガイドライン第4版」の内容を中心に, 診療において重要な項目について要点をまとめた.
軽症頭部外傷の診療においては, 重症化の危険因子を念頭に置き, 適切に頭部CTの適応を判断し, 帰宅や入院経過観察の判断を行う. 脳震盪後症候群や外傷後の高次脳機能障害の可能性も考慮し, 初療において詳細に診療録を記載することがきわめて重要である.
本文中にでてくるオマル医師のレクチャー(まだ、視聴してないけど)
https://www.youtube.com/watch?v=ih3-2OBn1b4
・オマル医師が映画化されていたのですね↓
コンカッション
・今度休みの時にでも観てみましょうかね。
あっという間に以下日記
・本日5/12(水)は、6時28分と遅起き。一瞬だけ朝勉して出勤しました。午前外来、午後回診。そして当院でやっと職員の新型コロナウイルスワクチンの接種がはじまったので、その見学。何をみていたかというと大会議室で接種するのですが、接種する前に某Dr.が腕にエコーを当てて接種部位と深さを指示してくれて、看護師さんが注射するという様子。確かに、エコーしたらよく分かりますね。腕が太いなと思っていても、2.5cmの長さの針なら結構骨に当たりそうな人がいました。
・その後病棟のカンファレンス、そして夜間診療、帰宅は18時46分。お風呂入って夕食。そして論文投稿のための修正。で、今にいたるです。これから寝ます。明日は早く起きられるかな。
久々に経鼻胃管症候群/まちがえて早く病院へ行く
Nasogastric tube syndrome (NGTS) is a rare syndrome that causes abduction dysfunction in both vocal folds after gastric tube insertion, and the clinical condition is poorly understood.
We herein report a case of NGTS treated with larynx electromyography. An 89-year-old woman suddenly presented with stridor and dysphagia during medical treatment for ileus. Although the patient had a history of left vocal fold palsy of the paramedian position after aortic surgery, the right vocal fold was located medially and slightly dysfunctional, and the bilateral arytenoid regions were swollen on flexible larynx endoscopy. Because of the high glottic stenosis, emergency tracheostomy was performed. Two days later, the right vocal fold began to gradually move, and this motion improved substantially one week later. Therefore, she was diagnosed with NGTS. Larynx electromyography reduced the interference pattern in the right thyroarytenoid muscle. Neuroparalysis was also suggested as a pathosis of NGTS.
・↑のなかにでてくる、喉頭筋電図検査って具体的にどうやってやるんでしょうね?
以下日記
・本日5/11(火)は寝過ごしてしまい6時24分起床。ダッシュで身支度食事摂ってなんとか7時25分病院着。今日は宿直のパートの先生との交替が7時30分だったのでした・・・と、思っていたら実は私の番ではなくて、院長が早く来る番でした。私が勘違いして早く言って申し送りも聞いたので、宿直のPHSはもったままにしました。まあ、何もなかったですが。おかげで仕事が早くできて結果的に昼は早めに病院を出ることができました。
・病棟に寄って午前外来。早く終わりました。昼食摂って病棟よって14時過ぎには病院を出ることができて、14時39分帰宅。一服後16時まで調べ物。16時から17時まで大学院のCritical Appraisa:calでした。今回取り上げた論文のロジスティック回帰の結果をかいた表の数字が計算してみるとどうもおかしかったのですが、自信が無くて皆様に確認してみるとやっぱり数字がおかしいとのこと。CAというのが、論文を鵜呑みにしないことということですが、表の計算のチェックも可能ならしておいた方が良いですね。
・その後17時10分から18時20分まで、家の前の溝の掃除と庭の草抜き。それからお風呂入って夕食。その後ちょっと勉強してこのブログを書いております。これからちょっとだけ勉強して、早めに寝ます。そして、明日は早起きしてきちんと朝勉したいと思います。
骨折といえば脂肪塞栓症候群/イシシ、ノシシではなく、ムシシをよむ
臓器の毛細血管床に塞栓した脂肪滴は局所で血小板や白血球と反応し,血管作動性物質を遊離し血管内皮障害,血管収縮をもたらし種々の症状を呈する。意識障害,呼吸不全,皮膚や眼瞼結膜にみられる点状出血などが代表的な症状であり,このような臨床症状を呈する場合を脂肪塞栓症候群という。全身全ての臓器に脂肪塞栓を生ずるが,臨床上特に重要なのは肺および脳神経症状である。大循環に脂肪滴が移行し脳脂肪塞栓を起こす機序として,微小脂肪が肺毛細血管床を通過するという考えと,肺毛細血管に脂肪塞栓が生じ肺動脈圧が上昇した結果,右室,右房圧が上昇し,約25%にみられる遺残卵円孔を通して右左シャントが起こり,大循環に移行するとも考えられている。診断には鶴田らの診断基準またはガード(Gurd AR)の診断基準が一般的に用いられているが,多発外傷症例では種々の要因により症状,検査所見が修飾されるため,典型例を除き診断が困難であり,診断のための特異的な検査法も乏しい。
・併せて今日の治療指針2020年版の説明↓
・脂肪塞栓症候群(FES)は,四肢・骨盤骨折に伴い一定の無症状期間(約6~72時間)をおいて中枢神経症状,呼吸器症状,皮膚症状(3大症状)などを発症する症候群である.
・長管骨骨折の約0.5~2.0%に合併し,発症すると死亡率は5~20%と高率である.近年でも診断が遅れ治療が後手に回ると致死的となる.
・脂肪塞栓症は骨折の約90%に発生しているとの報告もあるが,そのなかで少数の症例がなぜFESに移行するのかは不明である.骨折のみではなく脂肪吸引手術術後発症も報告が散見される.
・病態としては血中脂肪滴が卵円孔などを通じて末梢血管に至り塞栓を起こす説(機械的損傷説)と,脂肪滴が酵素(リパーゼなど)によって加水分解され遊離脂肪酸(FFA)となって血管内皮細胞を傷害,各種炎症性サイトカインが血管透過性を亢進させる説(生化学的損傷説)が有力である.