SSブログ

頭痛のないくも膜下出血とオタワくも膜下出血ルール/寝付きが悪いので困る

私が玉島の病院に赴任して間もない頃、当直時若い女性が旦那さん(彼氏だったかな?)連れられ歩いて来られました。訴えは頭痛。で、嘔吐されておりました。こりゃー、くも膜下出血ではないかと疑って夜中にレントゲン技師さんを呼び出して頭部CTを撮りました。あまり典型的では無かった(と、当時思った)のですがやっぱり怪しいと思って脳外科に紹介したところやはりくも膜下出血でした。くも膜下出血の患者さんは、救急車でくるとは限らないというお話ですが、↓のようなレポートがありました。


独歩で来院した脳動脈瘤破裂に伴う,くも膜下出血の5 例 —頭痛外来診療から—


山田 洋司




【抄録】2008年1月から2020年12月までの13年間において,梅ノ辻クリニックの頭痛専門外来に来院した,頭痛を主訴とした新患の患者数は述べ10,705名 (男性3,238名,女性7,467名) であり,このうち,くも膜下出血 (SAH) の診断を行った患者は6名 (0.06%) であった.その内訳は,脳動脈瘤破裂によるもの5例,可逆性脳血管攣縮症候群1例であった.脳動脈瘤破裂によるSAHの5症例の臨床像を詳述した.独歩で来院したSAHの頭痛は,突然ではあるが軽度の頭痛であり,激しい頭痛ではないこと,頭痛は遷延すること,頭痛のない症例もあり,原因不明の嘔吐例ではSAHの精査が必要であると考えられた.
↑の論文で、勉強になったこと:
 
  頭痛のないSAHの割合は8%
  時間の経過したSAHでは診断が困難なことがある
  原因不明の嘔吐例や一過性の意識障害例ではSAHの精査が必要
 
 そしてOttawa  SAH  rule というものが提唱されており、その要点は,以下の 6 つの項目が一つも当てはまらなければ SAH は除外できるというもので,感度は 100 % といわれている.
  ① 40 歳以上,②頸部痛もしくは項部硬直,③意識消失の目撃,④労作時の発症,⑤一瞬でピークになった頭痛,⑥項部屈曲制限
・オタワ憲章はしっておりましたが、このルールは知りませんでした。
以下日記
・本日9/7(火)は、6時27分起床。朝勉一瞬して出勤。(当然猫たちに餌はやっています)病棟へ寄ってから午前外来。午後ちょっと回診し15時過ぎに病院出て15時36分帰宅。ちょっと一服して16時から17時15分までZOOMで大学院のCritical Appraisal.その後コーナンまで猫たちの餌を買いに行って18時頃帰宅。勉強して、夕食とって研修医と看護師さんへの講義の準備をして入浴、その後知り合いの弁護士さんから頼まれた英語文献をちょっと訳して、このブログを書いております。さすがに疲れてきたので、これから寝にいきます。しかし、最近(以前からかな)眠たいけど寝付きが悪い。
 

nice!(0)  コメント(10) 

SSP: 国際口腔顔面痛分類第1版/狗頭羊肉

昨年の1月に国際口腔顔面痛分類というのが発表されていたのですね。先ほどその日本語版を見つけましたので自分のためにログと皆様とシェア↓


国際口腔顔面痛分類第1版





↑の原文↓



International Classification of Orofacial Pain, 1st edition (ICOP)


Cephalalgia. 2020 Feb;40(2):129-221





・ざっと項目のみ見てみましたが、ホンマ、色んな痛みがありますね。覚えるの大変というかムリ。概要をつかんで大事なポイントを外さないようにしないと。



以下日記

・本日9/6(月)は5時47分起床。朝勉、朝食、燃えるゴミ捨て、猫たちへの餌やりやって、午前中はZOOMで大学院の因果推論学習会。午後から出勤して、病棟回診と夜間診療。その後職員健診の胸部レントゲン読影して18時46分帰宅。猫たちに餌やりにいって夕食。ちょっと勉強して入浴。そのごいろいろ事務作業。ステラアルトア1本飲みました。これからあと一つだけ事務作業して、寝にいきます。

・最近月曜午前の学習会は以前何回かご紹介した↓の本。


Causal Inference in Statistics: A Primer (English Edition)

Causal Inference in Statistics: A Primer (English Edition)

  • 出版社/メーカー: Wiley
  • 発売日: 2016/01/25
  • メディア: Kindle版
このテキストの題名の最後にA Primer=入門書と書かれていますが、どこが入門書やねん、メッチャむずかしい。初学者読んでもまず理解できないでしょう。コレは羊頭狗肉の逆でく狗頭羊肉です。ちょっとちがうか?易しいよといっておいて、本当は難しい。何かよい熟語が言い回しがあるでしょうか?ネットでみてみると「易しそうで難しい」というエッセイのようなものがいくつかありましたが、私が言っているのは本(著者)が易しいよといっているけど、本当な難しいと言うこと。看板に偽りあり。(それにしても因果推論関係の学者さんは頭が違います。私には到底理解不可能、ついていけません。)
・↑の本は、本文126ページあり、今日103ページまで進みました。大体1回の学習会で2,3ページしか進みません。2ページとして後12回、3ヶ月。年内におわるかな?なんとか脱落せずに最後まで行きたいですね。

nice!(0)  コメント(10) 

マイ手帳大賞:病気が治らないことが不幸だという価値観を植えつけて、患者さんを不幸にしてきたのは、実は医療そのものじゃないか?

最近読んでいなかった文書や本・雑誌をちょっとずつ読むようにしています。なんせ、読んでいないものがいっぱいで、部屋がかたづかないのです。読まずに捨てることができない性分で。(実は雑誌のなかのクロスワードパズルや間違い探しをしたい)今日はちょっと古いですが医療福祉生協の情報誌「comcom」6月号(2021)No.646をみておりました。その中の「特集 在宅医療の現場から」ということで、東京都千代田区に在宅療養支援診療所を最初に立ち上げた佐々木淳医師のインタビュー記事を読みました。ALSの在宅患者さんとの出会いで健康観がかわったというような話の流れで次のような発言↓


 それまで私は、病気を治せば患者さんは幸せになる。治せなければ不幸にすると思っていました。でも、病気が治らないことが不幸だという価値観を植えつけて、患者さんを不幸にしてきたのは、実は医療そのものじゃないか?という気がして。


  私自身、病気があっても患者さんは必ずしも不幸ではないという考え方(ただ、大変だろうなとは思っております)をいつの頃からかしておりまして、病気を持っている人(A  person with illness・・・英語正しいかしら???)を診ているという感覚ですが、医療が「病気が治らないことが不幸という価値観を植えけたのではないか?」という問題意識は持っていませんでした。はたしてそのようなことがないか、今後周りを注意して見渡してみようと思います。




以下日記

・本日9/5(日)は、宿直明け。夜中かわいい看護師さんの声を聞くことなく、7時に宿直室でアイちゃんに起こされました。シャワー浴びて、朝食摂ってちょっと病棟よって、9時前に解放。(9時交替ですが日直のDr.が早く来てくれて早めに交替)9時15分帰宅。まず猫たちに餌をやって9時30分から15時10分まで2021年度日本内科学会生涯教育講演会 AセッションのZOOM視聴。私個人としては、この講演会はありがたい。視聴するだけで知識がUpdateされるので。ただ「ああ、がっかり」というところもありましたが、それは明日以降に書きましょう。

・その後は机の上を片付けなら資料、雑誌を読んでおりました。18時頃お腹がすいてきて、まず猫たちに餌をやりに行って入浴。それから夕食。『激レアさんを連れてきた』を録画で診ておりました。アルコールも飲んでおります。で、現在このブログを書いております。これからサッサと寝るか、Amazon Primeで面白い映画があったら観てから寝ようと思っております。

・明日は午前中ZOOMで因果推論の学習会、午後から出勤して病棟回診後夜間診療です。

nice!(0)  コメント(9) 

FYI:職場における心とからだの健康づくりのための手引き~事業場における労働者の健康保持増進のための指針~/勉強、資料整理、宿直

今年の3月に標記「手引き」が公表されていました。(3月公表で、今更のお知らせ遅いですが)ご参考までに。



職場における心とからだの健康づくりのための手引き~事業場における労働者の健康保持増進のための指針~


2021年3月 厚生労働省







・パラパラっと(という表現は紙媒体でみるときの表現ですね。PCでみるときはザーッとのほうがよいでしょうか)みたのですが、一つ気になるところがありました。↓のような記述の※のところ


「ハイリスクアプローチ」と「ポピュレーションアプローチ」の視点
健康保持増進対策の対象の考え方には、大きく分けて「ハイリスクアプローチ」※1と「ポ
ピュレーションアプローチ」※2の2つの視点があります。
※1 生活習慣上の課題を有する労働者個人を対象とした、個々の健康状態の改善を目指すもの
※2 生活習慣上の課題の有無に関わらず労働者を集団と捉え、事業場全体の健康状態の改善を目指すもの


なんでわざわざ「生活習慣上の課題を有する労働者個人」とするのでしょう。ハイリスクアプローチって、そんなに限定しているものではないと思います。この冊子でそういうつもりで書いているというならよい(かな?)ですが、そもそもハイリスクの人って「生活習慣上の課題」だけではないでしょうえ。例えば、高齢の労働者。別に年齢が「生活習慣上の課題」ではないでしょう。(実は最初に引用した文章で「生活習慣上の課題」の定義がされていませんが)


・あとそのページの一番最初に「近年、生活習慣病予備群(生活習慣病になるリスクが高い人)に対して、生活習慣改善の取組を行った効果に関する科学的根拠が国際的に蓄積されてきました。」と書かれていますが、そういう論文を一覧表にしたものをみてみたいです。




・あとは参考までに↓




  ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチ, そしてこれから


慶應義塾大学スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科 小熊 祐子


日健教誌 第25巻 第1号 2017年





以下日記

・本日9/4(土)は、ゆっくり7時3分起床。猫たちに餌をやりにいってから朝食。その後はお勉強と机の上の整理(資料見て整理、必要なスケジュール調整、記録等々)。お昼は1時間ばかりお昼寝。その後もいろいろ整理。そして17時30分から「大好きな」宿直。現在大きなこともなく時間が過ぎており、たまっていた書類や資料が整理できつつあります。もうちょっと事務的なことをして、寝ます。夜中起こされませんように。インシャラーメンダブツ。






nice!(0)  コメント(3) 

ロウア・ロウアのカラバル腫脹の語源は?/今日は早く帰れた

何回かこのブログに書いておりますが、新しい医学用語をつけるとき、またそれを引用するときその「語源」をはっきりさせて欲しいと思います。今回はカラバル腫脹という用語を↓で見つけましたが、そもそも何故そう言われているのか調べてもわかりませんでした。

・それはさておき、Xファイルでみたように、皮下を虫が這う様子がvideoでみることができます。NEJMのIMAGES IN CLINICAL MEDICINEから。



   Loiasis


   Sven Kalbitz, Thomas Grünewald


   N Engl J Med 2021; 385:e28  September 2, 2021




・Loiasisとは『医学書院医学大辞典第2版』によると↓


ロア糸状虫
African eye worm

西アフリカ,中央アフリカ森林地帯に分布。長さ3~6cmの線虫で成虫は皮下に寄生し移行する。ミクロフィラリアは有鞘で血中にみられ,昼間定期出現性を示す。キンメアブ属(Chrysops)が媒介し,ヒトに感染するとロア糸状虫症(loiasis)を起こす。成虫が皮下を移動する時に一過性の皮膚腫脹を起こし,カラバール腫脹(Calabar swelling)という。無痛性で,数時間から数日間持続する。皮下移行中に結膜を通過することがよくあり,African eye wormと呼ばれる。

Calabarって、最初人の名前かなと思いましたが、一応英語で「リスの毛皮」という意味がありますが、なんでこの腫脹がリスの毛皮なのか???やはり人名、ひょっとして地名???一応ザサッとPubMedやGoogle Scholarで調べてみたのですが、語源を書いている文献をよう見つけませんでした。語源をご存知の方はお知らせください。


以下日記

・本日9/2(木)は、6時30分と遅起き。ほんのちょっと↓の本を読んで水島へ。午前中産業医学科外来でした。


癒しのユーモア―いのちの輝きを支えるケア

癒しのユーモア―いのちの輝きを支えるケア

  • 作者: 柏木 哲夫
  • 出版社/メーカー: 三輪書店
  • 発売日: 2001/07/01
  • メディア: 単行本

・午後からは玉島へ戻って、お仕事。産業医面談がキャンセルになったので比較的時間に余裕があり17時15分に病院を出ることができ17時47分帰宅。配偶者が二軒屋という玉島では有名なスーパーで安売りの巻き寿司と刺身を買ってきていたのですぐ夕食。で、例によってお腹が苦しくなって一服中で、このブログを書いております。

・お風呂入る前に明日研修医にするDNARとACPに関する講義の準備をします。お風呂から上がって少しお腹に「空き」ができていれば、ビールを飲みたいと思います。


nice!(0)  コメント(90) 

腹腔内腫瘤の鑑別診断に腹膜中皮腫も/

中皮腫は私が医者になった頃(40年弱前)は、非常に希な疾患と言われていましたが、アスベストの関連で近年増加してきています。アスベストの使用量と潜伏期間を考えると今後も増加していくと予想されています。なので、色んな疾患の鑑別診断を考える場合中皮腫も頭の中に入れるべき事が多いのではないかと思います。で、↓のようなレポートがありました。(手術中の写真が出てくるので、気の弱い方は閲覧注意)



審査腹腔鏡により確定診断した腹膜中皮腫の1例


柴本 峰彩子,他。


日本臨床外科学会雑誌 81巻(2020)12号




【抄録】


症例は57歳,男性.健診の超音波検査で腹腔内腫瘤を指摘され,当院へ紹介された.上部・下部消化管内視鏡検査では異常を認めず.造影CTで,右下腹部腸間膜領域に,造影早期から濃染される5cm大の不整形腫瘤と,肝表面,両側腸骨動脈近傍および直腸周囲に,淡く造影される肥厚した腹膜を認めた.PET-CTでは同領域にFDGの異常集積を認めた.原発不明癌の腹膜播種や腹膜中皮腫を疑い,確定診断を得るために審査腹腔鏡および腫瘍生検を施行した.腹腔内全体を詳細に観察可能で,多数の約1mm-10mm大の白色腹膜結節が孤立性もしくは集簇性に広がっていた.右下腹部の腫瘤は淡赤白色,弾性硬で,大網から連続して存在した.同腫瘤を切除し病理組織学的検査を行い,上皮型悪性中皮腫と診断した.術後第2病日に合併症なく退院後,腫瘍内科医に紹介,術後第13病日に病理診断が確定し,術後第23病日よりpemetrexed sodium hydrate/platinum療法が開始されている.


・めちゃめちゃ単純に、悪性疾患を考える場合中皮腫も考えましょうというのではいかがでしょう?あと、中皮腫についての詳しい説明が↑の論文に出ていますので、お読みください。



以下日記

・本日9/1(水)は、6時2分起床。朝勉に↓の本読んで出勤。


緩和ケア・コミュニケーションのエビデンス ああいうとこういうはなぜ違うのか?

緩和ケア・コミュニケーションのエビデンス ああいうとこういうはなぜ違うのか?

  • 作者: 森田達也
  • 出版社/メーカー: 医学書院
  • 発売日: 2021/06/21
  • メディア: 単行本

・病棟ちょっと寄って午前外来。午後病棟回診とカンファレンス、ショートの夜間診療。その後書類の処理と職員健診の胸部レントゲンの読影をして18時47分帰宅。猫たちに餌をやりに行って、夕食。何故か(よいことだけど)うな丼+南京炊いたの(正式な料理の名称しらず)。南京の方でお腹いっぱいで動けなかったためすぐお風呂には入らず今度の金曜日に研修医にする講義(DNARとACP)のパワーポイント作成。その後お風呂入ってちょっと勉強してこのブログを書いております。これから歯磨きして寝に行きます。

・明日は午前中水島で産業医学科外来、午後から玉島で仕事です。一つ産業医面談がキャンセルになったので時間的余裕あり。早く帰って18時からZOOMで臨床研究講習会の視聴です。その後通販でベルギービール頼んでいたのが届く予定です。このまえ「お届け日」に届かなかったのでヤマト運輸に問い合わせたら瓶が割れていて出荷元に戻して、新しい物を出荷し直すとのこと。いままで宅配頼んでいるけど、初めてでした。まあ、こういうこともあるのね。こういった場合責任の所在ってどうなるのでしょうね?現場労働者が責められなければ良いけど。

nice!(0)  コメント(49)