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日本における一般人の肺内石綿小体濃度/私のNGOの宣伝に感じる違和感

全く石綿暴露をうけていないと思われている人たちの肺にどれだけ石綿が沈着しているのか、以前から疑問に思っていましたが、↓のような論文がありました。



日本における一般人の肺内石綿小体濃度 ―連続肺切除手術症例を対象とした検討―


日職災医誌,67:131─138,2019




file:///C:/Users/MICHIB~1/AppData/Local/Temp/067020131.pdf



要旨:[目的]本研究の目的は,特定の石綿ばく露歴がない日本在住の一般人の肺内石綿小体濃度 (pulmonaryasbestosbodyconcentration;以下PABC)を明らかにすることである. [対象・方法]著者らの所属する医療機関の連続肺切除手術136例(男性:88例,女性:48例) を対象とした.対象の切除肺を材料として,PABCを計測した.手術時に肉眼的に胸膜プラーク の有無を観察した.石綿ばく露歴を,自記式質問と医師のインタビューにより調査した.ばく露 の蓋然性をunlikely,possible,probable,definiteに分類した.Unlikelyと判定し,かつ,肉眼的 胸膜プラークを認めない症例を,特定の石綿ばく露歴がない症例とみなしてUnlikely Exposure Group,それ以外をPossibleExposureGroupに分類した. [結果]対象の手術時年齢は平均68.8歳で,殆どの症例が1930年代~1950年代に出生していた. UnlikelyExposureGroupは73例(男性:33例,女性:40例)で,そのPABCは中央値182本/ g乾燥肺,95パーセンタイル値862本/g乾燥肺であった.Unlikely Exposure GroupのPABC はPossibleExposureGroupのそれ(中央値:608本/g乾燥肺)との間に統計学的有意差を認めた (P=0.0002;Mann-WhitneyU-test) .UnlikelyExposureGroupでは,PABCと性別・年齢及び出 生年・喫煙指数との間にはそれぞれ明らかな関連を認めなかった. [結論]1930年代~1950年代に出生し,特定の石綿ばく露を受けていないと推定される日本在 住の一般人のPABCは,ほぼ1,000本/g乾燥肺未満の範囲に分布していると考えられた.


・対象の年代が近年になってくると肺内の濃度は減っているのでしょうか?そうあってほしいものです。


あっという間に以下日記

・本日3/13(水)は6時起床。朝食摂って身支度してから、ちょっとだけ朝勉して出勤。午前外来、午後面談、カンファレンス、夜間診療。夜間診療の流れはスムースで、18時半には終わってさっさと帰れるとおもったら、ちょっと重症な患者さんが18時過ぎに来られて、その対応。帰宅は20時過ぎ。年寄りの身によるの診療は答えます。

・ところで、SNSで恵まれない人、地域になんらかの援助をするNPO、NGOの宣伝をよく見ます。以前からあるNGOのキャンペーンに違和感を持っていました。曰く、「クリスマスまでに○○を」援助する国、人たちは必ずしもクリスチャンでないのに、なぜ、クリスマスまでになのか。キリスト教の価値観を押しつけているようで違和感を覚えます。

・昨晩夜に目が覚めて、たまたまfacebookみていたら、国境なき医師団=MSFの宣伝が。そこで、日本の女性医師にインタビューが載っていました。標題の中に「症例」という言葉、記事の内容にも日本ではまず出会わない症例、そして、一つのキャリアみたいなことが書かれていました。戦地で被災している人たちが「症例」と呼ばれる違和感・・・実は、本格的にきちんと論を展開しようと思ったのですが、今日facebookみてもその記事がみつからない。MSFの日本のwebsiteをみてもそれらしきものが見当たりません。(すべての記事を探したわけではないのですが)夢をみていたのか?ひょっとして、不適切とおもって削除したのか?謎です。・・・科学者としては、「症例」という言葉も使わないといけないときもあるでしょうが、何でもかんでも症例ではないでしょう。患者さん、○○さん、でしょう。

・本当は、さっさとブログかいて寝るつもりが、上記の記事の検索に偉い時間かかって遅くなりました。これから、歯磨きして寝ます。

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